サンタクロースの成仏

皆様、メリークリスマス。どんな夜をお過ごしですか?今日は久しぶりにエッセイを書いてみようかと思います。私のクリスマスの思い出。

 クリスマスと言えば、クリスマスプレゼント。そう、あのサンタクロースがもってきてくれるクリスマスプレゼントです。子供には1年に1度のビッグイベントですよね。「サンタクロースはいい子にしかやってこない」なんて親から脅されたりしながらも、自分が日ごろから欲しい欲しいと思っているものをサンタクロースが持ってきてくれる。クリスマスの25日の朝になったら、なぜか枕元にキレイにラッピングされたプレゼントの袋が置いてある。世界中の子供たちが、楽しみにしているなんと夢のある出来事でしょうか。大人になった今でもクリスマスが好きなのは、子供のころにわくわくしたあの感じが心のなかでよみがえるからでしょうか。サンタクロースは今年も私のもとにやってきてくれるかな? 欲しいあのプレゼント、ちゃんともらえるかな。いい子にしているからきっと来てくれるよね…。 

 と、言っても子供って何歳くらいまでサンタクロースの存在を信じているものなのでしょうか? あなたはどうでしたか? 小学校2年生ごろには、友達と言い合いをした思い出もあります。友達は「サンタクロースなんていない!あれはお父さんやお母さんがプレゼントを置いているんだ」と言いました。私はぎょっとしたのを覚えています。そ、そんなことない!だって、私、サンタさんになにを頼むか、お母さんには絶対に知られないようにしてるもん!だけど毎年、サンタさんは間違いなく、私が欲しいものを枕元に置いておいてくれる。私だって、サンタさんの正体をみてやろうとずっと起きておこうと思ってるのに、なぜか毎年寝てしまって見られない。あれは、絶対にサンタさんが眠たくなる粉を夜空から撒いて子供たちを眠らせてしまうに違いない。(でも、でも、トナカイはどこにいるの?うちのベランダ狭いし…そもそもどうやって入ってきてるの? 煙突ないし…窓?窓を開けるの? こんな寒いのに、開けたら目が覚めちゃうんじゃない?…いや! サンタさんはそんなのぜんぶどうにかして、世界の子供たちにプレゼントを配ってくれるんだ・・きっと、いるよね? サンタさん…) 私は小学校4年生になっても、まだサンタさんを信じていました。よぎる疑念を頭の片隅に、でも、きっといる!だってこんなにたくさんの子供たちが信じているんだし。世界中で知られている話だし! 

 しかし、その小学校4年生のクリスマスの日、ドキドキして朝目覚めたらちゃんとクリスマスプレゼントが枕元においてありました。「やった!やっぱりサンタさんはいた!」私は心の中がポッと明るくなったのを覚えています。うれしい気持ちでいっぱいになりながら、プレゼントの中身を開けてみました。京都の冬の朝はとても寒く、部屋の空気がピンとしています。ガサガサ…本だ!私が今夢中になって読んでいる『ふしぎなかぎばあさん』シリーズの未読の6巻セット!やった! ん? まだなにか入っている…。袋の中に重さを感じた私は追加のプレゼントに期待を膨らませながらそれを取り出しました。「こ、これは!!!!!!えっ。えっ、なにこれ…!」それは「毛糸のパンツ」でした。昭和育ちのみなさんならわかると思うのですが、当時の母親たちはとにかく女の子に「毛糸のパンツ」を穿かせたがりました。綿のパンツの上に重ねて穿く「毛糸のパンツ」。温かく、チクチクした、あの毛糸のパンツ。そのとき、私はハッとしたのです。数週間前から、母親が「毛糸のパンツ穿きなさい」と私に言い続けていたことを…。しかし、私は「小学校4年生にもなって毛糸のパンツなんて穿きたくない」と断固拒否していたのでした。それをサンタさんが持ってくるなんて…おいサンタ!ってかお母さん!お母さんだろ!なんだよ、クリスマスプレゼントに毛糸のパンツって。聞いたことないわ! 夢がないわ! いらんわ!…しかもその毛糸のパンツが、かわいくもなんともない、3枚一組になっている地元スーパーの衣料品コーナーで買ってきたことがモロバレの品だったのです。そこまでして、私に毛糸のパンツを穿かせたいか!!!

こうして、わたしのサンタクロースは颯爽と成仏していきました。

さて、あなたはどうやって、サンタさんとお別れしましたか?

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