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医学生の地域実習【アーリーエクスポージャー】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

地域実習という名の医学生が地域医療を見学に行く実習が開かれます。

コロナでしばらくの間、この実習会は実施できていませんでしたが、今回は3日間、宿泊型の体験研修という形で実施できました。

本来は私の担当ではなく、他の先生が担当する予定でしたが、その先生が体調を崩されたため、私が代わりに行くことになりました。実習の場所までは、片道約1時間以上かかるんです。しかし、私には昼間に自分の病院での受診やカウンセリングの予定が入っています。それらの後、夜に車で自分で向かい、現地で一泊する予定です。

そこで学生さんの監視(?)をして、宿泊して、朝には帰宅する感じです。今朝には一旦帰宅し、午後から再度カウンセリングの予定があり、終わったら、再度、現地に向かい、2度目の宿泊します。こういった体験は私にとっても初めてで、楽しみにしています。

また、学生さんと話すのも楽しみであり、その宿泊場所は2日間の私の仮の自宅となります。

この地域医療の研修は、医学部では"アーリーエクスポージャー"と呼ばれています。

学部の1~3年生くらいの時、医療者として早期に現場を見ることによって、自分自身のアイデンティティを築く機会が得られます。

私たちの大学では、1年生のときに病院の見学を行うのですが、これは医療の表面だけでなく裏側も見て理解することを目指しています。例えば、ゴミの選別を行っている人々の仕事や、ボイラー室の管理を行っている人々の仕事を見るといった経験をします。

同時に、医療現場だけでなく、福祉の現場にも訪問し、心身の障害を持つ人々と接触し、関わっている職員の方々と話をするといった体験も行います。

今回の実習では、地域医療、特に医療が充実していない地域に足を運びます。それを「地域医療研修」と呼んでいます。

具体的な「地域」の定義については私も完全に理解しているわけではないのですが、この研修の中で私が通常活動している福島市を基点に、その近郊以外の場所をおそらく「地域」と呼んでいると考えています。福島県の大きな町は福島市と郡山市の2つで、私たちはその外側の地域を訪れます。

通常、大学にいる私たちは大学病院の医療しか目にすることができません。
基本的には大学病院での経験と、福島市に住む学生たちが自分たちの病院で受ける医療を知るだけです。

しかし、この研修では福島市以外の、いわゆる「地域」へ出向くことで、地域でどのように医療が提供され、医療者として何が求められるのか、そして自分のアイデンティティやプロフェッショナリズムをどのように育てるべきかを考える機会になります。

私がこれまで訪れた実習先は非常に興味深く、毎回訪れるのが楽しみです。

これまでには浜通り地方、原発があるような地域でどのように医療が行われているのか、また会津地方の南会津という、福島市から約2時間離れた山奥に位置する地域にも行きます。

その地域は尾瀬という国立公園の近くにあり、そこでどのように医療が行われているのか、救急医療と普段の医療の違いや連携をどのように実現しているのかを体験することができます。

さらに、ドクターヘリをどのように中継し、患者を大きな病院まで連れて行くのか、そのようなことも学ぶ機会になります。

このような学習体験の合間には、地域のさまざまな施設を訪れます。会津に行ったときは、ブドウの木を使った手編みの小さなキーホルダーを作ったり、今日行く予定の場所ではリカちゃんキャッスルに連れて行ってもらったりします。

桃狩りの体験もさせてもらったことがあり、また桃の出荷場にも行かせていただきました。それらの体験も非常に興味深かったですね。

色々な地域のうちのどこかに赴くわけです。この研修は、非常に楽しいと同時に勉強になり、興味深い経験ができます。

一般の大学ではあまり見られないかもしれませんが、インターンシップや実習といったものがこれに該当するんですかね。特に教育、医療、福祉、教師といった対人援助系の職場や教育機関では、基本的に実習が存在します。

医学生の皆さんは、4年生の後期に本格的な病院実習に参加しますが、その前の1~3年生の段階でも実習が行われています。

今年はすでに募集が終わってしまっているため、参加は難しいかもしれませんが、もし「医学生の皆さん」の中で福島を拠点にこの地域実習に参加したいという方がいらっしゃれば、各大学に案内を送っています。

その案内に申し込んでいただければ、福島までの交通費は出ますし、うちの学生さんと一緒に参加することができます。どのエリアにも応募が可能なので、もし興味がある医学生の方が見かけた際には、ぜひ申し込んでいただければと思います。

それでは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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