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生き写しバトル

本文

VRゲームで半年も連続で1位を取っているゲームがある。
タイトルは「生き写しバトル」。

コンセプトは「過去の自分との戦い」。
かつての弱かった自分に向かって「自分はこんなに強くなった」ということを見せつけるのが売りである。


しかし。



最近は「とある年齢の自分」に勝てなくなったというユーザーが多数確認されているのだ。



デバッガーは真偽を確認すべく、「生き写しバトル」にログインした。


「これか……」

ステージ 中学時代の追憶
大人になることを拒み、自分自身が最強無敵だと空想にふけるとき。
この時の自分に勝てなくなった理由は何なのか。
単なる出まかせか。




順調にステージを進み、ボス戦にたどり着いた。
ボスは中学時代の自分だ。

訳の分からない呪文、謎に名前の長い剣技、何よりも速く動く体術、その他もろもろ。


普段なら知識などを用いて論破したり、隙をついて攻撃したりするのだが……



無敵だ。
倒せない。




あの時の自分に敵う奴などいないんだよ

この言葉が耳に残っていた。




直そうとしても直らない。



無敵だった中学時代の残留思念が、消されたくないと訴えているのだろうか。


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