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沼地を進む

生活を相手に時間を奪い合った末、
配達人は午前二時に手紙をよこした。
テレビの視聴率が高い時間に生きても、
私には見るべきものなど、とうにない。
差出人は、世に見捨てられた落伍者、
もしくは、世を見捨てた隠遁者で、
そのことについては触れず、書簡は
沼地を進むーー思考の限界まで。

沼の縁で魔術師が物思いにふける。
彼の弟子たちは退屈そうにただ立っている。
「我らの師はスランプなのか、
ここ数ヶ月、人を呪い殺していないぞ」。
奴隷の自嘲と君主の憂鬱、
二つの自我が、他者の中で重なったとき、
内なる獣は山を下りて、町に出ようと、
沼地を進むーー思考の限界まで。

朝日に向けて上げたブラインドを、
夜の訪れとともに下げるまでの間に、
世界は一冊の本から始めて、
何冊積み上げるのだろう。
視界で、町が動くのを捉えながら、
体を折り曲げて座るキェルケゴールは、
苦しみの無意味さを証明しようと、
沼地を進むーー思考の限界まで。

ジョン・フォガティーのギターが聴こえる、
沼の淵からーー彼は父親について歌う。
そしてプレデターは獲物を探している、
ノーマン・ベイツが車を沈めた場所で。
コッポラはコンラッドの本を大佐に送る、
大佐は兵を集め、追い剥ぎで暮らしていた。
終わることのない善と悪との行進は、今夜、
沼地を進むーー思考の限界まで。

耳を削いだヴァン・ゴッホ、
アブサンは透き通った沼。
投資家は億万長者の夢を見ながら、
みんな浮浪者の心を持っている。
着想はネットで検索しても見つからず、
ポルノ女優が悪癖を植え付けてくるだけ。
興行のないサーカス団は目的もなく、
沼地を進むーー思考の限界まで。

「『どうして?』と悩んでも無駄だ」、
沼は私にそう答えた、
「大切なのは一度しっかりと統合し、
解き放つとき、それらを独立させること」。
祈りにヴードゥーはヴードゥーを使い、
クソッタレはクソッタレを使う。
目の前が砂漠なら砂漠を、沼地ならば
沼地を進むーー思考の限界まで。

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