「今日ずっと思ってましたけど、いつもハイボール」
「そういつも、すきなの。というかウイスキー以外のお酒はすぐ酔っぱらっちゃって、楽しくないから」
「へー。珍しい、まあ太らないからいいっすね」
「ねえデザート、頼んでもいいかな」
「まだ食うんすか…、どうぞ、食べてください」
「さっきメニューを見てて、美味しそうなのがあったのよ…これ、ほらバナナのキャラメリゼって。絶対に美味しいと思う」
「キャラメリゼって名前が可愛いっすね、確かにうまそう」
「わたしね、バナナって一番、素材としてのアベレージが高いと思うの。つまり、もしたべもの全体が、それぞれのチームを組んで、団体戦をおこなったとしたら、まちがいなく優勝するのはバナナ」
「あー、なんとなく言いたいことわかるかも。おもろいっすね。でもおれは、うーんそうだな…優勝するのは、サーモンかな。さっき食ったカルパッチョのも、すげえうまかったし」
「サーモン…！たしかに、バナナといい勝負しそう。というかお寿司のネタは、どれも強そう。でもバナナへの信頼は、揺るがないなあ」
「そんなすか（笑）てかはやく頼んでくださいよ、あと20分くらいで出ないと、終電間に合いませんよ」