ジェンダーについて語ってみる④社会人になって感じたこと

ジェンダーについて語ってみるシリーズ、すこし間が空いてしまいましたが第四弾、就活前後でジェンダーについてもやもやを感じ、その後大学を卒業して社会人になった私のお話です。

ジェンダーについて語ってみたシリーズ、過去エピソードは下記です。


”いわゆる日本の大企業”に入社して、たくさんの「なんかモヤモヤする」に直面しました。このモヤモヤは「日本企業の伝統」に関するのものありますが多くはジェンダーに関してです。
「モヤモヤ」とはどういうことかというと、「別にあきらかにとても問題というわけじゃないし、発言主に悪気はないのは自明。私の考えすぎなのかもしれないし、ほとんどの人は気にならないことなのかもしれないけど、なんか違和感を感じてちょっと苦い気持ちになる」感じです。


モヤモヤその1
出張先の地元の居酒屋で上司と先輩とご飯を食べていて、年配の店主と上司が「どこから出張に来たのー?〇〇会社?」などと世間話をしているときに店主が私に「あなたは上司の彼女?」と聞いてきたこと。

上司がすかさず「彼女は部下です」とフォローを入れてくれましたが、私含めて全員スーツを着ていて、上司と私は親子の年齢ほど離れているのに、店主が冗談ではなく本気で上司の彼女と推測したことにとても面食らってしまいました。
冗談ならまだわかるのですが、本気でそう聞いてきたことが驚きでした。
なぜ部下、同僚という選択肢を飛ばして「彼女」なのか。。。


あとから考えると、もしかしたら「若い女性が○○会社で出張をするような、すなわち一般職ではない業務に就く」という発想が、ご年配ということも相まってなかったのかもしれません。
そうすると、若い女性が出張の居酒屋にいる理由として、コンパニオンとか彼女とか付き添い的な役割で来た、と店主が推測されたのもそのロジックだと納得できます。(でも私スーツ着てたけど。。。)
この話を友人にしたら、彼女が就職が決まった時に、よく行くお店の顔なじみの店員さんに「○○社に就職決まりました!」と報告したら「…事務とかやるの?」という返しで、若い女性がいわゆる総合職として働くという発想がなかったみたいで驚いたという話をシェアしてくれました。

居酒屋の店主がどういう思いで発言したのか、直接聞いていないので推測の域を出ません。
しかし、スーツを着ているのに、部下(同僚)という選択肢を飛ばして彼女と推測された経験は、日本での働く女性の認識を反映しているというか、「モヤモヤ」した経験でした。
だって仮に私が男性若手社員で、居酒屋で飲んでいたら店主は違和感なく同じ会社の社員だと認識したと思います。
間違っても上司に「あなたの彼氏?」とか聞かないでしょうし 笑


私が大学生まで関わってきた世界では、友人達は皆いわゆる「総合職」で就職していますし、なんというか男女の働き方みたいなのにさほど違いを感じていませんでした。
しかし、社会に出て、学生の頃より様々な人と関わるようになって、私が学生までに見聞きしてきた社会はとても限定的な世界で、日本全体でみるとあまだたくさんのバイアスがあるんだなと気づかされた経験でした。


モヤモヤその2
とある若手の男性の先輩と話していた時、「あんりちゃんはなんのモチベーションで働いているの?」と聞かれたことがありました。言葉に詰まっていたら、「ちなみに俺はお金で、将来奥さんにはあんまり頑張って働いてほしくない、というか苦労かけたくないんだよね」と言われたとき、モヤるというか、考えるきっかけとなりました。

そういう答えでよいなら、私も先輩と同じです。
「お金です。自分で自分を養って、将来のために貯蓄するために働いてます。」
先輩は、私が女性だからこの質問をしたわけではないと思いますが、男性社員だったら「お金のため」という点は自明でわざわざ聞かなかったりしたのでしょうか。。。?
そして、私と数歳しか変わらない先輩でも、将来の奥さんには頑張って働いてほしくない、という考えを持っていることに驚きました。
この話について深くは話していないので、将来の奥さんが働きたいといったら止めないのかもしれませんが、「頑張って、無理して働いてほしくない」という感覚が以前就活のときに感じた、「養うことが男らしさ、甲斐性の表れ」のような感覚なのかな改めて感じました。

モヤモヤに関して言うと、先輩のこの発言は別に誰かに悪意を向けてるわけでもなく、女性差別をしようとしているわけでもなく、仮にこの先輩が、あまり働きたくないという意思を持った女性と結婚された場合お互いハッピーなはずで。。。(個人的には専業主婦になるリスクを理解して、話し合い合意した場合は、と思ってしまいますが)
私が勝手にモヤモヤするのもお門違いかなと思ったり。。。


他にも様々な大小のモヤモヤを日常で感じ、一時は考えすぎなのか、必要以上に反応しすぎなのか、と思ったりもしました。
しかし、逆にジェンダーレーダーが人一倍敏感ということは、それについて考えたり、人に問題提起できる機会も人一倍多くあるということだから、喜ぶべき特徴なのではないかと思えるようになりました。
そして、大学在学時は仕事としてジェンダーを追うことは、求人も少ないし、自分にはその少ない枠に入るための熱意がないとあきらめていました。しかし、社会人になってから在学時よりも頻繁に、ジェンダーについて考える機会があり、またジェンダー関連の本を読み、議論を交わしているときが楽しいと気づき、この道を追えるだけ追ってみたいと思うようになりました。
ジェンダーを語ってみる③で書いた、少し特殊な状況に置かれて自分のジェンダーバイアスに気づいたことも合わせて、おこがましいですが一言でいうと解放したい、というか 男性にも女性にも、「~でなければいけない」に気づかないうちに、無意識にとらわれていることに気づいて、無理に従う必要はないんだ、と楽になってほしいという思いがあります。
また、私のジェンダーに対する関心のきっかけであり、日本よりもはるかに多くの「~でなければいけない」に縛られ、教育も医療へのアクセス差へも男女差がある途上国に対して特に、何かしたいという思いがあります。
「何か」が規範レベルの変化をもたらすことなのか、法律の制定なのか、何が私にできるのか、模索中です。

私の友人が就活を前にして言った「男に生まれたかった」というような、社会の仕組みが抱かせる思いをなくしたい、というのが大まかに最近私が考えていることです。

ジェンダーについて語ってみた、まだまだ語りたいことはあるので続きますが、記憶を遡って書くのは今回が最後となります。
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たくさんのnoteの中から私のnoteを読んでくださりありがとうございます。









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