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突然、老いた瞬間。 20240415mon(400字)


先日のコメント。
老いをコラムで四百字にまとめる。至難だ。
折良く、村上龍の「オールドテロリスト」を読み返している。
あった。
428頁。
鏡に映った自分の顔と、ボロボロになった歯が、お前は老いた、という信号を発している。目の下がたるみ、黒ずんで、首の皮膚は張りを失って無数の皺がある。人は、ゆっくりと老いていくが、あるとき突然に、自分の老いに気づく。老いの自覚は、過去は絶対に取り戻せない事実を突きつける。抵抗のしようがない。

ぼくが老いを感じたのは京都から帰ってきてすぐだ。散歩で、ある瞬間に膝がガクッと落ちた。驚愕した。これが老いだと直感した。

精神的な感覚は老いと判別しづらい。
「今年も最終審査で落ちた」この落胆は老いと言えるか?
「受賞するまでの過程」と捉えれば成長の一つ。老いではない。

いま一度、村上龍を読む。

短歌

トトロみて
時代を超えて
没入し
腕時計みる
老いた手のひら

解説:五歳の一時間は大人の五年。宮崎駿


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