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マリークヮントよ永遠に!

先日、私が尊敬してやまないデザイナー、マリー・クワントが逝去した。
2023年1月まで渋谷Bunkamuraでマリークヮント展が開催された矢先のことである。

彼女の名前を冠したブランドは、ポップな花のロゴと高いデザイン性で人気だ。
私ももちろんその中の一人だが、デザインだけでなく彼女の『意志』が私は好きだ。

彼女が作った服には名前がついていて、ジャンパースカートに「近衛兵」、ワンピースに「最高!」と名づけるその感性がたまらなく好きだ。
貞淑であれという世の中の女性像にミニスカートを提案したのも彼女である。
元々のマリクワの服は当時女性の衣服に使うには革新的だったジャージー素材を起用したものも多くあり、服が女性の動きを阻害することのないようにデザインされている。
先陣を切り、女性の世界進出とファッションの自由を謳った。明るくハッピー、活動的であれと。

現在、様々なアパレルブランドがマリークヮントのロゴやデザインパターンを使用したアイテムを販売している。
マリクワはライセンス契約を採用しており、使用料を支払えばどのアパレルブランドでもマリクワのアイテムを製造販売することができる。
通常、ブランドロゴはそのブランドのアイデンティティであり他の企業へ使用させることはコラボレーション以外ほぼ無いと言ってもおかしくないのだが、これはマリークヮントの意志に基づくのである。

当時はまだオーダーメイド品が良しとされており、当然ながら高価なものであった。
多くの女性がマリクワの服を手に取れる様に、既製品としての量産を可能とするためライセンス契約が行われた。
今でもマリークヮントのアイテムはデザイン性に優れたキュートなアイテムを打ち出しているにも関わらず、そのほとんどが1〜2万円以下、コスメも2000円以下で手に取ることができる。
本元の製品であったとしてもだ。

彼女は常に消費者のことを考えていた。
手頃で、快適で、ハッピーになれるデザインで。

私はそのことに思いを馳せるたびに少し涙ぐんでしまう。私もまったく同じ気持ちだから。

恥ずかしながら、マリークヮント展に行くまでは上記のことをまだ知り得なかった。
知らない状態で始めた、古着屋closet museumの信条と彼女の意志がぴったり重なった時、私の考えは愚かではなかったのだと思えた。

彼女の思いは私の中に、たくさんの人の中に息づいていると言える。
マリークヮントよ、永遠に!

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