学習塾:広告に寄せて(折込前⑫+2---授業の具体例)

 少し英語を学んだことのあるひとならば、先に挙げた例文は見たことのある単語ばかりでつづられていると思うでしょう。

 英語学習、特に英単語に関しては、単語毎に日本語の意味をひとつかふたつ覚えるやり方(←名詞の場合はそれでもそんなに差し障りはありませんが)、つまり変に訳を固定化して暗記してしまうと、残念なことに必ずや誤訳の沼にはまって身動きがとれなくなってしまいます。
 そうならないようにするためにも、英単語は文脈に沿った「概念」「イメージ」で体得していきたいものです。

 ここでひとつ考えたいのは、「英語を英語のまま理解する」というフレーズのほんとうに意味するところです。
 大抵のひとが習いはじめの早いうちから英語を英語のまま理解しよう、理解しなければならない、理解すべきだ、と信じて疑わないと思います。
 しかし、英語が話されているシチュエーションと、そこで使われている英語のレベル(=洗練度)の組み合わせが多種多様なことを考えると(←シビアなビジネスの場面で、ぼやぼやと英語を日本語に変換していたら絶対に競争には勝てませんし、逆にそれなりのレベルの英書を日本語翻訳しているのであれば、時間をかけて訳語を最大限に吟味することが不可欠でしょう。)、そうしなければならないときが来るまで、英語を英語のままどうにかしようなどと強く思わなくてもいいと思います。
 「英語を英語のまま理解」に関しては、遅かれ早かれそうできるようになることが確かに必要となることは事実です。けれどもそのことにこだわり過ぎると、たいていはあやふやにしか意味をとらない(とれない)空虚な時間をただ費やすだけになってしまい、その結果いつまでも英語も日本語もどちらの力もつかない、という非常に悲しい経過をたどることになってしまうことが多い印象をこれまで実感として受けています。

 ほんとうの意味で、英文の内容を理解していくためには、解釈のプロセスが何より大事です。まずはゆっくり焦らず、ある程度同じ手順をきちんとたどることが肝要です。そうやって文章を正確に理解するプロセスを確立することができれば、間違いなく自ずとスピードはついてきます。(「正確さと速さ」については、またの機会に書き下ろさせていただきたいと思います。どんなに正確でもあまりに時間がかかりすぎると、それはそれでいろいろと不都合が生じてしまうことがあります)

 さて、出題しました英文の解釈のプロセスですが、まずセンテンスの動詞に注目し、「状態」か「動作」を判断します。ここで「アスペクト(相)」(←単純現在/過去形・現在/過去完了形・現在/過去進行形等)を意識することによって、より深い動詞の語彙的意味にたどり着くことができるようになります。さらに動詞の後ろにどんな品詞が置かれているのかを確認します。(←このような英文の読み方を私自身は学生時代に「品詞で読む」というように表現していました。空所補充問題を解答するときにも応用できます。)
 英文を訳すときは、すぐ日本語訳を引っ張り出してこようとはせずに、品詞やアスペクトを熟考してから最後に「きれいな日本語」に辿り着くことを目指しましょう。
 


 次回に続きます…



 

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