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【太宰治作品 朗読】『畜犬談』『富嶽百景』

太宰の随筆を朗読しました。

YouTubeにアップしてます。

ご興味のある方は是非チャンネルの方に遊びに来てください。


【短編朗読】『畜犬談』太宰治

"芸術家は、もともと弱い者の味方だったはずなんだ――"
"弱者の友なんだ。芸術家にとって、これが出発で、
また最高の目的なんだ。
こんな単純なこと、僕は忘れていた。
僕だけじゃない。みんなが、忘れているんだ――"
(『畜件談』より引用)


太宰の畜犬談は
数あるコミカルな太宰作品の中でも
群を抜くコミカル度を有しているかと思います。


そんなコミカルな文体の中だからこそ逆に
チラと見せる太宰の哲学に目が行きやすくなり
ハッとさせられることもしばしばです。


人はみな芸術家だというのが私の考えです。
自分をアートしながら一生を過ごし続けます。
生きとし生ける私たちすべての人類が
弱者の友であるべきだという境地にいたれば
この世界は
どんなに眩しくなることだろうと
夢見ています。


【畜犬談 (ここクリックすると動画に飛べます)】




【短編朗読】『富嶽百景』太宰治

富士には、月見草がよく似合う
――という有名な一文が生れ出たシーン以外にも
この作品には、印象深いシーンが
沢山出てきます。
富士山に絡めながら
多彩なエピソードをこの短編の中に
違和なく盛り込める太宰の秀逸な表現力に
終始脱帽しつつ
物語の内容そのものにも
胸を打たれ続けます。

太宰の「世界を見詰める視線」上に
我々も立って
同じ風景を見ようとすれば
そこには必ず
小さな愛と人への優しさが
光に当たって煌めく塵のように
きらきらと舞っていることでしょう。

"わがままな駄々っ子のように言われて来た私の、
裏の苦悩を、一たい幾人知っていたろう"

神経質な繊細さんでもあり
情け深いコメディアンでもあり。
だからこそ
太宰は
人の弱さや情というものを
人一倍理解し得ることが
できてしまったのかもしれません。

もちろん、こうも言えます。
人の弱さや情を
人一倍理解できてしまうがゆえに
神経質で繊細で
情け深いコメディアンに
ならざるおえなかったのかもしれない、と。


【富嶽百景 (ここクリックすると動画に飛べます)】






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