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ソムリエ2次試験対策〜論述編〜

前回、ソムリエ2次試験のテイスティング対策記事を書きました。

今回は論述対策について書きたいと思います。

論述試験は2次試験の際に受験しますが、3次試験の実技試験の一部としてみなされる。と言われていますが、私はとてもそれに懐疑的でした。(実際今年はどうなんだ?)

なので私は、「論述は2次試験の配点になる!」と思いながらテイスティングだけでなく論述対策もゴリゴリ取り組みました。

2018年、論述試験の出題問題

ちなみに私が受験した年(2018年)の論述のテーマはこちら↓

①二番目にテイスティングしたワインに合わせておすすめしたい料理とその理由ついて説明(200文字)
②ジョージアワインについて(200文字)
③チリワインの今後の展望(400文字)

受験時にコレを目の当たりにした時の私の心境は、

「①二番目にテイスティングしたワイン、結局品種もなんだか良くわかんなかったんだけど、、、汗」
「②去年のテーマがオレンジワインだったのに、今年もジョージア!?」
「③チリワイン、ノーマークすぎて全然勉強してない、やばい。。。」

という悲惨なものだった。笑

今考えても本当よく書ききったよなぁ〜!と思ってしまうが、論述試験に関して対策をしていなかったわけではなかったので「書くしかない。」という強い心意気だけで乗り切りました。

乗り切る上でも大事なところをピックアップしてご紹介します。

1. 論述試験の心得

・ワインを褒める。

ソムリエの役割はワインをより多くの人に正しく知ってもらうための知識の普及、そしてより多くの人にワインを楽しんでもらうためにワインの普及を手助けすることだ。ソムリエ協会はその人員を増やすためにソムリエの資格試験なるものをもうけている。

どんなワインでもマイナスに捉えられる表現を使ってはいけない。ソムリエがワインのいいところを見つけて、褒めて、より万人にウケる表現を駆使して魅力を広めなければいけない。

「ワインの社会的な地位向上!より広く、より多くの人に知ってもらいたい」という気持ちを念頭において書くこと。

・断定した言い方をしない。

ティスティングでもそうだったが、ワインを断定した表現や特定のワインを連想させる表現は避けた方がいい。

2番目にテイスティングをしたワインはリースリングだったが、私はリースリングっぽいなと思いながらも、実際にはリースリングを選択しなかったし、試験中は誰もその白ワインの正体を知らない。

そのなかで「なんだか分からないワイン」について書くのに、断定した文言を書いてしまうと完全に的外れな論述となってしまう。

なるべくストライクゾーンを広めに、当たり障りのない、正解でも不正解でもないことを書くのがポイントだ。

ダメ例①「この白ワインはシュークルートやカマンベールチーズと相性が良いだろう」

解説:シュークルートといえばザウアークラウトとソーセージやハムなどを合わせたアルザス地方の名物料理。アルザス地方の品種といえばリースリングやピノグリを連想させる。試験に出題されたワインが仮にアメリカのシャルドネだった場合、アメリカの濃厚なシャルドネにシュークルートを合わせるって...ちょっとセンスないな、というかちゃんと勉強した?となる。(本当にアルザスの白ワインだったらご名答!と言いたいところだが、)
カマンベールチーズに関しては、日本ではメジャーなチーズだが、ノルマンディー地方のチーズであり、なぜ出題されたワインにあえてカマンベールを選んできたのか謎すぎるし「え、なんでカマンベールなん?笑」って採点者も奇妙なチョイスにツッこむだろう。場所を特定させるような言い方は避けるべきだ。

良い例①「外観はレモンイエローの輝きを放ち、そしてフルーティーなアロマは青リンゴや白桃を思わせる。また、花を連想させる可憐な香りと、まろやかな酸味からは若々しさも感じられる。このワインには新鮮な白身魚にハーブを使ったソースを合わせたい。付け合わせにフルーツを使ったサラダや、ハーブでローストした温野菜を合わせると、暑い夏にぴったりな爽やかな一品となりワインとの相性も抜群だろう。」(184字)

字数を稼ぐためにもまずワインの外観、香り、味わいには触れたい。
白ワインは余程のことがない限り、外観はレモンイエローだ。レモンイエローはストライクゾーンが広い便利な表現だ。

「青リンゴ」のイメージはサッパリ感、「白桃」のイメージはこっくりとして甘い感じ。両方に触れておくことで、ストライクゾーンを広げる。
「花を連想させる可憐な香り」というのは、非常に絶妙な表現だ。白い花なのか(リースリングとか)黄色い花なのか(シュナンブラン・ヴィオニエとか)特に断定していないため、品種は断定しておらず、しかも「可憐な花」はゴリゴリの主観でありシャルドネにだって、ソーヴィニヨンブランにだって当てはまる。

合わせる料理に関しては、白ワインには魚料理は鉄板だ。どんな白ワインでも外さない。ポイントは「ソース」と「付け合わせ」だ。ソースと付け合わせのヒントをワインから得れば良いマリアージュを生むし、お勧めできる根拠になるだろう。

ワインについて「フルーティー」「花」「若々しさ」と触れていることから、料理にも「フルーツを使ったサラダ」「ハーブ」「新鮮な魚」とパラフレーズのような感じで書くと統一感とマリアージュに対する説得力が増す。そして、実際に相性も良いのだ。マリアージュや表現方法のまとめを記事の⬇️️下の方に表にしてみたものを参考にして欲しい。

・とにかく書ききる。最後、10マス以上は残さない。

同期の友人は時間が足りなくなってしまい、「チリの展望」について400字以内で書かなければならないところを、最後4行ほど残し試験を終えてしまった。そして受験後にそれを大いに悔いていた。

私の隣に座っていた受験生も、論述の時に手が止まっていて、最終的にチラリとみた印象ではマスは5割も埋まっていなかった。彼は両手をおでこに当てて絶望的な顔をしていた。(その人の結果がどうなったのは分からないが、、、)

とにかく自分の受験後の精神衛生のためにも最後の行まではなにか書く努力をしよう。

2. 論述試験の勉強方法

・下の各品種ごとに、テイスティングノートなどを元に特徴的な表現を書く練習をする。

1. 白軽/爽やか系
 ❶貝殻、石灰のソーヴィニヨンブラン、シャブリ系のサッパリシャルドネを想定
 ❷柑橘、青リンゴのリースリングを想定
2. 白重/樽・こっくり系
 ❶桃アプリコットのアメリカとかニューワールド系のシャルドネを想定

3. 赤軽/赤いベリー系 
 ❶華やかなピノノワールを想定
 ❷キャンディー香のガメイとか日本品種の想定
4. 赤重/黒いベリー系
 ❶カベルネソーヴィニヨン,シラーを想定

想定例:3.❶、華やかなピノノワールを想定
外観は澄んだ、輝きのある、ガーネット。香りはラズベリー、バラのように華やか、紅茶。味わいは、豊か、なめらか、ビロード。
このようにテイスティングノートをイメージしポイントを書き出し、これを文章として起こして、合う料理を考える。

品種や系統ごとに書けるようにしておくと、どんな品種がきてもスラスラ書けるようになる。マリアージュや表現方法は、参考にになるかは分からないが、私がまとめたものを共有してみる。

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tastingのコピー

・国別の特徴を捉え、書く練習をする。 

 ❶東欧系
 ❷日本
 ❸ヨーロッパ系
 ❹ニューワールド系(アメリカ、オーストラリア、南米、南ア)

2018年はジョージアと、チリがでた。地域別に歴史を把握しておくと字数が稼ぎやすい。出題されたチリについて私はほぼノーマークだったが、歴史は一次試験である程度覚えていたため「南米にワインが持ち込まれたのは〜」っと歴史の話をして、「ワインが好きになったきっかけはチリワイン」とか聞かれてもいない自分語りで字数稼ぎをし、今後の展望を自分の主観で書いた。笑 

若干いい加減なのは否めないが、2019年も日本の地理的表示ワインについて出題されたため、歴史をざっくりと抑えておくと引き出しが増えるためどんな無茶ぶりにも答えやすくなることは間違いないだろう。

・蒸留酒とかリキュールについても書けるようにする。

出題されたら正直終わってたなぁ、っと思う。一応作り方とか、有名な地域、それにあうマリアージュくらい考えておくと心が安らぐだろう。笑

私が通っていたワインスクールでは、想定問題として「焼酎の造り方と、その特徴を答えよ」という問題が出題されたが、まともに書けなかった笑 なので試験本番の日も、「お願いだからその他のアルコールに関する問題が出ませんように。」とお酒の神様に何回もお祈りをしていた。笑(出なくて本当に良かった。)

★論文で使える、便利な言葉

・「私自身、〜。」
(いくらでも話を盛れるし、ワインに対する愛を文章にのせやすいので、相手に伝わりやすい)

・「〜おもしろい。」
(ワイン雑誌でもよく使われてる表現だ。笑 正解でも不正解でもなく、ストライクゾーンを広げられる便利な当たり障りのないセンテンスだ。「こういったワインには旬の夏野菜を合わせてみるのもおもしろい。」「夏のテラスで飲んでみるのもおもしろい。」「大振りのワイングラスに入れて香りを楽しんでみるのもおもしろい」)

・「ワインがより多くの人に楽しんでもらえる機会が増えていくと考える」
(コロナだと書きづらいかもしれないけど。ワインの普及がソムリエ協会の目的だと思うから、とにかく「ワインを広めていく」、「みんながワインを楽しめる」、「ワインが普及していくことを願う」みたいに、ワインを世に広く知らしめる気持ちで書く。笑)

とにかく練習あるのみ

長々と書いたが、やはりこの一言に尽きる。

ソムリエ試験のことを「まぁ勉強すれば受かるでしょう!」と軽々しく思っていた時もあったが、その膨大な暗記量といい、ティスティングなどごまかしの効かない実力が試される内容といい、三次試験まで続く忍耐力が必要なところといい、なかなかヘビーな試験である。

多くの人が論述試験に対して苦手意識を持ってしまうのは、日頃の生活や仕事において書く機会が少ないからだと思う。だが、書く練習さえこなせば、試験当日全く何も書けないということはない!ほんとうに練習あるのみ!

まだ1ヶ月以上もあるので、まだまだたっぷり時間はあります。

不安になったら、大丈夫、思い出して。

私、テイスティングの練習でワインスクールのカモになりめっちゃ課金したのにも関わらず、5問中1問しか正解することができなかったから。それでも、論述ゴリゴリ書けたお陰で、なんとか精神状態を保ち、2次試験突破することができたから!笑

私のnoteが少しでも役にたてらたら、嬉しいです。

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