「忍者募集」

いやもう、ほんとうに面白かったです。

先日、甲賀と伊賀、両方の忍者村にいってきました。

甲賀はいくつかあるなかで、忍術村(入場料大人1000円子供500円)というちょっと探偵ナイトスクープでいうところの“パラダイス系”でしたが子供が楽しめる一本渡りとか壁走りとかなんだかいろんな理由をつけて修行する感じで体験型。


息子には800円もするプラスチックの刀を買わされました。
ここでは忍者の貸衣装に着替えて修行。
わたし? もちろん貸衣装着ますよ。だっておもしろいでしょ?
大人もわりと着てるし、と思いながら更衣室にいたら、わたし以外着替えてるのはちびっこばっかり。
先に着替えた息子はすでに更衣室を出てるし、なんかもうこのおばさんひとりで忍者衣装着てるの?ていう更衣室のパパママの視線が痛かったよね。
そうだよね、大人衣装1130円、子供700円。
無駄? なにいってんの、この庶民が!
こちらの忍術村、一見寂れた施設かと思いきやまさかの観光バス2台乗り付けでわいわいしてましたがな。からくり屋敷なんて入るのにだいぶ待ったよね。
平日の寂れ感が眼に浮かぶ施設だけど、きっとたまにあるこういう収入でやっていけてるんだよね。

手裏剣投げでは、やたら子供好きな店番のおじいちゃんにおだてられ、みごと的あてに成功した息子。
「俺ってすごかった?」と何度もきいてきて、子供らしく自己効力感を高めて終了。
しばらくするとまたやりたいと言い出しましたが、やりません。だってこれ一回300円だから。
甲賀の忍者で楽しんだあと、お次は伊賀の忍者博物館。
こちらは都会なのか駐車料金も500円。
伊賀のほうが街をあげて忍者観光産業に力を入れている様子。街も綺麗でした。
博物館というだけあって、からくり屋敷を見学し、資料館的なものも併設。(入場料ひとり700円)
もうここで、わたし、忍者にすっかりハマりましたね。
忍者ってしのびですから、あまり書物を残せないらしく
暗号や記憶術やひとの心をあやつる暗示法とか
もういろんな手を使うわけです。
色のついた米つぶの数で暗号にするとか、
からくり屋敷も仕掛けで敵から身を守るとか。
これはもう知恵を超えてサイエンスですよ。
すごい忍者のことがもっと知りたくなりました。
もうミステリアスにもほどがある。
そして、忍者博物館横にあるのが忍者のショーが見れる施設、阿修羅(入場料ひとり300円)。
ここまでで、本日家族三人でかなり忍者関連にお金費やしたね。
まぁいいや。
で、この忍者ショー、
これがすごかった。たまたま開演時間が近かったので見に行ったのですが、中身はジャパンアクションクラブのひとらしく(千葉真一主宰)
なんかすごいアクションを繰り出してくるわけです。
これは本物の忍者刀です、とかなんとかいって。バシバシ人形型の藁とか切っていくわけです。効果音付きで。
その中に二度見しそうな美人くノ一もいて、敵役を鮮やかに倒したり、華麗に壁を登ったり大活躍なわけです。
演舞中はニコリともしないで、まさにしのびの女らしく
なぜかずっとせつない表情をしているわけです。おしっこ我慢してるの?ってなくらいのせつない加減の表情でしたね。ちょっと頬も上気した感じで。もうわたし、なんか帰宅してからもその人のこと考えちゃって。
若くて美人な女性がなぜ忍者に?と。もしかしたら、戦隊ヒーローの中の人だったり?いや、むしろ戦隊ヒーローのピンクできるんじゃね?くらいの。
もらったパンフレットに書いてあったホームページみちゃったよね、思わず。
そしたら、あるわあるわ、美人くノ一の個人情報が。
名前から生年月日から、もと体操選手だったっぽい経歴とか。
いやぁ、あぶないですね。
もはや、忍者といえどもプライバシーとかある現代なんで、そこまで開示しなくても。

そこでね、見つけちゃいました。
「忍者募集」の文字を。
クリックすると、22歳以下の健康な男子募集!土日祝のみでも可能の文字が。
アクション忍者たちはどこで募集したのかとか旦那と話していたんだけど、まさかのホームページで募集。
すごいね、現代。
わたしね、22歳以下にはかるく10年以上オーバーしてるし、むしろ性別すらあってないけどね、やりたいなと思ってね、忍者。

コンパいって、「お仕事ってぇ、なにされてるんですかぁ?」とか聞かれるじゃない。
「…忍者でござる。」

くー!忍者でござる。
相手のポカン顏が目に浮かぶよ。
すごいインパクトだよね、
職業欄、忍者。

わたしね、舞妓になるっていう夢もあったんだけど、(気が付いたとき、すでに既婚で27歳くらい。)生まれ変わったら舞妓か忍者になりたいな。結構本気でそう思っています。


(2014年に執筆したエッセイを改稿して掲載)



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