ピンクに想いを馳せる
黒髪にしたら、
セットをしないとなんとも冴えない髪型になってしまって。
何の用もない休日でもそれなりの身なりをして整えたい私は、髪型が決まらないだけでなんだかすごく退屈で憂鬱な気持ちだった。
それから
久し振りに、ベリーショートにした。
とってもモードになるようなパッツンマッシュの。
弱々しかった心が、急に数百人の兵に守られた気がした。それはとても心強かった。
私の中で長い間、自分を何者かに見せて自分を他から守るためにファッションは存在していた。
でもそろそろそれにも疲れて、ファッションの意義をこの頃問いただすようになって、年々、着飾るだけがファッションじゃなく、内面をどれだけ洗練させられるかが大事だと思うようになった。
そう思っていたのだけど、今の私はそれでは弱すぎる。外堀を固めでもしないと、すかすかで見透かされてしまう。
内面がしっかりと潤うまで、やはり、もう少し外との境界線を太くしたいと思った。
そのために私は今すごく、ピンク色のワンピースが欲しい。
そして、いつか着なくなったそれをクローゼットの奥から引っ張り出した時に、今の気持ちを思い出して笑い飛ばしてやりたい。