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七分袖の安心感


  昨夜、愛用のエレアコのペグボタンが割れてしまい、せっかく弦を張りなおしたばかりだというのに、弾けなくなってしまった。ペグボタンだけの故障なのでどうにか自力で…と思っていたがペグボタンにも色々種類やサイズのようなものがあるみたいだがどれがどれだかわからなくってどうしようもなく、困った挙句にTwitterで有識者を募ったところ、心優しい方が一名、DMを送ってくださり、(しかも元楽器店で働いていた方だった)色々と教えてくださった上に、私のギターのペグボタンと類似しているものをわざわざ調べて教えてくださったりと、とても親切にしてくださったのだった。こんなありがたいこともないよなと思いつつ、返事を打ちながら何度も頭を下げていた。教えてもらったことを踏まえて行きつけの楽器屋さんに相談したところ、運が良ければ部品を取り寄せることができるかもしれないとのことで、火曜日まで連絡待ちとなった。どうか上手くいきますように。

 

 (少しだけ『エドウィン・マルハウス』を読んだけど読んだうちに入らないような量だったので、寝る前にもう一度読み直すつもり。)


 日中は外出し、買い物を済ませた。日差しは雲に覆われていて柔らかく、気温もなだらかに下がっていき、夕方には風が冷たかった。

 街ゆく人々を眺めていると七分袖や長袖を着ている人が多くて、カーディガンを羽織っている人もいたし、ニットの人もいた(ちょっと暑そうではあった)。

 何より色合いが秋を連想させるような組み合わせが多かった。ベージュにブラウン。アイボリー。オリーブ。テラコッタやキャメル。そこにゴールドやシルバーのアクセサリーが煌めいていた。なんとみんな…おしゃれな…と半ば浦島太郎状態で眺めていた。みんなちゃんと季節の中で生きているのね。

 かく言う私もブラックにダークネイビーの組み合わせだった。…いや、それは秋は関係ないか。私の場合は七分袖ってことくらいだろう。やや秋。個人的に秋冬を過ごすのが好きなので、早々に服の入れ替えをして、寒さを浴びたら、柔らかくて分厚く作られた服に包まれて安心したいのだが、もう少し先になりそうだ。


 夜ご飯にあたたかいそうめんが食べたくなり、たまたまこないだYouTubeで流れてきた、ラーメンスープで食べる素麺がとても美味しそうだったので作ってみたら、それがまたとても美味しかった。調味料も大体が家にあるもので買い足すものもなく、強いて言うならば鰹節粉。あとは鶏肉くらいだった。鶏肉の皮を弱火で焼き、油を(鶏油というらしい)とり、それと合わせ調味料を混ぜ、お湯で割るのだが、おうちでこのクオリティの味が作れるのか…とびっくりした。鶏油と鰹節粉の存在の重要さにも。君らがいなくちゃこのラーメンスープはできないんだね…っていう。要だった。わかりやすすぎる要だった。とにかくリピートは確定。なんならもう少し研究したらもっと自分好みのスープが作れる気がする。いっそ素麺ではなくちゃんとラーメンとして食したい。鶏油の取り方もわかったし。(焼いて出来上がった鶏皮せんべいは塩胡椒で食べると美味しかった)ラーメン屋さんって…スープって…奥深いね…。(何かを学んだようです)

 その後、祖母からもらった無花果を食べた。何気に人生初めての無花果だった。そもそもどうやって食べるのかすら分からないねえ、なんて言うと、母に笑われたので、そもそもうちでたった一度も出てきたことないよね、というと、「確かに。食べさせてなかった気がする。私は子どもの頃に飽きるほど食べていたので、逆に食べさせようと思わなかった」とのこと。私も存在は知っていても食べようとも思っていなかった。四半世紀すぎてやっとである。無花果。感想は、『甘みという重大な美味しさを忘れてきた桃』だった。齧っていくうちに自分は一体何を食べているんだろう…?と不思議に思い、いざまじまじと無花果を見つめると、中身がとっても……なんていうか…センシティブというか……センシティブだった。

 SF映画で見るような、どちらかっていうと食べられちゃったっていうか、早くここから逃げ出さないと!って焦っちゃう感じの。ちょっと怖かった。でも見た目とは裏腹に舌触りは柔らかいのだった。無味に近い柔らかでささやかな甘み。たまたま食べた無花果の味が薄いのかもしれないので、また食べてみようと思う。色々と戸惑った無花果デビューだった。あ、好きですとても。

 

 ここ最近ずーっと短歌のスランプに陥ってて困り果てているので昨日の夜中に既出の短歌をTwitterの海に放流した。新しい歌はできていないけど、できているものはあるので一種だけでも誰かの心に留まって欲しいなと思ったから流した。そしたらリプを送ってくださった方やDMを送ってくださった方もいて、『あ〜〜〜〜嬉しい〜〜〜〜…』と一人泣きそうになっていた(というかちょっと泣いた)。

 趣味の範疇でも誰かに響くのは嬉しい。スランプだけども成長するために必要な時間なのだと信じる。これは今月末間に合うのかっていうね…

 でも、数というのはいつだって創作物を世に出す限りついてまわるものだし、素晴らしいものはたちまち限りなく広がり、多くの人の目に留まる。それは事実。

 誰かの心に留まることを楽しんでいきたい。大事にしたい。

 もっと自分らしく歌い続けられるようになったら、やりたいことがあるのでそれに向けてながーーい目でやっていけたらと思う。頑張ろう。少しずつ。


 眠る前に毎日ひとつ降ってくる短歌を書き留めてから眠りたい。

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