ブラザー・サンシスター・ムーン　恩田陸：
あなたは過去の自分を振り返って振り返ってあの頃は、と語りますか？
その”あの頃”一緒にいた人と”今”はどのぐらいの関係を持っていますか？
私は付き合いの長い友人はもちろんいるけど、あの人今どうしているのかなと思うような友人もいます
この本は疎遠になってしまった友人を寂しく思う以外の気持ちの持ち方を教えてくれるような本でした

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高校生から大学まで一緒の３人の男女それぞれが主人公となって、今の自分を形作るものを書かれている
自分自身を軸として書かれているけどそれぞれがそれぞれを意識しつつも解釈が少しズレているところが、人間らしい
高校の郊外授業の一環で空から絡まった蛇が降ってきたという共通の出来事が3人を繋げているようで、最後まで読むとあぁこれは、と気付く

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恩田さんの書く女性（主要人物）ってクールだ、恋愛に浮かれているような場面があってもどこか冷静さがあるような感じがする
1部の語り部、楡崎（にれざき）も元彼を"付き合っていたけど単に風景を埋めるカップルの片割れとして利用していた"と語っていて決して恋愛を主題になりにくくするためかもしれないけどすごく距離を置かせるなぁと思った