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Aoiaoの詩・言葉の記録

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私が気になった詩や言葉をここに記録します。 言葉の「蹴り波」達に寄り添ってくさい。 ーAoiaoー
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期待じかけのエンパワーメント

期待じかけのエンパワーメント

長い、長い実験が今終わろうとしていた

大勢が手に取った可能性を、ひとつ、ひとつ
より分けながら慎重に組み上げていく

「まだ見えないのか」とそんな声が聞こえたこともあった

私の周りは組みあがったら静かに立ち去るか
手づかみで重みのない新しいそれを引き寄せているか

「もう終わったんだ」とも
どこからか聞こえた

やっぱり、聞こえる声に戸惑いを見せている
アナタはそうやって何度も繰り返しては躊躇

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ドデカンジオール

ドデカンジオール

世界全体に暗雲が立ち込めていた

皆が並び立つ可能性を示唆し
それを聞き
その後を追うものを指差して帯同の列から外していく

その多くが諦め
断念し
その途上で消えていく

魂の困窮はどの世界でも起きている

閉塞し前に進めずにいる人々は
足並みを揃え立ち止まる

うず高く積もった可能性の山は切り崩されている
身に着けた不相応な可能性は自らをそこに縛り続けている

では可能性とはなんだ?

流れを

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デュオデシモル

デュオデシモル

もうそんなに経つのか

ポツリとつぶやく
年を取ったせいか最近独り言が多い

『こんなに待った』よりも、『よく待ったな』という感情

『待たされた』というほど、被害者面するつもりはない

私も待たせた
追い抜くキミを何度も見送って
そして、何度も待ち合わせて

速足は苦手だ
キミはいつまでもわかってくれない

私が動けば周りの進む方向が変わる
キミが通り過ぎれば、すれ違う風が変わる
周りの見方や考

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新世界で会うならば

新世界で会うならば

明るい星の下では見間違えられるほど、私たちは似ていた
それがうれしかったし、それが当たり前だった

皆が口をそろえて言う
奇跡だと
これほど誇らしいことはなかった

時が経って、いつからかアナタは逆を向くようになる

風がどれだけ熱くても
降り注ぐ雨がどれだけ辛くても
動き出した雲で何も見えなくなってしまっても

その代償と引き換えに無二の輝きを手に入れて
アナタはその輝きだけを私に見せるようにな

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宵闇に降るとき

宵闇に降るとき

いつしか私は光を手に入れた
でも、アナタと喜びを分かち合う暇はなかった

その日から心を溶かす雨を受け
他人から熱い風を奪い
アナタを取り込む雲を奪った
莫大な流砂と暴風に姿を隠して、近づく手を振り払って

この世の何もかもを身にまとい、力づくで動き続けた
そして、そのたびに私は輝きを失っていく

それでも輝きに魅入られて私を見つけようとする
私を目指して皆が暗い方へ歩いている
もう誰も止められな

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