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成人式の前撮りを撮りたくない

先月で成人を迎えてから毎日考えていることがあります。

成人式の前撮りを撮るのが嫌です。本当に嫌です。


理由の一つ目。「写真を撮られたくない」

私は10年以上、ブスであることを自覚して生きてきました。

撮られた写真を見返しても、出てくる感想は「ブスだな…」のみ。

今もそうです。写真を撮られたり、自分で撮ることに精神的な苦痛を覚えています。

日常的な写真でさえ見るのが辛いのに、プロに撮ってもらったきちんとした写真なんて見たら発狂ものです。

プロでさえ綺麗に撮れないブスがここにいるんだと思わざるを得ないことでしょう。

そんな写真が今後ずっと家に残り続けているなんて嫌です。

ただでさえ親は普段あまり見られたくない写真も親戚にシェアするのですから、成人式の写真なんて絶対親戚中に送ります。親はそういう生き物です。

仮に撮ってもらったとしても、その日のうちにビリビリに破いてしまうんだろうな…と想像してしまいます。


理由の二つ目。「振袖を着たくない」

私は性自認があやふやというか、男女どちらにもなりたくないと考えながら日々を過ごしています。

故に、「女性が着るもの」という意識の高い振袖を着ることは、私にとってはどんな試験に合格することよりも難しいことのように思えるのです。

性に縛られたくない、と考える一方で、「これは女性が着るものだから着たくない」と考えてしまっているのは非常に滑稽ではありますが、こればかりは考えてどうにかなるものではないのです。

着たくないから、着たくないのです。

かと言って他の服ならどうか、と言う問題でもありません。理由の一つ目がクリアできませんからね。

「きちんとした服を着て、プロに撮られている」という環境がそもそも無理なんです。


「記念の写真を撮ること自体が親への孝行になる」

と、誰かに言われました。それはその通りだと思います。

もちろん親のためになることはやってあげたいのですが…。

それなら普通の服を着て、普通に写真を撮りましょうよ。スマホならまだ我慢ができるので。笑顔にはなれませんが。


私の我儘だということは十分に承知しています。

しかし、20歳になってから毎晩成人式の前撮りのことを考えて泣いているって少し異常なのではないでしょうか。

正直自分でも「こんなに嫌なのかよ」とびっくりしているレベルです。


前撮りの話が出るたびに憂鬱です。

親には何にも言えてないし、断るならまず性自認の話をしなければならないし。

お金が無駄にならないように予約する前に話をつけておきたいなあ…。

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