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会社を辞めようと決めた日【後編】

前回の続き。

部長と課長の許可を得て、そこから一年。
サービスの入口となる「プロモーション的なイベント」をやりました。
次に「本来のサービス展開へ」というつもりでした。

準備半年、実施半年。
まあ、いろいろありましたね。。


構造不良


問題は、プロジェクトうんぬんではありませんでした。
今までに蓄積した、場当たり的にやり過ごしてきた問題が噴出するんですね。

広告費の考え方(店舗ごとか全体か)
集客経路によりどの店の客になるか
同様に、売り上げは誰の成績になるのか

スキルがまちまちだから、担当は決めたほうが良い。
しかしそれでは、スタッフ間で「不公平」になる

はっきり言ってどうでも良いことばかりでした。
驚くことに「お客さんにとってどうか」の話は出ないのです。
課長がふた言目に言うのは、
「部長は、どう言うかしらね。」

なかでも一番現実的な問題は、
現場の士気が相当に下がっていて、「できるだけ働きたくない人」が混じっていること。

私としては、せっかく賛同してくれた大事なお客様が、
「何なんこれ?」
となることだけは避けたかったのです。
こうなれば、すべては水の泡です。

「協力してくれるチームメンバーを担当にしてほしい。」
と伝えましたが、
それでは「不公平」だというのです。
課長は、結局は「面倒な内部のいざこざは避けたい」のでした。

「あなたがみんなに協力してもらい、みんなが平等にやれるように。」
と。

店舗は複数あり、スタッフは数十名います。
私はプロジェクトそのもので手いっぱいでした。

やる気のない人のモチベーションを上げるのは
課長、あなたの仕事じゃないの?
このプロジェクトの問題じゃないですよ。


とどめ


一年が終わり、「結果報告」をしてと言われました。

集客は今までにない盛り上がりがありました。
充分に手ごたえはありました。
種まきは成功でした。
私は、次の段階を考えていました。
「構造不良」を何とかして、上手く回るようにしたい。

私は、こう伝えました。

プロジェクトチームを作り、まずは専門のサービスという位置づけでスタートしたい。
徐々に拡大し、スタッフ全体のスキルアップと協力体制をはかりたい。
最初のメンバーはたとえ一人でもいいから、私に選ばせてほしい。

「人事が絡むから、それは出来ない。」
「でも、やる気のある人が必要なんです。」

すると、課長は鼻で笑いながらこう言ったのです。
「やる気のある人なんているの~~?」

終わった。。

全てはここだったのです。
この人は、スタッフを見下している。

サービスに何が必要かは、現場のスタッフが一番よく知っています。
しかし、スタッフが信用できないとなると、
何から何までチェックすることになります。

もちろん「管理」するのが課長の仕事だから、ある程度は仕方ないでしょう。

しかし、なぜこんなことで?というチェックが膨大に入り、
どれだけブレーキになっていたことか。

そもそも、信頼関係がなければ、成立しなかったのです。

私もそう思われていたんだな。
こんな場所でやったって上手くいくはずがない。
この瞬間に、辞めることを決めました。


さらにとどめ


もう一つ、ありました。

社内で「新しい取り組み」への表彰制度がありました。
それに応募しないか?と本社から持ちかけられました。

「あ、良いですよ」
私は提案書をササっと作り、
打合せしましょうということになりました。

オンラインで打合せが始まると同時に、
課長補佐がこう言いました。
「今回の提案者は〇〇さん。あとは並列で。」

この〇〇さんは、今回のプロジェクトのリーダーです。
リーダーは「私の店の店長」になっていました。
そしてチームは、私以外にも数名いました。

ここも不思議ですよね?
起案から実行まですべて私がやってきたのに、
プロジェクトリーダーは私の店長でした。
しかし、ここに「本社とのつなぎ役」という大事な役割があったのです。

全く現場を知らない本社に進捗報告をし、
一応「いいよ」をもらわないといけない。
私はプロジェクトに専念したかったので、
店長が「つなぎ役」をしてくれたことは、とても助かりました。

しかし、この応募に関しては、別問題です。

これは個人でも応募ができるものでした。
チームで応募する場合にも、「上長の許可は必要ありません」というものでした。
また、これは「新しい取り組み」をテーマにしたものでした。

「あとは並列で」は、他のチームメンバーの名前の一つに、
私を入れるということです。
その意味するところは?

私は、強烈な違和感を覚えました。

「それはなぜですか?」
「あなたが一人でやったんじゃない。会社でやったんでしょ。」

これ、たとえば作曲した曲が、
「会社の勤務時間内に作った曲だから、作曲者は社長の名前にするね。」
というのと同じでは?

「それって、誰に対するアピールですか?」
笑 笑、、あー言っちゃった。

「じゃ良いです。出しません。失礼しまー-す。」
私は、オンラインの「退出」ボタンを押したのでした。

終わった。。再(笑)

これ以上の我慢は、出来なかったな。
よく頑張った、私(笑)

それから粛粛と準備し、
ちょうど一年後に、会社を辞めたのでした。

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