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盟友たちと私の妄想

こちらに移住してから、結婚間近だったり、結婚している人のブログをよく読んでいた。

自分の人生にとっては予定外の、まさかの結婚。

想定外の、海外生活。

ただでさえ飽きっぽい部類の私が、日本から遠く離れた地で、この結婚生活をやっていけるのか、続けていけるのか不安だったこともある。

特に国際結婚している人のブログはいつも本気で熟読し、行間のちょっとしたニュアンスまで凝視していたものだ。

欧州の北部で、のんびりと結婚生活を送られているブログに、当時の私は「ああ、こういう風にのんびりいけたらいいなあ」と憧れた。

南欧州の地方都市在住で、おいしそうな料理を作っている年上らしい方のブログでは、うっとりと私も毎日おなかを鳴らしていた。

また欧州の西側でお子さんを育てながら頑張られているブログには、そのバイタリティに感嘆し、ブログ越しにエールを送っていた。

地中海で、若いご主人とラブラブでびっくりするぐらい優雅なブログを書いていた女性は、ある日突然日本に帰国して電撃再婚していたのには驚いた。

南米に引っ越された日本人妻のブログには、読んでるこっちがびっくりするほど夫との激しい喧嘩、そして別れないのは「夫より義母が好きだから」という不思議な関係性に興味が尽きなかった。

北米で、ひどい相手に大失恋をして長く辛そうなブログを書いていた女性が、その後それまでの苦労をすべてチャラにしてくれるような優しい夫と巡り合えた時には、本当にうれしくて勝手にお赤飯を炊いた。(笑)

夫婦も家族も、本当にそれぞれ違う形があるんだと思い知らされ、どことなく日本が恋しくて寂しく感じていた自分を慰めてくれていたのを思い出す。

「みんなすごいな。私も頑張ろう。」

当時は先の見えない現地語の習得という難問に挑んでいた最中だったので、彼女たちの頑張りを勝手に糧にして、自分を奮い立たせながら過ごしていた気がする。

一方手的なブログの読者でしか無くても、私にとっては盟友だ。

すごく、勝手に。

そんな私は読むばかりで、当時は自分でブログを書こうという気が不思議と一切起こらなかった。

ブログ越しの諸先輩の中で、「私なんて…」な気持ちだったのもある。

今思うと、当時にちょっとだけでも書いておけば、記録として面白いものになったかもしれないな…とちょっと後悔している。


ある盟友に起こったこと


拾い読みしていたのは、先輩たちのものだけではない。

当時、恋愛や婚活をしていたり、結婚手前の方々のブログも読んだ。

その中で、私よりもずっと年下で婚活に悩んでいた、ある女性のブログが目に留まった。

文面から、彼女は頭が良くてかっこいい方なんだろうな~と感じていた。

が、婚活ではなかなかいい出会いが無くて、その悩みを綴っていた。

「彼女、めちゃくちゃいい!どうして相手の人は見る目が無いんだろう?」

「そんなに悩んでほしくない…あなたは十分素敵な人なのに!」

とブログ越しにエールを送り続けていた矢先、彼女は昔の知り合いと再会して、あっという間に結婚された時にはびっくりしたが、

「ほら!見る目のある人は、彼女の良さがちゃんとわかるのよ~!」

と、本当にうれしかったのを覚えている。

彼女はその結婚生活もずっとブログに綴っていたので、私も時々追って読んでいた。

彼女の結婚生活が8年ほどたった最近、急に別居することになった、と書いてあった。

もちろん夫婦間のことだから、ブログに書けないことや他人にはわからないことがあったのだろう。

あんなに辛い思いをしながら、やっと出会えた人と結婚して、ほぼ毎日のように「夫が本当に好きだ。結婚して幸せだ。」と書いていた彼女に、何があったのだろうか。

日々、そのことで落ち込んでいく彼女に、私も心が痛んだ。


でも負けない


そんな彼女が、別居後に始めた転職活動ですぐに内定が決まったと書いてあった時、本当にうれしかった。

と同時に、彼女の中でも「もう離婚でもいいや。私は私の道を行こう。」という心意気が文面に出てきたように感じた。

彼女は元々仕事ができるタイプ(だと思う)なので、きっとこれからこれを機に少しずつ前向きになっていけるだろうことを切に願う。

落ち込むことは当然だけど、生きていくためには前に進まなければならない。

たとえ理不尽なことが起こっても、過去に戻ることはできないし、怒ってしまった事実を変えることはできない。

ましてや、急に変わった相手の気持ちなんてわかるわけない。

だったら、もう前を見るしかないよね。

自分のことを考えられるのは、いつだって自分しかいないのだから。

だからきっと、彼女もこれから違う幸せを見つめていけることを信じている。


で、わが身に返ると…


夫婦喧嘩も、別居も、離婚だって、とにかく乗り越えるしかないのだ。

男女平等ではない世の中で、特に私はここでは選挙権もない異邦人。

ちょっとした夫婦喧嘩(滅多に無いが)のたび、すぐに離婚を考えてしまう癖がついてしまった私は、ついつい「自分がこの状況になったら…」というのを常にシュミレーションしてきた。

だから、私においては「離婚後のロードマップ」は既に完璧に近い。

夫と離婚に至る段取りも、既にいろんなものを練りすぎている。(笑)

ショックで考えられなくなった時のために、いろんなところにメモしてもいる。

日本とは違って、今いる国では、たとえ円満でも弁護士伝いの書類作成が必要になってくるため、最短にできるかどうかを模索している。(よく変わるのでアップデートを時々。)

私にとっては日本帰国一択なので、とっとと荷物をまとめる。

荷物を送る算段は既に何通りかのサンプルを持っている。

日本に到着後は、もう後を振り返らず、すぐに生活基盤を整える。

売ってしまったお気に入りのマンションは悔しいが、当分賃貸でいい。

転職活動をガンガンして、とりあえず1か月以内には何かを始めている予定。

仕事の勘を忘れないために、今も続けている細々としたパートで、実はすぐに就業できる目途もちょっとあるし、昔のつながりも頼ろうと思えば何とかまだ頼れる。(でもこれは最後の手段で)

そして、私の結婚でご破算になってしまった友人達と一緒の老後計画もまた再計画しなくては♪

・・・正直、実はこっちの方がワクワクが止まらないのだ。(苦笑)

国際結婚が決まった時から、万が一ダメになった時のことも考えておかなくては…と、準備しすぎたらこんな結果だ。


夫は、隣でにっこり笑っている妻がまさか離婚後のことをこんなに(それもワクワクして)計画しているなんて知らない。

(あ、でも結婚前に「もし浮気したら即離婚。そして私は日本にすぐ帰るから。」というのはしっかり宣言済みではあるけれど。)

もちろん、夫が私を大事にしていくれている限り、私も彼を大事にして末永く可能な限り一緒にいると決めている。

たとえ、離婚後が私にとって「より楽しい」計画だったとしても。

・・・き、決めているけれど。(苦笑)



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