見出し画像

世界のスタンダードへ!スポーツ業界に一石を投じる働き方改革とは?

FIBAバスケットボールW杯やラグビーW杯など、スポーツが盛り上がる日本。そんなスポーツチームを支える運営側は、決して働きやすいとは言えない環境にあります。

過去、Jリーグの各クラブをはじめ様々なチームのコンサルティングに従事し、ビジネスサイド側から長年関わって来た過程で感じた組織課題を複業という選択肢で解決したいと語るのは、自身も複業家である高木信明さん。栃木シティでは「複業クラウド」を導入し、スポンサーセールスの職種で6名の複業人材を採用しました。採用した中の1人は、なんと栃木シティの元選手で、現在は大手保険代理店で営業をしている田中輝希さん。

今回はそんなお二人に、複業クラウドを通して果たした運命的な出会いや、複業がチーム運営側・働く側双方にとってどのようなメリットがあるのか等、詳しくお伺いしました。

高木 信明 氏
栃木シティ・しながわシティHead of Client Relations。
複業を推進し、『コネクタ』として“人(企業)を繋げ、生み出し、拡げる”活動に従事。自身も複業を体現し、数々の実績を持つ。
X:https://twitter.com/nobu0218taka

田中 輝希 氏
元サッカー選手。2011年から2021年までプロ選手として活動。高校卒業後に名古屋グランパスに所属し、その後大分トリニータへ期限付き移籍。ファーレン長崎、おこしやす京都AC、栃木シティなどJ1から地域リーグまで幅広いカテゴリーで活躍し、惜しまれながらも引退。現在は大手保険代理店の営業担当、複業で栃木シティのスポンサーセールスとして活躍し、セカンドキャリアを歩んでいる。

人手不足やナレッジの蓄積・共有を複業人材を通して改善


左:高木さん

ーー栃木シティでは人材面において、どのような課題を抱えていたのでしょうか?

高木:これから上を目指している過程のクラブですので単純に労働力が足りていないという人手不足の問題と、ナレッジの蓄積~共有等が個人に依存しており、円滑な活動に支障を来しているという問題を抱えていました。

今までご一緒させていただいた多くのスポーツチームでは兼務が当たり前の風潮にあります。たとえば営業ですと、スポンサー営業という役割を担いながら試合の前日には設営の手伝いに入ることがほとんどです。

そして平日に休みとなると世の一般企業との接触日数も必然的に減ってしまい、営業として本来追うべき数字にコミットしにくい状況であるため、成果も出しにくく、スタッフの方々の(心身の)疲弊感を感じる事が多々ありました。

また専門的な知識が必要なファンクラブ等のデータ活用(CRM)に関しても、既存スタッフの方が試行錯誤しながら運用しており、そういった点でもバリューを発揮しにくい状況だと感じておりました。

ーー人手不足やナレッジの蓄積~共有を解消するために、複業クラウドを導入されたのですね。

高木:そうですね。現在の営業メンバーは引退した元選手が1名、社員が1名、そして私の3名体制です。

そこに複業人材というプロの方に入ってもらうことで、各自のご経験やご人脈からの案件創出~成果を出していただくことはもちろんですが、現在の営業メンバーのスキル向上やリテラシーの底上げという点も期待し、弊クラブ代表の大栗に相談のうえ、導入を決めました。

ーー栃木シティだけではなく、様々なスポーツチームとお仕事をされて来た高木さんですが、このような課題は他のチームも同様なのでしょうか?


高木:人で困っていないスポーツチームはないと思います。組織・人材開発や待遇面における課題は山積みだと長年感じて来ましたし、現在もそう思っています。

たとえば、海外だと細分化された業務毎にプロ人材を雇用した組織体制が構築されているスポーツチームが数多く存在します。一例ですが、ドイツのバイエルンミュンヘンという世界的にも有名なサッカークラブは、現在のスポーツビジネスにおける「デジタルの重要性」にいち早く対応し、自社データセンターを構築してデジタルインフラを所有するようになったり、IT部門、デジタル部門等が設置され、それぞれに数多くのプロ人材が雇用されています。

一方で日本のチームでは限られた人員でという台所事情もありますが、専門分野ではない役割も担う兼務が当たり前というのが現状のため、優秀な方々が自分の専門分野でバリューを発揮するための組織構成になっていません。

ですので、たとえ若くて優秀なメンバーが入社したとしても、結婚や出産などライフスタイルが変わるタイミングで待遇の良い他の企業へ転職する方が多いですし、実際そのような場面を数多く見て来ました。

こうした点を踏まえ、今後は世界のスタンダードを念頭に、「兼務が当たり前」「根性で乗り切る」という日本のスポーツ業界特有の風潮をまずは変えなければならないと感じています。我々栃木シティもその一翼を担うべく、どんどんチャレンジして行きたい!という想いもあり、導入を決断しました。

栃木シティへの愛を持つ、元選手との運命的な出会い

右:田中さん

ーー実際に複業クラウドを通して出会ったのが、栃木シティの元選手である田中さんだったんですね。

田中:栃木シティには約3年間お世話になり、栃木という地域もチームも大好きになりました。しかし、実力不足の面もあり2021年シーズンをもって契約更新をすることができませんでした。他のチームからのオファーももらっていたのですが、栃木シティ以外でプレーをすることが考えられずに引退を決意したんです。

ーー様々なチームへの移籍を経験されているなかで、栃木シティにそこまで愛情をお持ちなのはなぜですか?

田中:選手も運営スタッフも、全員が一丸となって昇格を目指し熱くなれる最高のチームだったからです。スタジアムに人を集めるためにはどうしたらいいのか、昇格するためにはどうしたらいいのか、全員が同じ方向を向いて常に考えていました。熱量を持って戦えるこのチームが大好きでしたね。

ーー素敵ですね。栃木シティにはどのような経緯で複業で参画することになったのでしょうか?

田中:引退した今、私は生命保険会社で一から営業を学んでいます。そんな中でも、違う形で栃木シティと関わり続けたいという想いをずっと持っていました。

そこで見つけたのが、今回複業クラウドで栃木シティが募集していたスポンサー営業の複業でした。大好きな栃木シティで、引退後から勉強している営業という職種での複業は、自分が理想としていた関わり方でした。

複業という選択肢は、あらゆる可能性を広げる

 栃木シティ ホームスタジアム 「CITY FOOTBALL STATION」

ーー田中さんの今後の目標や、描いているビジョンなどがあれば教えてください!

田中:人の役に立ちたい、という想いを常に持っているので、今後も仕事を通して実現していきたいと思います。

私がセカンドキャリアで生命保険会社を選んだのは、現役時代に母が闘病生活を送っており、その時に保険に助けられたという原体験がきっかけです。あの時保険に入っていなければ…と考えるとゾッとします。保険で助けられる人の数を1人でも多く増やしていきたいです。

また、スポーツは人に感動を与えられると確信しているので、栃木シティの仕事を通してより多くの方々にその感動をお届けしていきたいです。複業といえども本業と変わらない熱量を持って全力を注いでいるので、今後も尽力します!

ーー想いを持った方に複業で参画してもらえるのは心強いですね。複業クラウドを通して、計6名を採用されたとのことですが、実際に一緒に働いてみていかがでしょうか?

高木:さまざまなバックボーンを持った複業人材の方々と繋がることができるので営業の幅が確実に広がりましたし、私を含めた営業メンバーも様々な気付き、学びをいただいております。

たとえば、海外事業の責任者をされている方にご参画いただいたケースだと、人脈のある外資企業を中心にお繋ぎしてもらっています。これまで繋がりのなかった外資企業にまで幅を広げ、栃木シティを提案することができているのはこの方のおかげです。

また栃木シティ特有の資産を活用し、企業の課題解決や事業拡大等をどう実現するか?という点まで想定したご案内をいただいておりますので、新たな可能性を見出せることが出来ると感じております。

ーー幅や可能性が広がる、というのは複業人材を採用する醍醐味ですよね。

高木:そうですね。正社員を採用するにあたって、待遇面で良い条件を出すことがスポーツ業界はまだまだ難しいと思います。そんな中、強化したい部門においてプロの人材をスポットで採用することは、費用やマネジメントコストの面でもメリットしかありません。

今回の取り組みを通して、兼務が当たり前のスポーツ業界に一石を投じ、風土を変えていきたいです。そして、日本のスポーツ業界をさらに発展、活性化させていきたいと強く思っていますので、今後の栃木シティに、また田中さんをはじめとした複業人材の皆さんの活躍にぜひご注目下さい!

▼スポーツチームでの複業に興味のある方はこちら!

▼スポーツチーム向けに提供中「複業クラウド for Sport」についてはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?