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良いものも知られなくては意味がない

 今年の1月、行きつけのお店が閉店した。素材にこだわった日本料理屋で、味付けも店の雰囲気もなかなか良かった。それなのに採算が合わなくなって潰れたという。一体何が原因だったのか。
 気になってお店について調べようとしたとき、私はその店の決定的な弱点に気付いてしまった。ネットにお店が出てこない。口コミらしきものを除いて、そのお店の名が出ることは無かった。そう、この情報社会で全くネットを使っていなかったのである。SNSどころか、お店のホームページもなかったのだ。

 私は思った。どんなに質が良くても、人々に知られなければ生き残ることはできないのだ。品質を極めることも大事だが、今の時代はそれ以上に発信力がモノを言うんじゃないのか。「ここにいるよ」「こんなことをしているよ」「これができます」と叫び続けない限り、いくら往年の大スターでも過去の栄光と揶揄されるのだ。今の時代は。
 そしてそれは、クリエイターこそ最たる例だと思う。今ではこのnoteをはじめ、気軽に投稿できる環境が整った。クリエイティブな活動は敷居がだいぶ低くなったと言えよう。ということはいくらでも作品を世に出す方法や機会があるわけで、それだけ競争が増していくということではないか。そうすると思わず尻込みしそうになるが、だからこそ下手でも経験不足でも作品を出し続ける必要があると思う。発信しないと人の目には止まらない。下手でも続けていけば上手くなる。経験は、動いた分だけ付いてくる。それを信じてこの世で叫び続けることこそ、生きるということなんだと思った。

 今、私は地元に一軒行きつけのお店がある。そこはホームページと口コミで繁盛しているカレー屋さんだ。そろそろSNSをフル活用してもいいんじゃないかと思うので、オーナーと仲良くなったらそれとなく話してみるつもりだ。

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