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恋と投資


何となく、恋愛とお金の関係は、正反対のようなものに感じるかもしれない。

結婚して子供を産むことを「生産性」とか言ってしまう人にとってはきっと、「恋も結婚も、結局はお金だ!経済だ!」と思っているのだろうけれど…(苦笑)

私は、恋も結婚もお金ではない、と思っている。

が、恋も結婚もお金と密接に結びついているとは思う。

今回は、恋や結婚に対して「投資する」ことについて、以前と最近にちょっとあったことでぼんやり感じたことを、考えながら書いてみる。


お金が無いと恋はできないのか?


お金が無くても、恋は十分できると思う。

「恋愛するには、デートの服とか買わなきゃいけないし、新しい化粧品も必要だし。あと、女子力上げないと…ねえ、何か習い事してたよね?」

…日本のカフェでお茶をしていた時、隣のテーブルでそんなことを言っている女の子がいた。

多分「ダイエットのためにプールに行きたいが、水着が着れる体形になってからがいいかな…」と同じ理由なんだろうな。(私も昔陥った…苦笑)

日本人特有の、「取りあえず、外側から始めてみよう」というのは何かを始める一つの手だが、それが完全に整わないと動けないのは、すごくもったいない。

化粧も服も、今あるもので、まずは飛び出すべきだと思う。

私が、イマイチな水着と体型で必死でプールに飛び込んだように。(涙)


恋愛のための投資?


そして、よく「女子力を上げる」というのが恋愛に有効だと思っている人がいる。

正直、それは違う、と私は感じていた。

昔の職場の同僚に、料理・ヨガ・ダンスに、カラーコーディネート、そして英会話まで習っている「女子力の高い」と言われている女の子(仮にAさん)がいた。

でも、それらは婚活の場ではあまり振るわなかったらしい。

女子力が高くて婚活が成功するのは、昔のように「お見合い」が主流だった頃だ。

お見合いの履歴書とも呼べる「釣り書」に、それらのことを書けるからだ。

Aさんから「(婚活のために)もう何をしていいのかわからない…どうしたらいいと思う?」と飲んだ席で訊かれたので、一応個人的な印象を前提として、「もしほんとに結婚したいなら、習い事よりも、もっといろんな人と会う方向にお金や時間を使ったほうがいいんじゃない?」と伝えた。

彼女はフレンドリーで性格も良い人なのだが、時々空気が読めてないので、男性に限らずもっといろんな人と交流したほうがいいのにな…と思ったのだ。

「男でも女でも、いろんな人と会ってみると、いろんな世界も見えるし、どんな相手が自分に合うかもわかって来るかもよ。」

時として、間違った努力をして無駄に時間を過ごしてしまうこともある。

彼女は、それらの習い事を「いい人と結婚するため」に投資としてしていたらしいが、肝心の「人と出会う」方向への行動をしていなかったようにも思った。


お金をかけてする”婚活”


さて、Aさんは私のアドバイスをいろいろ検討したらしい。

そして、彼女の出した結論は、結婚相談所に入会することだった。

それも、医者や弁護士など、高条件の男性会員が多いとうたっているエグゼクティブ系の結婚相談所に決めたんだそうだ。

せっかくお金を払うなら、と奮発したんだそうだ。

(彼女は「海外駐在員の妻」を目指していたようだ。だから英会話を習っていたらしい。)

「私は、Mちゃんが言うような、のんびりいろんな人と会ったりする時間が惜しいの。これで効率よく結婚できるならそれでいいの。」と言っていた。

もちろん、個人の自由なので「上手くいくといいね。」と伝えたが、私はちょっとびっくりしていた。

私が「もっと人を会う方向に」と言った意味合いは、相手を探すことだけにこだわらずに、自分でいろんな場に飛び込んで、新しい空気を吸ってみたら?という意味で言ったからだ。

その後私はその職場を転職してしまったので、彼女の健闘を遠くから祈るだけしかなかったが。


やっぱりお金じゃない


そしてそれから数年後に、偶然その時の職場の別の同僚に会った。

お互いの近況報告の中で、Aさんの話も出た。

Aさんは、今も独身で、結婚していないとのことだった。

あの結婚相談所では、残念ながら結局出会えなかったらしい。

ただ、習い事のほうをかなり極めたらしく、なんと今はダンスの講師として独り立ちしたんだそうだ。(!!!)

「Aさん、今の方がずっと楽しそうだよ。」

私のアドバイスが完全に無駄に終わったことを大変申し訳なく思いつつ、それでもずっと楽しそうと聞き、私もちょっと安心した。


どれだけ自己投資したとしても、その投資が自分の望む結果を得られるかは分からない。

結婚相談所に入会したからといっても、自分の望んだ結婚が確実にできるとは限らない。

でも、自分で頑張ってやってきたことはきっと裏切らない。

そして最終的に、自分を心底心配して支えられるのは自分自身だ。

そして、そういう姿は絶対、誰の目にも魅力的なはずだ。



<個人的な結婚相談所余談>

結婚相談所にいた私だから思うのだが、結婚相談所を利用する際には注意点がある。
結婚相談所でのマッチングは、「条件がお互いに釣り合うか」だ。
大抵の結婚相談所では、片方の条件に合うから、と言って紹介することはあまりない。
もちろん、データ以外でのマッチングもあることはあるが。。。(※)
なぜなら男性会員も女性会員も、どちらも同等のお客様だからだ。
なので、自分自身の持つ条件に対して「全く違う条件」をお相手に求める場合には、結婚相談所よりも自由恋愛の方がずっと出会う可能性が高い。
要は、お互いに条件度外視で、恋に落ちるパターンじゃないと、成立しにくいタイプのマッチングだからだ。

私が働いていた時、「子供が絶対欲しいので、20代の女性を紹介してほしい」という、大変失礼な40代の男性が来たことがある。
仕事なので、一応希望データを入れて仮マッチングしてみたが、お相手はもちろん出てくるわけがない。
なので、結果を伝えて「もう少しご希望条件を広くできるか、もしくはあなたの条件が変わった場合に(これは、”あなたの年収が上がったら”の意味だ。身長も年齢も、もう変わらないので)再度お越しくださいね。(あ、男性不妊の可能性もチェックされては?は心の中で叫ぶ。)」と笑顔でお断りするのだ。…そう、これが結婚相談所だ。お金を積まれても、通常はお相手がデータ上出ない人は、入会さえできないのだ。

そして、結婚相談所での婚活で、意外な結果を引き出すのは「お人柄」だ。
前述の(※)に書いた「もちろん、データ以外でのマッチングもあることはあるが」という部分だ。
基本、大半の結婚相談所はデータマッチング(データベースで、条件項目がより多く合致する方を紹介)で、お相手候補をピックアップする。
が、「データ以外のマッチング」のひとつに、「相談員同士の手作業マッチングと紹介」というのもある。
自分の担当する会員さんのために、他の相談員の会員さんを普段から見繕っておく、という”超奥の手”のマッチングも存在する。
相談員も人間、自分の会員で良い方は、やはり応援したくなるものだ。
普段から「あの新しい会員さん、うちの〇〇さんに合いそう」「どうかしら?」と言った形で、他の相談員さんに探りを入れている。
ということで、やはりどこでも「良い人には、良い人を引き寄せるチャンスがある」のだ。市井しかり、結婚相談所しかり、だ。

・・・ちなみに、こういう「お人柄の良い方」は、「子供が欲しいので、20代の女性を紹介してほしい」みたいな失礼なことは絶対言わない。
「一生かけて、精いっぱい幸せにしたい相手と出会いたいですね」というような、相談員(女性)さえ目がハートになってしまうことが、心から言える人だ。
そして、そんな方はすぐに成婚して退会していくのだ。(笑)



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