ジェンダーについて語ってみる②彼氏と結婚するから就活しない、の衝撃

前回記事↓の続きです。
大学時代に再び私のジェンダーアンテナに触れたトピックについて書いてます。
学生という身分からいろんな選択肢がある世界へ飛び込む転換期である就活に絡めてのお話です。


幼き頃からジェンダーに興味を持っていた私。
漠然とジェンダーに興味関心を持ちながら大学生になった私。
がっつりとジェンダーを専門に勉強していたわけではないのですが、自分の専門とジェンダー関連の研究を行うなどはしたりしていました。
そんな私がジェンダー問題に再度強い関心を抱くようになったきっかけは、そう、就活です。

学生という身分から離れて社会人となるための活動をする就職活動。
これに関して友人、知人と話していていくつか衝撃を受けた発言がありました。

1つ目。友人の発言。
「私選べるなら男に生まれたかった。会社で上司と一緒にお酒飲んだりゴルフしたり、セクハラにならないかとか上司も気にしなくていいから気が楽だし、絶対男の方が出世しやすいじゃん。」

一応注釈ですが、彼女は心も体も女性で、単に、この日本社会で生きていきやすいのは男性だと彼女が感じてこの発言をしています。
社会に出る前の発言なので、実際今彼女がどう感じているかはわかりません。もしかしたら、「意外と男女変わらなかったわ/女性の方が会社で出世しやすいわ」と思っているかもしれません。
当時、私も社会で働いた経験がないので「今の時代飲みとかそんなに関係ないんじゃない?」程度の返ししかできませんでした。
私と同い年で、良識ある友人を、大学までの人生経験を基にこう発言させる社会なんだなと、印象深い発言でした。
振り返ると、彼女の発言は、『上司が男性かつ飲みやゴルフが好きな年代』を前提に話しているので、それも日本企業の印象を反映しているのかなと思います。

2つ目。友人から聞いた、友人の友人の発言。
「今の彼氏と結婚する予定だから就活はしない」

また聞きなので発言主とは直接面識がないのですが、有名4年生大学在学中の女性の発言ということも含めて驚きました。
大前提として、私は、専業主婦/主夫となる権利は誰にでもあると思ってます。
センシティブなトピックであり、単に否定しているわけではなく、とにかく私に考えさせるきっかけをくれました。
当時私は人生で初めて同性と付き合っていて、自分の中のジェンダー観が再編成されている中で聞いた話だったので余計に衝撃が強かったのかもしれません。(この話は次にできたら良いなと思っています。)

私がなぜ驚いたのかというポイントをまとめると以下のようだと思います。

(まだ結婚も婚約もしていないと聞き、)同い年彼氏の就職までに別れることになったらどうするんだろう
・彼氏と無事結婚できても、万が一旦那さんと離別・死別したらどうするんだろう
・彼氏さんは初任給から奥さんを養うことに関してどう思っているんだろう
自分の給料が一人当たりで換算すると半額になっても得られるメリットってなんなんだろう?
自分が仕事辞めたくなったらどうするんだろう


私が知らない、想像できない理由があったのかもしれませんが、とにかく、私としては衝撃的なトピックでググりました。
そこで、ネット上では専業主婦は悪なのか、等々結構大きな論争になっていることを知りました。
そして、この話に関して興味を持ち、たくさんの本や論文を読む中で、落合恵美子教授が使われている表現がしっくりきました。
『主婦が安心して主婦をやっていられるためには3つの条件が必要。夫は死なない、失業しない、離婚しない』

私は、自分が専業主婦に関してどちらかというと否定的な意見を持っていることを自覚しています。否定的であるというより不安の方が近い言葉かもしれませんが、主な原因は、主ふ側になるリスクをわかっているのかという点だと思います。
そして、例えば自分の親世代など、上記の『失業しない、離婚しない』が今より守られていた時代の専業主婦に関しては、今と時代が異なることもあり、あまり何も思っていないことに気づきました。
また、なりたいわけではないけど専業主婦になっているパターンも全く否定的意見はありません。(ただ、専業主婦になりたいわけではないけどなっているということは社会制度上欠陥があるのだろうかと悲しくなります)
自分の意思で、あるいはパートナーの意思で『選んで』専業主婦となる場合に関して不安を抱きます。

しかし、終身雇用制度も終わりを迎えようとしており、離婚率35%、単純計算で1/3組が離婚する現代で、自分が離婚したくてもお金がないから離婚できない、離婚したあと貧困に陥る専業主婦は多いなどの『リスクを知らずに』専業主ふを自ら選ぼうとしていないかという点で、勝手に不安に思ってしまうのだと思います。

また、男性側で女性に「専業主婦になってほしい」とお願いする人に対しても、ここらへんのリスクと責任わかっているんだろうかと不安になります。
逆にこれらのリスク等を承知の上で専業主婦を選んでいる場合、否定的ではありません。貯金がきちんとあるとか、実家と仲良く、実家がリッチなどという場合とか...

繰り返しますが、個人個人、カップルそれぞれ事情があり、これが良い、これが正解と思っているわけではなく、あくまで私が考えた、個人の意見です。

これらの発言が心に残り、私は今でもこの問題についてよく考えます。

to be continued...



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