【前談】デザイン発注の始まりはいつから?

アンズデザインです。

今日はデザイン発注のお話です。
デザインを依頼するとき、
いつから仕事が始まっていて、何を託していることになるのか、
デザインを相談する際に、発注する側もされる側も
納得した良い仕事をするために必要だと思う、
いい相談の仕方をお話ししてみたいと思います。(私調べ、ですが)

デザインを依頼し、出てきた見積書を診て
「なんでこんなに高いの?」と不満に思ったことありますか?
発注する側のクリエイティブ認識やリテラシーによって
見積書の捉え方には大きく差があると思います。

なんで予算感にズレが起きるのか。
①何の作業に対価が発生しているのか掴めていない。
②何を任せたのか掴めていない。
③クリエイターの価値(経歴や見知・ネームバリュー)

20年の経験から解決策は
①任せたい領域と予算感を相談し擦り合わせる。
→パートナークリエイターとして長く付き合いたい、デザインの重要性を感じている方はこの方法がベスト。
②ゴールイメージ(何をしたいのか)を明確にしたうえで何をどうすればいいかをまず相談する。
→①と同様。ディレクターレベル以上であれば、相談役として適切なスタッフアサインもできます。
③激安でデザインしたいならネットサービスを使用する
→個人的見解ではありますが、デザインの価値を重要視しない方には有効か
なと思います。
④経験実績の少ないクリエイターを使う
→経験が浅くとにかく実績が欲しいクリエイターは比較的安価でデザインを受託してくれます。(winwinの関係)相手のバリューが上がるに伴って予算は上がる、というか、気に入って信頼し付き合うならば、予算を上げていくのが健全だなと思います。

【ありがち!クリエイターへの職域誤認とは】
・デザイナーはいいデザインをつくる
・カメラマンはいい写真を撮る
・イラストレーターはいいイラストを描く
・コピーライターはいい言葉を書く

広義で間違っていないですが、
とても乱暴な解釈だとまず知っていただきたいのです。

「いいデザイン」と判断する「基準と解」は、発注側にある。

デザイナーもカメラマンもイラストレーターも
得意先の利益と要望を基準軸に思考します。
もちろんその中でセンスや感覚を最大限使い、相応しい表現を探っていますが、自身のセンスだけで表現したりアウトプットするのは作家活動の領域になる。得意先の要望に応える「いいアウトプット」に辿り着くまで、様々なステップがありますし、時に託した相手が一人じゃなくなる場合もあります。(書き出すと長くなるので各媒体のデザイン現場の回でお話ししますね)

ご想像いただくのはなかなか難しいのですが
デザインの現場では、予算規模やアサインされる人間によって、進行の権限や指示系統がとても複雑なので見えにくい部分も多い。
飲食店の集客ポスターから、ショッピングモール年間販促や大手企業の広告制作まで、デザイン現場を多く渡り見てきた目線として、
大手であれ中小であれ、規模感が多少違ってもデザインが生まれる現場では、複数のプロが役割分担して携わり「最善の仕事」をしています。

【デザイン発注する際の大前提認識ポイント】
●デザイン発注には情報整理と要望がいる。
→「いい感じで」といった漠然とした指示は状況整理からの着手になる(時間も作業量もコストもかかる)完璧でなくても整理した概要や要望をもって相談いただくのと全く手づかずとでは負担量がかなり違います。

●デザインすること=「0→1(ゼロイチ)の作業」であること。
→目指すもののイメージがないと検証幅は無限になる。
状況を整理し、考えうる全可能性から幅を決め、たくさんの検証作業をすることになります。(単純に向き合う幅が広く深い=作業量が多くなる)

より良いデザイン発注・依頼の具体的な仕方について
次回、媒体別で書いていきます。

クリエイティブ発注の仕方がわからない、見積もりを正しく取る方法を知りたい方のご参考になれば。

アンズデザイン

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