見出し画像

#ネタバレ 映画「ラプラスの魔女」

「ラプラスの魔女」
2018年作品
百聞は一見に如かず 一見は体感に如かず
2020/5/6 9:50 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

映画などで、ライフルなどの射撃手が「手ごたえがあった」と言うシーンがあります。

「飛んでいった弾の手ごたえがどうしてわかるのか?」と私は疑問を持っておりました。

しかし、自分でアーチェリーをするようになると、やがて、分かるような気がしてきたのです。

「アーチェリーは狙わなければ当たりませんが、狙っただけでは当たらない」のです。詳しい話はまた後日にするとして、要するに「全身の感覚で射る」ということなのです。

知識を蓄え、「頭の中でイメージトレーニングしたとおりの動作が出来た」と全身の感覚で分かった時には、矢も的に当たることが多いのです(もちろん突然の強い横風で矢が流されてしまうこともありますが)。

言いかえれば、「的に当たる前に、当たると分かる」のです。これが手ごたえの正体だったのかもしれません。

ところで、映画「ラプラスの魔女」では予知能力みたいな話が出てきました。

「サイコロを1センチの高さから水平に落とすなら、誰でも出る目を予測できるが、高くなると予測できない。しかし、その能力を開発すれば、転がしたサイコロの目を当てることが出来る」みたいな話です。

私はこのサイコロの話から、前述した「手ごたえ」を思い出しました。

映画は途中までしか観ていませんので、感想はまた追記させていただきます。

ヒロインはだれかと思いましたら、広瀬すずさんでした。

追記 ( 迷宮入り ) 
2020/5/8 18:12 by さくらんぼ

最後まで観ました。

なにかの演劇かオペラを深層に隠しているのでしょうか。後半の廃墟での物語がそんな雰囲気を出していましたが、無教養の私にはよく分かりません。

彼らのセリフもだんだんと理解できなくなっていきました。右から左へと抜けていくのです。

これはいかんと、ネットであらすじを読んでみましたが、これがまた複雑に思え、ますます迷宮に入ってしまいました。

興味が持てればその迷宮を探検してみるのも良いですが、心を動かされていないので、その衝動もありません。

どうも私とは相性がいま一つだったようです。

ラストシーンとエンドロールの歌だけが、慰めです。

★★★

追記Ⅱ ( 3.11でトラウマを負った人たちへの鎮魂 ) 
2020/5/8 22:23 by さくらんぼ

「 ラプラスは自著において以下のような主張をした。

もしもある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力の知性が存在するとすれば、この知性にとっては、不確実なことは何もなくなり、その目には未来も(過去同様に)全て見えているであろう。

『確率の解析的理論』1812年 」

( ウィキペディア 「ラプラスの悪魔」主張の内容 より抜粋 )

流れる気体である竜巻と硫化水素、流れる液体であるテーブルにこぼしたジュース、気流乗って飛ぶ紙飛行機など、「流れ」の発生とその行先が記号として出てきます。

①そして、映画の冒頭には、竜巻に巻き込まれて母の手を放し、母を亡くしたヒロインが出てきます。

ヒロインは、そのトラウマから逃れるために未来を予測できる能力を獲得できる手術を受けますが、未来を予測できることは必ずしも幸せとイコールではありませんでした。

この世には「気」というものが存在しますが(少なくとも私は信じている)、気感が覚醒することが100%幸せにつながるかと言えば、微妙であるのと同じなのでしょう。

ふと思ったのですが、①のあたりには、3.11で家族を流されてしまった人たちへの、寄り添う気持ちが描き込まれていたのかもしれません。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?