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黒執事のはなし。


黒執事はアニメを観て好きになったんだけど、サントラや絵に衣装、もちろんキャラも好きだし、内容も好きだった。

小野大輔さんの声はやっぱり大好きだし、小野さんのセバスチャンは本当に素敵だと思う。

1番好きなのはアニメ1期。3期のラストも好きだった。

黒執事は、もう言う間でもないけれど、執事が悪魔で執事の仕事をしながら優雅に敵を処分するのが面白いし

屋敷や庭や死神や天使
彼等の出入りする図書館
優雅なティータイムや歴史的背景に、アンダーテイカーという飛び道具的なキャラもセッティングされていて
ゴスやV系の人が好きなもの全部詰めという感じだよね。衣装も舞台装置も。

タイタニックやエリザベートのようなテイストも含んでいるし、好きになると、やはりまんまと好きになってしまったな…と思うくらい。


シエルが自分の良心を持っていながらそれを良心や正義として説明する事はなく、『必要な綺麗事』として行動している部分が特に好きだなぁと思う。

シエルの弱さは良心でもあるし、強さは怒りや憎しみから生まれてきたものであると感じられて
そういうシエルの在り方を美しいと思う部分は、読み手もセバスチャンとシンクロしているんだろうな。

シエルの事を「お優しい」と詰るセバスチャンは、悪魔としてシエルに望む美学を燻らせながら

それでもその危ういバランスの上で足掻くシエルの在り方を愛しているようで
その愛憎の執着がやっぱり悪魔的だと思う。

時に堪らないような視線でシエルを見る表情が、あまりに天使のように綺麗で、堕天使がかつては天使であった事を思い出す。



3期のラストのシエルが何より印象的なのは
青空の廃墟で、慈善のような真似をした自分と、救いようのない人間の愚かさや世界の虚しさを、嘲笑うシーンが好きだから。

「必死な願いを嘲笑い、虫けらのように踏み躙る。姑息で、醜悪で、悪魔よりよほど悪魔らしいじゃないか。
僕も同じだ。
僕にも、彼奴等と同じ醜い中身が詰まっている。
これが人間だ」



黒執事は劇場版も見に行って、それもとても良かったのだけど
古川雄大さんがセバスチャンを演じたミュージカルも観に行った。

古川さんのセバスチャンでは一作目になる『地に燃えるリコリス』の映像を観て、それがとても良かったので観てみたくなって。


リコリスでは私はあなたの駒となり剣となるというメインの曲が好きなのだけど

黒と白に縁取られた運命の糸に絡まりながら
魂は気怠げに夢と現の境目漂い

たとえ玉座が崩れ
輝かしい王冠が朽ち果て
数え切れない亡骸が積み上がろうと
積み上がる亡骸の上
最後のコールを聞くその時まで

マダムレッドの役をしている、宝塚で神月茜という名前でやってらしたAKANE LIVさんの歌う道に迷わないようにの演技力と歌唱力の強さが本当に圧倒的だった。


基本的に2.5次元を観ることが殆ど無いので、どれもそうなのかはわからないけれど、役名もないような役をされている方達がすごく上手かったりして、脇の固め方が凄いなぁと思った。

メインキャストはやっぱり古川さんが上手だと思う。
アンダーテイカーが似てるのとか、ドルイット子爵役の方が綺麗なのにおもしろカッコよくて振り切れてるのとかも好き。
マリスミゼルをやる金爆みたいだった(?)
『なんて卑しい言葉達!私の前に言葉を差し出すならば洗練された麗しい言葉を選びに選び抜く覚悟を持ってもらいたい!』って台詞すき。


❄️️


観に行ったのは3作目のTango on the Campaniaだった。  

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ちょうど1月の寒い日で、前日に積もった雪がまだアスファルトに残っていた。

愛知公演だったので、初めて名鉄に乗った。
特殊な駅なので電光掲示板や色分けに慣れなくて戸惑った。
けれどレトロな雰囲気が長野まゆみの世界みたいで好きだった。

旅慣れしている友人のeが付き合ってくれたので、あまり不安なく行くことが出来て本当に助かった。そんなんばっかりだな。

eはどこかに行きたいと言うと付き合ってくれるので神様すぎる。お世話になっております。


雪の残る路を歩いて、近くの神社に立ち寄った。

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地元は雪が積もることがないので、「これが雪か…」と言いながら触ったり踏みしめたりしていたら、友人に「初めて雪を見た人造人間キャラみたいで良いですね」というような事を言われた。2次元でよく見るやつ〜!
eのそういうとこ大好き。

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これは誰かが作ってあった雪だるま。かわいい


舞台は衣装もセットも凄くて、かなり後ろの方の席だったけれど楽しかった。
古川さんの歌が、やはり生で観ると迫力があった。

セバスチャンがソロで歌うシーンが凄かったのに、終盤でも全力の曲を歌っていて、これを一日に2公演もやるなんて凄いなぁと改めて思った。

古川さんは今はエリザベートでトート役をしているし、きっと更に上手になっているだろうから観てみたいな。


シエルの許嫁のエリザベスが剣を持つ名シーンは、劇場版アニメで本当に好きなシーンなので思わず涙ぐんでしまった。

踵の高い靴を諦めて、かわいい女の子でいたいエリザベスが、守られるお姫様ではなくシエルを守るために剣を取るシーン。

エリザベスの気持ちを汲んで間に入ったセバスチャンも、黒執事の物語の中で人間らしさを育ててしまっていて、印象的な良いシーンだと思う。


過去のシエルとセバスチャンの、貴族の領主と執事に成るまでのストーリーでは、スクリーンが現れて映像と共にテンポ良く演出されるのが面白かった。


脚本や演技の仕方は、原作と違う所もあるから、解釈違いという方もいらっしゃるのだろうけど、ミュージカルはミュージカルとして、内容や感情を分かりやすく伝えるには良いやり方だったのではないかなぁと思う。

セバスチャンはあまり表情が変わらないところに良さがあるけれど、ミュージカルはそういうわけにもいかないので。
映像ばかりで見ていると忘れがちだけど、実際舞台は本当に遠くから見ることになるから…


❄️


この日はその後に帰国していたakiさんとも少しお会いできて、ラルクも好きで黒執事も知っているakiさんは高いビルに入った眺めの良いCAFE DU CIELというカフェを選んでくれていた。
相変わらずそういう細やかなお心遣いのセンスが素敵な方だなぁと思う。

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お茶をしながら、雪の降り始めた窓の外を眺めていた。
少しだけでも会えて嬉しかったな。


🍽


そんなわけでアニメ黒執事は言わずもがなお勧めなんだけど、ミュージカル生執事の方はリコリスが一番お勧めかな。
茜さんのシーンが本当に素晴らしいので、そこでもう一見の価値があると思う。



これまでサポートくださった方、本当にありがとうございました!