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不妊治療・ぐち|だから,最後は自分で自分にとどめを刺しているんだと思う。

夫に対して不満がある。
だけど,それを表に出さないでいる。
だけど,今日はここに書きたいと思う。
だって,ちょっとつらいから。



ーーー

夫は,一回りと少し年上である。
社会的にそこそこの地位についている。

それは彼の努力があってのことだとは思う。
彼は学ぶことに貪欲で,新しいことに挑戦し続けている。


だけど,人間味に欠ける部分がある。
そして,特性がある,と思う。


物は多いが,片付けはできない。
それでいて,ある特定の部分については潔癖の傾向にある。
例えば,髪の毛一本落ちていることが許せない。シンクの水滴1つ許せない。風呂場の水滴も許せない。私はそれよりも物の多さと,その物に積もっているほこりが気になる。何年も使っていない物を溜めておく方が気になる。床の小さなへこみが気になる。洗面所に落ちているヒゲが気になる。


気になることはある。
だけど,夫の言い分も理解はできる。


物があるから創造的になれる部分もある。彼が臆せず新しいことに挑戦できるのは,まずは試してみることができるからだ。髪の毛も水滴も,ないほうが好ましい。いくら私が気になっているところがあるからと,それを挙げても,彼の主張が不当になるわけではない。


不妊治療を続ける中で,不満は大きくなっている。


夫はなかなか子供を授からないことに対して「病院に行った方がいいんじゃないの?」と言った。それ以来,2年以上,私は病院に通っている。

仕事との両立,職場や両親からの心ない言葉,そして,なかなか授かれないことで女性としての不完全さをつきつけられているようで,不妊治療だって止めてしまいたいと思っている。仕事を犠牲にしてまで,そして,さまざまな家庭を見ているなかで,自分がろくに子育てできる気がしない。


それでも,夫が姪を見ると穏やかに笑うから,彼のためにと思っている。


だけど,病院からもらった同意書にサインすることすら面倒がる。精液検査の結果だって,面倒だからと言って来なかった。排卵や生理の仕組みも,体外受精に伴う採卵も,胚移植も何もわかっていない。いくら話しても,聞こうともしない。知ろうともしない。


改めて「子供欲しい?」って聞いたら,「まあ,それとなく」と言われた。


そこは「ほしい」って言ってほしかったよ。仕事と両立しながら通院すること,自己注射を含む服薬が,どれほど負担か。健康になるために薬を飲んでいるわけではない。健康だけれども,薬を飲んでいる。すべては妊娠するために。かといって,妊娠をしたら,仕事は休まざるを得なくなる。それが私にとって幸せかどうかは,わからない。

私がメンタルを崩しているときも「不妊治療のめんどくさいやつ?」と言って,向き合おうとはしない。一番理解してほしい人に,理解してもらえている気がしない。


夫は社会的にはそこそこすごい人だと思う。
彼を慕っている人も少なくはないだろう。

だけど私は,彼が怖い。
私には彼と同じように生きていく能力はない。
そしてそもそも,彼のような生き方を望んではいない。



ーーー

夫婦のかたちは,いろいろあるんだと思う。
私が不満を言わないのは,不満を言うことが解決にはならないと思うから。そして何よりも,自分の中で複数の意見が飛び交って,自己完結してしまうんだ。自分の最初に抱いた考えがおかしいと,自分で納得する論理を組み上げてしまう。

だから,最後は自分で自分にとどめを刺しているんだと思う。


自己否定できるなら,自己の正当化だってできそうなのに。
どうにもなかなかに苦戦しているのである。




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