行くぞ海外!〜連載企画②
「夏休みに留学に行かない?」
大学の期末試験が始まろうかという7月の中頃、別の大学に通う友人から電話がかかってきた。
今でもこの電話は私の背中を押してくれた便りだったと思う。行動に移そうという脳のスイッチが一瞬のうちに入り、血液が体の隅々まで一気に流れた気がした。
私はその電話で夏の海外行きを決めた。
友人の提案はオーストラリアで環境保全ボランティアに行かないかというものだった。
帰国子女のその友人は幼少期はカナダで過ごしており、海外には慣れている。おそらく普通の語学留学なんて考えは無かったのだろう。
しかし、私はその提案にピンと来なかった。留学ならやっぱり英語を勉強したい。
私は友人にその旨を伝えた。友人も了承してくれた。
行ってみたい都市はいくつかすぐに浮かんだ。もちろん英語圏だ。
1週間後、彼の大学の門で待ち合わせた。
大学生協に出向き、他大学の学生も申し込めることを確認し、友人と一緒に申し込んだ。
2週間で30万円。往復の飛行機代と寮での宿泊費、朝と昼の2食が含まれた金額だった。
それから1ヶ月後、私は成田からあの街に行く。
乗り継ぎ含めておよそ14時間のフライトは、これから始まる海外生活の序章に過ぎないのだ。
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