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映画レビュー|「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」|この不思議なタイトルの理由とは

「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」というタイトルはなにを意味してるか。これがこの映画を見終わった人たちの中で最も語られる事のようだ。母を意味するのか、父を煙たがっていたのではなど。だけど、自分には疑いようがなく「これでしょ」というのがあったので賛否両論ある事に逆におどろいた。

劇中、主人公が探査の内容をまとめたノートのタイトルとして表紙にこの言葉が一度だけ出てくる。彼は今回の探査の総論として「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」というまとめをしたという事だ。


そもそも主人公はアスペルガー症候群である。アスペルガーの人は、音の距離感がつかめない事がよく知られている。目の前の人が話していると、その後ろの人に声をかけられても耳に入らないなど。または、周囲のすべての音が耳元でなっているような感覚。つまり「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」のだ。

実際に、探査の中で主人公は辛い場所を通る時は必ずタンバリンを耳元で鳴らす。さらには電車の近く鉄橋を渡るときもパニックになりそうになるし、地下鉄もものすごく怖がっている。

彼からするとこの旅の一言で言うなら「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」旅だったと。ただ、それだけのこと。

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