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飛球

   飛球


「明日は君が四番を打つといいよ」
と酒屋さんのおじさんは言いました。

うちの四番が
明日から旅行に行くのです。

とは言っても、
神社の近くの

公園でやっている野球の事です。
僕の四番は、

近頃よく言われているように、
四番ではなく

四番目の打者ということです。
でもみんなを少しぐらい驚かせてやる。

これから帰って素振りをしようと、
空き地を見つけると

ボールを空高く放り、
飛球を捕る練習をしてから帰りました。

大学のために、
この町に来たお姉さんが

窓を開けました。
「こんにちは」

「試合?」
「ううん練習」

「今度四番を打つんだ」
「すごいじゃん」

「いつもの四番が旅行に行くんだ」
「今度の四番という経験が、

いつか何かになるよ」
「何に?」

「分からないけれど、
私がこの町に来たみたいに」

そしてそれから同級生の一人が
穴を掘っていたので、

「何をしているんだい」と聞くと、
「これはとても良い土だよ」

と言いました。
そのとき男の子が一人やって来ました。

「君は、あのお兄ちゃんの弟だね」
と聞くとうなづきました。

すると穴から鍋が出てきて、
それもぐつぐつと食べ頃でした。

友人は、
「土の中は温かいので、

冷めずにいたのだろう」と言いました。
「じゃあ僕らも掘りに行こう」

と学校に行き、
ぶらんこを囲う

柵の辺りを掘ろうとしたら、
あのお兄ちゃんの弟が、

「それは僕たちのもので、
あと何年か経ってから、

みんなで掘り出すのです」と言いました。
僕たちは、

「知らなかった。ごめんね」
と言いました。

それから僕たちは、
草っぱらで

並んで立ちしょんをしました。
僕は終わった後、

よくおちんちんを振らなかったから、
足の方に少しおしっこが伝いました。

良い文章を作れるように、 作るために、 大切に使わせて頂きたいと思います。