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ソメイヨシノと土手の菜の花

 ソメイヨシノと土手の菜の花がきれいに咲きそろっていました。
 この風景は全国で春の風物詩になってるけど、私はかなりもの悲しい風景だと思ってしまう。

ソメイヨシノは自家受粉できないから挿し木で増やされる。つまりクローンでみんな同じ顔。
菜の花は元は野良のセイヨウカラシナで、他のアブラナ科の植物と混ざりすぎたハイブリッド。
お互いにもはや自分が何者なのかわかんない。そんな両者が隣り合って何を話してるんでしょ?

 植物の自家不和合性とは、簡単に言えば「他殖性植物が自分の花粉をブロックするしくみ」。このしくみによって得られる最大の利点は、種の多様性が生まれることです。ソメイヨシノも菜の花もこの仕組みを持っています。

 だけどね。
 自分と交われないのはいいんだけど、
 方や他者との交わりを禁じられて、その結果みんな同質なソメイヨシノ。
 方や他者と交わりすぎて、挙句の果てにみんな同質な菜の花。
 どちらも方向性は違えど、
 行き着いた先は実に孤独な世界…ってどうなんだろ。


 というわけで、一見のどかに見えるんだけど、ここはそういうシュールな現場なんです。^^;

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