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#ネタバレ 映画「空母いぶき」

「空母いぶき」
2019年作品
時代の空気
2019/4/18 9:31 by さくらんぼ(修正あり)

( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

まだ完全に危機は去っていませんが、昨年は北朝鮮との戦争の危機が、平和ボケだと言われる日本人にも、リアルに迫ってきましたね。

やはり、あれが時代の空気だったのでしょう。

その空気から生まれたのが、きっと、この映画「空母いぶき」なのだと思います。

「 自衛隊にとって、守るべきは憲法なのか、それとも国民なのか 」。

映画では、ぎりぎりの状況で、私たちに、それが突きつけられるのかもしれません。

ちょうど今、イギリス映画の佳作である、映画「ハンターキラー 潜航せよ」も上映中です。どちらの映画も、「出来れば戦いたくない」で共通しています。そのライバルの中、映画「空母いぶき」はどこまで魅せるのか。

追記 ( 危機管理マニュアル ) 
2019/4/29 9:52 by さくらんぼ

「 午後3時半過ぎ、教頭は川近くの小高い『三角地帯』へ向かうことを決断したが、途中で津波に襲われ、84人が帰らぬ人となった。 大川小の危機管理マニュアルは校庭の次の避難先を『近隣の空地・公園等』としか決めていなかった。『避難訓練は校庭に出て終わりだった』と女性は振り返る。」

( 2019.4.29「朝日新聞」1面 「児童を守る 問われる備え 大川小 当時6年生証言 『裏山へ』同級生は訴えていた より抜粋 )

追記Ⅱ ( 1986伊豆大島 ) 
2019/5/20 9:51 by さくらんぼ

1986年〈昭和61年〉に伊豆大島の三原山が噴火して、全島避難をした数年後、私は観光で同島へ行きました(良い温泉もありました)。島民の皆様からも親切にして頂き、おかげさまで良い思い出ができました。

その後、島民の皆様が、逃げ場のない心細さの中、沖に浮かぶたくさんの民間救助船、そして海上自衛隊・護衛艦の船影に、とても励まされたという話を聞きました。

『 22時50分には全島避難が決定された。対策本部の救援要請を受け東海汽船所属船8隻や周辺の漁船2隻が救援に駆け付けたほか、時の第1次中曽根内閣の政治決断により海上保安庁の巡視船8隻や海上自衛隊の護衛艦2隻も急遽派遣された[6]。

安全保障会議設置法適用第1号であり、後藤田正晴官房長官が筆頭となり官邸主導で指揮を執った救難作戦は優れた危機管理の事例として高く評価される反面[7]、住民救出のために編成された護衛艦艇群は後藤田に暗に促された鈴木俊一東京都知事が災害派遣を正式に要請した時にはすでに大島に向かった後であったともされており、国土庁を始めとする各省庁からは横暴であると記者会見で非難された上に、国会では公明党などから職権乱用、省庁権限の干犯として激しい糾弾を浴びることとなった[8]。

東海汽船は政府からの船舶派遣要請前に自主判断で高速船シーホークに観光客を稲取港に脱出させた後、当時東京港にいたすべての所有船を大島に派遣した。

このとき、定期船で乗客がすでに乗っていた船では事情を説明して退船してもらうなどしてすべての船を派遣している。海上自衛隊では横須賀港所属の艦艇を中心に艦艇が派遣され、南極に向けて出港したばかりの南極観測艦しらせも救助に参加した。

翌22日5時10分に最後まで残っていた大島支庁・大島町職員が退去し[9]、全島民および観光客、1万226人の救出を完了した。 』

( ウィキペディア「三原山」 1986年〈昭和61年〉の噴火 より抜粋 )

追記Ⅲ ( 映画「戦場のメリークリスマス」 ) 
2019/5/27 17:15 by さくらんぼ

観てきました。

134分のほとんどが戦闘シーンで、色恋もなく、熱い男たちのドラマです。だから、ピエロのいないサーカスのように(ごめんなさい一人いました。でも、それ以上に戦闘があって…)、ちょっと疲れました。でも、これが本物なのでしょうね。

つまり、先に公開されている映画「ハンターキラー 潜航せよ」ほどには娯楽しておらず、いかにもありえそうな!?実戦を描いており、真面目な作りなのです。

ところで、映画「戦場のメリークリスマス」を、一度も通して観たことのない私には、言う資格が無いのでしょうし、ですから確信はありませんが、この映画「空母いぶき」は、映画「戦場のメリークリスマス」への、こてこての大阪弁のような、オマージュの気がします。

★★★★☆

追記Ⅳ ( 映画「戦場のメリークリスマス」② ) 
2019/5/28 8:41 by さくらんぼ

>ところで、映画「戦場のメリークリスマス」を、一度も通して観たことのない私には、言う資格が無いのでしょうし、ですから確信はありませんが、この映画「空母いぶき」は、映画「戦場のメリークリスマス」への、こてこての大阪弁のような、オマージュの気がします。(追記Ⅲより)

「こてこての大阪弁」と書いたのは、護衛艦の艦長に「戦闘モードに入ると大阪弁で『いてまえ~』と命令を出す人がいた」からです。

ところで、映画「戦場のメリークリスマス」では、北野武さん演じる捕虜が言う、「Merry Christmas, Mr. Lawrence」というセリフが有名ですね。あのセリフのインパクトが一人歩きし、観客はもとより、私のような外野にいる者にも感動を与え、作品の価値を高めました。

この映画「空母いぶき」では、空中戦で海に落ちた敵の兵士(捕虜)と自衛官の2名を、いぶき艦上、担架で移送中に、その捕虜が、近くの自衛官の拳銃を奪い、担架にいた自衛官を(空中戦の怨恨から)射殺するという事件が起きました。

それに激怒して、拳銃を奪いかえし、捕虜を射殺しようとする自衛官。

しかし、騒ぎに気づいた艦長が駆け寄り、静止しました。そして捕虜に近づき、「海の中は冷たかったろう…日本では皆、クリスマスには平和を夢見るんだ…君も温かい飲み物を…」などと慰めるのです。泣きだす捕虜。

それを撮影していた同行記者が、衛星ケータイで動画をネットにUPします。その、まるで「Merry Christmas, Mr. ○○」な様子が世界中に拡散し、国連や主要国など、様子見の「観客」をも感動させ、この局地戦の仲裁に動かせたのです。

時はクリスマス。日本本土でも、クリスマスが盛大にお祝いされていました。

追記Ⅴ ( 「アリの一穴」 ) 
2019/5/28 8:51 by さくらんぼ

>それを撮影していた同行記者が、衛星ケータイで動画をネットにUPします。その、まるで「Merry Christmas, Mr. ○○」な様子が世界中に拡散し、国連や主要国など、様子見の「観客」をも感動させ、この局地戦の仲裁に動かせたのです。(追記Ⅳより)

本来なら、艦内の情報を許可なくして外部に発信することは出来ませんが、いぶき艦長は、「情報操作も作戦の内」と考えたようで、約束違反で没収していた衛星ケータイも返していたのです。「アリの一穴」とか申しますが、小さな約束違反で戦争防止へとつなげた艦長は切れ者だと思います。

追記Ⅵ ( 心理的な「壁」 ) 
2019/5/28 9:09 by さくらんぼ

この映画の主題は、(多重人格ではありませんが)「壁を超える必要性」だと思いました。

以前、人命救助の話題の時に、マイページに書かせてもらったこともありますが、「路に倒れている人を救うだけでも、心理的な壁がある」ものです。

たとえ救助の知識があっても、それだけで人は動けません。フリーズしてしまうことがあります。

同様に、政府や自衛隊が(戦争を防ぐために)戦闘を覚悟するときも、国連や主要国が(己が血を流すことを覚悟で)仲裁に動くときも、皆、「壁」を越えてくるのです。

追記Ⅶ ( メッセージカード ) 
2019/5/28 16:07 by さくらんぼ

>それを撮影していた同行記者が、衛星ケータイで動画をネットにUPします。その、まるで「Merry Christmas, Mr. ○○」な様子が世界中に拡散し、国連や主要国など、様子見の「観客」をも感動させ、この局地戦の仲裁に動かせたのです。

>時はクリスマス。日本本土でも、クリスマスが盛大にお祝いされていました。(追記Ⅳ)

「壁を超える必要性」はどこへ繋がって行くのでしょう。

映画の中盤、お菓子の入ったクリスマスブーツが出てきて、その中に入っていた「世界の人は皆お友だち」みたいなメッセージカードが、皮肉っぽく映りました。何しろ日本は、侵略を受けて(これも壁越えですね。)命がけの戦闘の真っ最中なのですから。

しかし、映画のラスト。

優しくされた捕虜は泣きだし、国連や主要国が、仲裁のために、潜水艦で戦闘地域のど真ん中に浮上してくれた後(これも壁越えですね。)、もう一度メッセージカードが映った時には、「世界の人は皆お友だち」が、光を放ったような気がしたのです。聖夜に灯ったのロウソクのように。

映画のエンドロールに延々と映る海の光、あれはクリスマスツリーのつもりだったのかもしれません。

追記Ⅷ ( 飛行甲板 ) 
2019/5/28 16:11 by さくらんぼ

空母の滑走路には、米軍のエンタープライズみたいに、飛行甲板(滑走路みたいなもの)が、船体に対して斜めについているものと、空母いぶきみたいに平行についているものがあるのですね。

追記Ⅸ ( 成長物語 ) 
2019/5/28 16:25 by さくらんぼ

この映画「空母いぶき」はクリスマス映画なので、11~12月に上映すれば雰囲気満点だったのに、早々と5月にした理由は…。

それはともかく、

劇中、ラストのドタバタに紛れて、「後3年ダメかなぁ…」と、(壁越え)続投希望を側近にもらすシーンがありました。

総理は、腹の座った自衛隊員と比べ、有事対応に不慣れな人物にも描かれていましたが、それでも何とかうまく立ち回り、事なきを得て、一回り成長したようでした。この映画は、そんな総理の成長物語でもあったようです。

追記Ⅹ ( 空母を使った理由 ) 
2019/5/28 16:32 by さくらんぼ

ちなみに主人公であるいぶきの艦長・秋津竜太(西島秀俊さん)のセリフもそうでした。

「 飛行機乗りと比べて、船は運命共同体だ 」みたいな。

これも宇宙船地球号に繋がる話で、壁の話でした。

追記11 ( 耳を怪我してはいけない ) 
2019/5/29 8:44 by さくらんぼ

>本来なら、艦内の情報を許可なくして外部に発信することは出来ませんが、いぶき艦長は、「情報操作も作戦の内」と考えたようで、約束違反で没収していた衛星ケータイも返していたのです。「アリの一穴」とか申しますが、小さな約束違反で戦争防止へとつなげた艦長は切れ者だと思います。(追記Ⅴより)

この伏線が、クライマックスの「突然発射された魚雷10発の話」に繋がって行きます。

そして、「その魚雷が5本づつ敵味方に分かれて進むことを確認した」いぶきの艦長・秋津竜太は、ただちに攻撃中止命令を出しました。

それが出来たのは、「仲裁シグナルを心待ちにしていたから」でしょう。一番勇敢そうな彼も、実は助けを求めていたのです。

秋津竜太は、情報操作により国際世論が動き、国連か米国かの仲裁が入ることを期待していたのです。その是非はともかく、彼は戦闘をしながらも、日本政府とは別ルートで、その為の行動を起こしていたと言っても良いのです。

だから、(現場の人間だけが察知できる)このタイミングで、しかも10本もの魚雷が同時発射されたことに違和感を感じ、さらに5本づつ敵味方に分かれて進む異常を確認した時点で、(誰もが「?」になっている中)すぐに第3者からの仲裁シグナルだと理解し、攻撃中止命令を出せたのでしょう。

追記12 ( 突然の大役 ) 
2019/5/29 8:51 by さくらんぼ

>総理は、腹の座った自衛隊員と比べ、有事対応に不慣れな人物にも描かれていましたが、それでも何とかうまく立ち回り、事なきを得て、一回り成長したようでした。この映画は、そんな総理の成長物語でもあったようです。(追記Ⅸより)

腰の据わったと書きましたが、それは総理と比べてそう見えるという意味であり、この映画で登場する3人のリーダーすべてが、助けを求めていたことに変わりはないのだと思います。

その悲鳴が、コンビニ店長>総理>秋津竜太の順で、内面のお芝居へと変化しているのです。

3人の中で秋津竜太だけが余裕で任務をこなしていたように見えますが、これは自衛官という仕事上、部下の手前、弱みを見せられないからでしょう。でも、歴史的な危機の中、耳を傷めた上司の代わりに、突然の大役を命ぜられたのですから、本当に平然としていたとしたら、それこそ映画です。

追記13 ( クリスマスパーティー ) 
2019/5/29 9:18 by さくらんぼ

わが家に大きなクリスマスツリーはありませんが、光りものが好きですから、LED電飾だけは、季節外れのバーゲンで、数年前に買ってきました。LEDでも点滅速度が変化できる優れものです。

でも、ツリーがないと、どう飾って良いか…。

いっそ、部屋の壁にぶら下げようかとも思いましたが、TVで、外国の寂しそうな若者が、部屋の壁に飾っているのを見て、気が萎えました。

そう言えば、秋津竜太は、映画のラストに、「食事は艦長室ではなく、食堂へ運んでくれ、皆と一緒に食べたいから…」と言ってましたね。

追記14 ( 一所懸命 ) 
2019/5/29 17:13 by さくらんぼ

その時、コンビニ店長はバイトの女の子にすがり、

総理はTVの記者会見に活路を求め、

秋津竜太は女性記者を広報担当にしたのでした。

追記15 ( 彼の唄 ) 
2019/5/30 8:29 by さくらんぼ

『  彼はいつも誰かと

そして なにかを 待っていた様子で

ガラス戸がふるえるだけでも

「ハイ」って答えてました

そのハギレのいい言葉は あの部屋の中に

いつまでも残っていたし

暗やみで なにかを待ちつづけていた姿に

彼の唄を見たんです  』

( 「下宿屋」 歌・詞:加川良 より抜粋  )

追記16 ( 仲裁者は奇跡のように現れた ) 
2019/5/30 8:39 by さくらんぼ

祈りは通じ、クリスマスの救世主がやってきた。

追記17 ( 面接試験 ) 
2019/5/30 9:18 by さくらんぼ

>本来なら、艦内の情報を許可なくして外部に発信することは出来ませんが、いぶき艦長は、「情報操作も作戦の内」と考えたようで、約束違反で没収していた衛星ケータイも返していたのです。「アリの一穴」とか申しますが、小さな約束違反で戦争防止へとつなげた艦長は切れ者だと思います。(追記Ⅴより)

昔、「4チャンネルステレオ」というものが流行りました。4本のスピーカーを、部屋の四隅に置くものです。後ろのスピーカーからは主に残響音が出ます。

でも、すぐに廃れてしまった。

その理由の一つに、「後ろから出る音を、人は本能的に怖がるから」というものがあります。これは音楽鑑賞とは矛盾する行為ですね。

ステレオ以外で、私はこれを身をもって経験しました。

ある日のこと、事務所にある書庫の改装工事が行われたのです。書庫は私の机の真後ろでした。工事のための音が一日中聞こえていました。そんなに大きな音はしません。でも、私は次第に憔悴していったのです。やはり後ろで鳴る音は人を不安にさせました。

ところで、この映画「空母いぶき」では、男女2人の記者が、いぶき艦内の一室に、事実上の軟禁状態にされていました。戦闘中に艦内を歩きまわれては危険です。じゃまにもなりますし、秘密が漏れてもいけない。だから、やもうえないと思いますが、爆発音と大きな揺れが繰り返す中、何が行われているのか何も知らされない、見えない状況では、人の不安は極限状態になると思います。

だから、女性記者の方が参ってしまい、解放されると一目散に逃げだそうとするのは当たり前です。でも、男性記者が素直に従わない姿を見て、(敵前逃亡とまでは言われなくとも)職場放棄と言われかねない自分を恥じ、女性記者は男性記者と共に、果敢にUターンしたのです。

その様子を見ていた秋津竜太は、二人を「同士」だと認めたのでしょう。だから衛星ケータイを返す決心をしたのだと思います。あの二人は秋津竜太の分裂した気持ちを表した、彼の分身でもあったのかもしれません。

追記18 ( 「息吹」になる作品 ) 
2019/5/30 22:49 by さくらんぼ

>「こてこての大阪弁」と書いたのは、護衛艦の艦長に「戦闘モードに入ると大阪弁で『いてまえ~』と命令を出す人がいた」からです。(追記Ⅳより)

この「いてまえ~」は漫才みたいで好きなシーンですが、多分これは、「ゆとりが無くなって、標準語では話せない状態になった記号」なのでしょうね。秋津竜太が時々微かに微笑んでいるのと同じでしょう。

あの微笑みもポーカーフェイスの一種というか、苦笑というか、「ゆとりの無い本心を隠すための仮面みたいなもの」だった可能性があります。

だからと言って私は誰かを非難するつもりはありません。この中に卑怯者はいません。みんな一所懸命に戦っているからです。秋津竜太に至っては、新人課長が「社長の代役をせよ」と突然命令されたような衝撃でしょうか。それも敵対的買収の危機のさなかに。「いぶき」という言葉が指し示す通り、この映画は、誰かの、何かの「息吹」になる事を期待して作られたのだと思います。あっ、だから5月なのか。

追記19 ( 映画「ジェネラル・ルージュの凱旋」 ) 
2019/5/31 8:20 by さくらんぼ

よろしければ映画「ジェネラル・ルージュの凱旋」の追記Ⅳ ( 映画「空母いぶき」 )もご覧ください。

追記20 ( 一羽のカナリア ) 
2019/5/31 8:49 by さくらんぼ

赤い色のチラシには、ひな壇のようにキャストの写真が載っています。その最上階の4人の中に、3人の男性にまじって、女性記者役の本田翼さんがいました。

意外と言えば、ちょっと意外な配置。

炭鉱夫たちはトンネルの中に「カナリアの籠」を持って入ったと言います。有毒ガスの危険を感知する生きたセンサーとして。

この映画「空母いぶき」でも、本田翼さんは、屈強な他の登場人物の「本音」を、鋭敏に表現するために置かれたのかもしれませんね。

そういう意味で、主役級だった。

そう思うと、映画の中で、彼女の「耐えるように怯えた表情のUPが多かった」ことに、合点がいくのです。控えめなあの表情は、リアルだと思いました。

追記21 ( 「日本ボロ宿紀行」 ) 
2019/5/31 9:02 by さくらんぼ

人気TVドラマ「日本ボロ宿紀行」のファンとしては、マネージャー役の深川麻衣さんが出てくれば、演歌歌手役の桜庭龍二(高橋和也さん)の顔も見たかったです。

高橋和也さんのド根性顔なら、自衛隊員にもピッタリのはず。

追記22 ( 「人が大人になる過渡期で手にし、成長すると手放すもの」 ) 
2019/5/31 22:08 by さくらんぼ

(  映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」のネタバレにも触れています。 )

映画「空母いぶき」の中で、秋津竜太が総理に、空母のことを「おもちゃ」と言うシーンがありました。その真意は不明で、総理は危険視していたようですが、もしかしたら、秋津竜太が言った意味は、下記のようなものだったのかもしれません。

『 その昔、核兵器という名のオモチャを持った人類は、「最高の武器」だと思って使いました。でも威力がありすぎて「使えない武器」だと分かり、現在に至ります。多くの犠牲を払い、人類は少しだけ賢くなりました。

今、ドローンを初めとする無人・ロボット兵器というオモチャを研究する人類は、これこそ「最高の武器」」だとして使い始めました。しかし、それは神の領域に踏み込むことでもありました。(ここから未来→)やがて「使ってはならない武器」であると悟ります。人類はまた少し大人になりました。

この映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」には、お人形さんとか、フラフープとか、TVゲームとかのオモチャが出てきます。なぜ戦争映画にオモチャが出てくるのか、それは「人が大人になる過渡期に手にし、成長すると手放す」ものだからです。

映画のラストで一発目のミサイルが着弾し、テロリストの女と、9歳の少女の二人が瀕死の重傷を負いますが、まだ動いています。

① 英米は女テロリストめがけ、ドローン(オモチャの意味)から、とどめの二発目を撃ちます。

② ナイロビの兵士たちは機関銃(オモチャの意味)をトラックの荷台から撤去(武装解除)し、9歳の少女と両親を乗せて病院に運びます。

対照的な①と②には、きっと、そんな意味が込められているはず。』

〈  映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」追記Ⅸ ( オモチャは成長すると手放すもの )2017/1/21 14:45 by さくらんぼ の再掲  〉

追記23 ( 支配 ) 
2019/6/1 9:16 by さくらんぼ

トランプさんが金正恩さんと一回目の会談をした時、トランプさんは、「シンガポールのような繁栄か、それとも破滅か」を語ったようです。

ところで、この映画「空母いぶき」。

原作では「尖閣諸島に上陸して領有権を主張する中国を敵として描いていた」ようですが、映画では「架空の国が上陸し、中国は国連軍として仲裁に入るクリスマスの救世主」として描かれていました。

映画「空母いぶき」は、中国に送ったシグナルでもあったのかもしれませんね。

追記24 ( 「引き分け」にするために… ) 
2019/6/3 9:34 by さくらんぼ

(  映画「三度目の殺人」のネタバレにもふれています。)

>この映画「空母いぶき」では、空中戦で海に落ちた敵の兵士(捕虜)と自衛官の2名を、いぶき艦上、担架で移送中に、その捕虜が、近くの自衛官の拳銃を奪い、担架にいた自衛官を(空中戦の怨恨から)射殺するという事件が起きました。(追記Ⅳより)

この自衛官は戦闘機で交戦中、同時に6発ものミサイルから狙われて、辛くも脱出して助かった男です。

なぜ、敵は一機の戦闘機に、最後の最後になって、6発もミサイルを撃ってきたのか。それは自分たちの戦闘機が何機も撃墜されたから(多数の死者が出たから)、日本側の戦闘機も撃墜しなければ、勝負のバランスが取れないと思ったのでしょう。

「戦闘を終えるには、双方の被害が互角が良い」「勝ち過ぎてはいけない」「引き分けが良い」みたいな話が出てきましたが、まさにそう言う事なのでしょう。

裁判の映画「三度目の殺人」が「利害の調整」を描いていたなら、戦闘もまた「利害の調整」なのかもしれません。

だから、そういう意味でも、あの自衛官は、死ななければならなかった!?。

ときに、戦闘を終えるために、助かることが許されないとしたら、兵士・自衛官とは、何と哀しい存在なのでしょう。

追記25 ( 映画「完全なるチェックメイト」 ) 
2019/6/7 9:56 by さくらんぼ

映画「完全なるチェックメイト」は、この映画「空母いぶき」を理解する上でも参考になります。

追記26 ( ・・・食べたい ) 
2019/6/7 15:10 by さくらんぼ

「 映画化で話題の人気コミックとスペシャルコラボ!『空母いぶき』×『呉海自カレー』特製レトルトカレー発売!! 」

追記27 ( リアルと映画 ) 
2020/1/9 8:55 by さくらんぼ

令和2年の静かな正月に起きた、トランプさんとイランの騒動。

トランプさんが軍事で仕掛けて、イランが軍事で報復。

しかし、トランプさんは軍事では反撃しませんでした。

なぜ反撃しなかったのか。

その理由の半分ぐらいは、この映画「空母いぶき」を観ていると、理解できるような気がしました。

参考:追記24 ( 「引き分け」にするために… )

追記28 ( 君子豹変す ) 
2021/1/15 11:05 by さくらんぼ

>ところで、映画「戦場のメリークリスマス」では、北野武さん演じる捕虜が言う、「Merry Christmas, Mr. Lawrence」というセリフが有名ですね。あのセリフのインパクトが一人歩きし、観客はもとより、私のような外野にいる者にも感動を与え、作品の価値を高めました。

>この映画「空母いぶき」では、空中戦で海に落ちた敵の兵士(捕虜)と自衛官の2名を、いぶき艦上、担架で移送中に、その捕虜が、近くの自衛官の拳銃を奪い、担架にいた自衛官を(空中戦の怨恨から)射殺するという事件が起きました。

>それに激怒して、拳銃を奪いかえし、捕虜を射殺しようとする自衛官。

>しかし、騒ぎに気づいた艦長が駆け寄り、静止しました。そして捕虜に近づき、「海の中は冷たかったろう…日本では皆、クリスマスには平和を夢見るんだ…君も温かい飲み物を…」などと慰めるのです。泣きだす捕虜。

>それを撮影していた同行記者が、衛星ケータイで動画をネットにUPします。その、まるで「Merry Christmas, Mr. ○○」な様子が世界中に拡散し、国連や主要国など、様子見の「観客」をも感動させ、この局地戦の仲裁に動かせたのです。

>時はクリスマス。日本本土でも、クリスマスが盛大にお祝いされていました。(追記Ⅳより)

>祈りは通じ、クリスマスの救世主がやってきた。(追記16より)

>「こてこての大阪弁」と書いたのは、護衛艦の艦長に「戦闘モードに入ると大阪弁で『いてまえ~』と命令を出す人がいた」からです。(追記Ⅳより)

>この「いてまえ~」は漫才みたいで好きなシーンですが、多分これは、「ゆとりが無くなって、標準語では話せない状態になった記号」なのでしょうね。秋津竜太が時々微かに微笑んでいるのと同じでしょう。

>あの微笑みもポーカーフェイスの一種というか、苦笑というか、「ゆとりの無い本心を隠すための仮面みたいなもの」だった可能性があります。

>だからと言って私は誰かを非難するつもりはありません。この中に卑怯者はいません。みんな一所懸命に戦っているからです。秋津竜太に至っては、新人課長が「社長の代役をせよ」と突然命令されたような衝撃でしょうか。それも敵対的買収の危機のさなかに。「いぶき」という言葉が指し示す通り、この映画は、誰かの、何かの「息吹」になる事を期待して作られたのだと思います。あっ、だから5月なのか。(追記18より)

>赤い色のチラシには、ひな壇のようにキャストの写真が載っています。その最上階の4人の中に、3人の男性にまじって、女性記者役の本田翼さんがいました。

>意外と言えば、ちょっと意外な配置。

>炭鉱夫たちはトンネルの中に「カナリアの籠」を持って入ったと言います。有毒ガスの危険を感知する生きたセンサーとして。

>この映画「空母いぶき」でも、本田翼さんは、屈強な他の登場人物の「本音」を、鋭敏に表現するために置かれたのかもしれませんね。

>そういう意味で、主役級だった。

>そう思うと、映画の中で、彼女の「耐えるように怯えた表情のUPが多かった」ことに、合点がいくのです。控えめなあの表情は、リアルだと思いました。(追記20より)

TVで映画「空母いぶき」が放送されたので、録画して少しづつ観ています。

そこで気づいたことがありました。

映画の前半、潜んでいた敵の潜水艦を見つけたとき、「いぶき」艦長・秋津竜太(西島秀俊さん)は先制攻撃を進言しましたが、「いぶき」副長・新波歳也(佐々木蔵之介さん)は反対しました。

しかし、群司令・湧井継治(藤竜也さん)は先制攻撃しない決定をしたのです。

それに対して秋津竜太は(仲間を見殺しにするのかと)異議を申し立てましたが、(仲間を信じようと)湧井継治は認めませんでした。

その後、軍司令は耳を傷めてリタイアし、群司令の任を(タカ派?の)秋津竜太に委譲するのです。

しかし、秋津竜太のその後の作戦行動は概ねタカ派ではありませんでした。たぶん湧井継治の思想を受け継いだのです。

その頃、日本のコンビニではクリスマス商戦たけなわです。コンビニ店長・中野啓一(中井貴一さん)はバイトの森山しおり(深川麻衣さん)にローテーションを代わってもらい、奥でクリスマスのお菓子を靴に詰めていました。耳には「気が散らぬように」と耳栓をしていたので、音が聞こえなくなっていました。

「いぶき」の湧井継治とコンビニの中野啓一は相似形にありました。

そして、バイトが売り切れた商品の追加発注について、独断せずに店長に数量確認したように、「いぶき」の秋津竜太も湧井継治が憑依したごとく、湧井継治の思想に従おうとしたのだと思います。

時はクリスマス。

これは磔になったイエスの遺志(教義)を受け継いだ使徒たちの前に起こった、奇跡の物語だったのかもしれません。

タカ派の秋津竜太がタカ派ではなくなる疑問が、これで理解できたような気がします。

追記29 ( ペテロ ) 
2021/1/15 15:25 by さくらんぼ

>しかし、騒ぎに気づいた艦長が駆け寄り、静止しました。そして捕虜に近づき、「海の中は冷たかったろう…日本では皆、クリスマスには平和を夢見るんだ…君も温かい飲み物を…」などと慰めるのです。泣きだす捕虜。(追記Ⅳより)

これなどは、 映画「戦場のメリークリスマス」だけでなく、

『 ペテロは「鶏が鳴く前に、三度わたしを知らないと言うであろう」と言われたイエスの言葉を思い出し、外に出て激しく泣いた。 』

( ウィキソース「マタイによる福音書(口語訳)」第26章75 )

も連想します。

追記30 ( 「鶏が鳴く前」に仲裁に入る ) 
2021/1/15 15:39 by さくらんぼ

映画のクライマックスには、「最初からずっと潜ったまま、この戦いを観察していた」米国など5か国の潜水艦が浮上します。

敵と「いぶき」との間に浮上して仲裁をするのです。

「これ以上の戦いは許さない」と。

これも「鶏が鳴く前に」の話なのかもしれません。

「仲裁に入らないではいられなかった」のでしょうね。

今、仲裁に入らないと、ペテロのように苦しむことになるから。

そして、幸せな夜明けが来て、「いぶき」の乗務員たちにも朝食がふるまわれました。

追記32 ( 恋愛も戦いだ ) 
2021/1/16 10:21 by さくらんぼ

「いぶき」艦長・秋津竜太(西島秀俊さん)は誰とも群れない孤独な戦闘機乗りでした。それが心境の変化があって護衛艦の艦長になったのです。

さらにクリスマスに軍司令の代理を務めることになり、さらに大家族になりました。

戦闘が一区切りついた時に、秋津竜太は「軍司令に報告してくる」と言って廊下に出ましたが、後を追ってきた「いぶき」副長・新波歳也(佐々木蔵之介さん)としばし会話をします。

その会話の中で、秋津竜太は新波歳也に新しい子供が生まれたことに触れました。誰とも群れない秋津竜太が、黙っていた自分の子供のことに言及したことに驚く新波歳也。

そして、これにネットニュースの記者・本多裕子(本田翼さん)に衛星ケータイを渡した一件までを加味して考えると、秋津竜太は本多裕子に不器用な恋をしている可能性を感じます。家族の温もりが欲しくなったのです。

返したあの衛星ケータイは武骨なラブレター。

「私の事を見つめていてください」という。

そして、この戦闘さえも、秋津竜太の恋文だったのかもしれません。それもあってタカ派からハト派に軸足を移した。

では本多裕子の気持ちはというと、前半に秋津竜太のことを思い出し、「取りつく島もない」とぼやくシーンがありましたし、あれは取材の事だけですか?。

中盤には「いぶき」から逃げ出すのではなく、秋津竜太と運命を共にする道を選びましたので、無意識の領域では、意外と「ラブ」だったのかもしれません。

追記33 ( 恋の炎 ) 
2021/1/16 14:00 by さくらんぼ

魚雷攻撃から巨大な「いぶき」を守るため、小さな「はつゆき」が前に出て、身を盾にして魚雷を受けました。

その爆発音に驚いて部屋から飛び出し、「いぶき」の甲板から本多裕子(本田翼さん)が見た光景。

「 『はつゆき』が燃えている… 」。

絶句して彼女は立ち尽くしました。

この時の「いぶき」は秋津竜太(西島秀俊さん)で、「はつゆき」は本多裕子の記号だったのかもしれません。

ならば、燃えていたのは「はつゆき」だけですか。

追記34 ( コンビニの二人も ) 
2021/1/16 14:11 by さくらんぼ

>その頃、日本のコンビニではクリスマス商戦たけなわです。コンビニ店長・中野啓一(中井貴一さん)はバイトの森山しおり(深川麻衣さん)にローテーションを代わってもらい、奥でクリスマスのお菓子を靴に詰めていました。耳には「気が散らぬように」と耳栓をしていたので、音が聞こえなくなっていました。

>「いぶき」の湧井継治とコンビニの中野啓一は相似形にありました。(追記28より)

もし「いぶき」の中で秘めたる恋愛が進行していたとしたら、相似形のコンビニも同じなのかもしれません。

そう言えば、店長の中野啓一が、バイトの森山しおりに、ローテーションを代わってもらう相談を持ちかけたとき、まるでデートに誘うがごとく、異常なほど照れながら告げたのが印象的でした。

森山しおりの気持ちは分かりませんが、どうやら中野啓一の夢は叶ったようで、クリスマスを、仕事とはいえ、二人で過ごすことが出来たのです。

追記35 ( 愛の定義 ) 
2021/1/16 16:56 by さくらんぼ

「 人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない。 」

( ウィキソース「ヨハネによる福音書(口語訳)」第15章の13 )

たぶんこれが下敷きなのでしょうね。ドラマなどで時々出て来る「愛とはその人のために死ねること」などという言葉は。

映画「空母いぶき」にも、「いぶき」副長・新波歳也と艦長・秋津竜太の会話の中に、秋津竜太の言葉として、「我々が誇るべきは、自衛隊員に一人の戦死者も出していない事ではなく、国民に一人の戦争犠牲者も出していないことだ。国民のために死ぬのなら、自衛隊員として本望だろう」みたいな言葉があります。

自衛隊員は国民を愛しているわけです。

この映画「空母いぶき」に、(もしも)私が指摘したようなラブストーリーが存在するとしたら、その根っこのところは、ここから出ているのかもしれません。象徴的にデフォルメした形で。

それはともかく、

あの状況は「ジェットコースター効果」もありますね。

映画「スピード」のラブ同様に。

追記36 ( 「クリスマスブーツ」と「服務の宣誓」 ) 
2021/1/17 9:27 by さくらんぼ

本多裕子に秋津竜太が衛星ケータイを渡した話は、コンビニでは、中野啓一が森山しおりにお菓子の入ったクリフマスブーツを渡した話になっていました。

それも、森山しおりの方からおねだりしたのです。この二人もなかなか良い雰囲気ですね。

クリスマスブーツを見ると、ラブレターであることが、より色濃く分かりますね。

それから、TVドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」(ケンカツ)は、憲法を描いていても、辞令交付式から描いていても、重要な公務員の義務である「服務の宣誓」の儀式がカットされていました(少し残念)。

しかし、映画「空母いぶき」では、秋津竜太と新波歳也が、前半の雑談の最中に「服務の宣誓」らしきものを「そらんじる」シーンがあり、さすが自衛隊と思いました。もちろん「憲法を順守し…」みたいな言葉も入っていました。

追記37 ( 「天国への階段」 ) 
2021/1/17 10:29 by さくらんぼ

今朝のNHKラジオではショパンの「ピアノ協奏曲第1番」を放送していましたが、その第2楽章「ロマンス」が、この映画「空母いぶき」のエンドロールにはふさわしいと思いました。

「 ショパン ピアノ協奏曲1番 2楽章 ロマンス・ラルゲット 」

追記38 ( 映画「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか 」 ) 
2021/1/17 14:14 by さくらんぼ

>リアルな哀しみの、その真っただ中で歌われる愛が、実況中継の最終兵器として、敵をえぐります。

>そこには、当時、話題にもなったらしいハイスピードな戦闘映像と、三角関係の微妙な愛、そして、伝統文化的な愛を守ろうとする宇宙人たちがいました。

(  映画「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」 本文より  )

①映画「空母いぶき」の話をしながらここまで来ましたが、ふと②映画「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」を連想しました。現段階ではオマージュかは分かりません。

②の歌姫であるリン・ミンメイは、①では本多裕子です。歌とニュースという違いはありますが、発信者という共通点があります。

そして、燃ゆる「はつゆき」や、捕虜を慰めた秋津竜太の映像を発信し(あれが舞台)、世界中の人々に、忘れかけていた「イエスの愛」を思い出させ、世界が仲裁に動いたのです。

いわば、本多裕子は最終兵器だったわけです。

では、②の三角関係はどこにあるのでしょう。

①では、秋津竜太をめぐって、本多裕子と群司令が、ある意味、三角関係の体をとっていますね。

この映画「空母いぶき」も、「百人一首」と同様に、戦いの中に在って愛を語っていたのです。だから、この愛は添え物ではないのでしょう。

追記39 ( 「マクロス」の作品テーマ ) 
2021/1/17 15:42 by さくらんぼ

(  遅れましたが、映画「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」 のネタバレにも触れています。 )

〔 『超時空要塞マクロス』の人気を受けて、1982年末にテレビシリーズの放送延長とともに映画化企画が浮上[8]。1983年から1984年にかけて、後番組『超時空世紀オーガス』の制作と並行して準備が進められた。

監督はテレビシリーズのチーフディレクターを務めた石黒昇と、メカニックデザイナー出身の河森正治が共同で担当。

… 中略 …

河森は作品のテーマについて、「生まれも育ちもちがう複数の人物が、その差を乗り越えてひとつになり得るか[13]」と述べている。

… 後略 … 〕

( Wikipedia 映画「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の「作品解説」より抜粋 )

映画「空母いぶき」のラスト近くにも、突如浮上した国連軍の5隻の潜水艦を見た「いぶき」の自衛隊員が、「彼らもまた、壁を乗り越えてきたのですね」みたいなセリフがありました。

追記40 ( 手書きのクリスマスカード ) 
2021/1/17 22:05 by さくらんぼ

>本多裕子に秋津竜太が衛星ケータイを渡した話は、コンビニでは、中野啓一が森山しおりにお菓子の入ったクリフマスブーツを渡した話になっていました。(追記36より)

衛星ケータイで秋津竜太の愛を世界に発信したのなら、たくさんのクリスマスブーツの中には、中野啓一が徹夜で書き上げた愛のクリスマスカードが入っていました。

追記41 ( その答えは「クリスマスカード」に ) 
2021/3/5 16:10 by さくらんぼ

>ある日のこと、事務所にある書庫の改装工事が行われたのです。書庫は私の机の真後ろでした。工事のための音が一日中聞こえていました。そんなに大きな音はしません。でも、私は次第に憔悴していったのです。やはり後ろで鳴る音は人を不安にさせました。

>ところで、この映画「空母いぶき」では、男女2人の記者が、いぶき艦内の一室に、事実上の軟禁状態にされていました。戦闘中に艦内を歩きまわれては危険です。じゃまにもなりますし、秘密が漏れてもいけない。だから、やもうえないと思いますが、爆発音と大きな揺れが繰り返す中、何が行われているのか何も知らされない、見えない状況では、人の不安は極限状態になると思います。

>だから、女性記者の方が参ってしまい、解放されると一目散に逃げだそうとするのは当たり前です。でも、男性記者が素直に従わない姿を見て、(敵前逃亡とまでは言われなくとも)職場放棄と言われかねない自分を恥じ、女性記者は男性記者と共に、果敢にUターンしたのです。(追記17より)

本多裕子たちが下船のためにヘリコプターへ向かうとき、見送りのためでしょうか、秋津竜太もやってきました。

その気配を察した本多裕子は、ふりむいて、唐突に「日本に空母は必要ですか?」と尋ねました。

それに対し「私は答える立場にありません」と、いつも通り、つれない秋津竜太。自分は自衛官であって政治家ではないという事でしょう。

本多裕子はさらに続けます。「私はこのいぶきで起こることを伝えなければなりません。だから、ここにいさせてください」と。

一瞬考えてから了解する秋津竜太。

しかし、秋津竜太がいなくなってから本多裕子は、「…どうして私、あんなこと言ったのだろう」とつぶやきます。

その主な理由は、前述した通り、「職場放棄と言われかねない自分を恥じた」からだと思いますが、「日本に空母は必要ですか?」が余分だったような気もします。

もしかしたら「日本に空母は必要ですか?」は、永遠のお別れになるかもしれないので、「あなたにとって、わたしは、ひつような女ではないのですか?」と問うていたのかもしれません。つまり婉曲的に告っていた可能性があります。

しかし、秋津竜太は答えてくれなかった。

でも、言葉を交わしたことで未練も深まったので、攻める決心をしたのでしょう。

この話の直後に、コンビニのエピソードが挿入されていて、クリスマスブーツを作っている店長・中野啓一のところへ、バイトの森山しおりが「お手伝いします」とやってきます。

そして、中野啓一がブーツに一枚づつ入れていた手書きのクリスマスカードを読むのです。そこには「あなたが愛せば、あいても愛してくれる」と書いてありました。

追記42 ( 秋津竜太からの、恋文の返信、か ) 
2021/3/6 22:23 by さくらんぼ

>そして、中野啓一がブーツに一枚づつ入れていた手書きのクリスマスカードを読むのです。そこには「あなたが愛せば、あいても愛してくれる」と書いてありました。(追記41より)

この少し後、いぶきに残留を決めた本多裕子に、記者仲間の男が、「これ、子どものために買ったんだけど、渡せなくなったから、食べて」とクリスマスブーツを渡します。

考えることばかりで頭が混乱していた本多裕子でしたが、そう言われてお菓子に手を伸ばしました。

そうしたらクリスマスカードが出てきて、「人類はみな兄弟、ぼくたちは友だちだよ」と書いてあったのです。

先の、「あなたが愛せば、あいても愛してくれる」が本多裕子の希望の記号であるなら、、「人類はみな兄弟、ぼくたちは友達だよ」は、秋津竜太からの返信の記号だったかもしれません。

つまり、本多裕子の恋は悲恋に終わる!?。

もしそうなら、映画「空母いぶき」の恋の行方は、映画「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」と同じになりますね。     

追記43 2022.3.16 ( 言い訳 )

思いつくままに随時書いていたら、長文になっていました。思い返すと、レビューに矛盾点もあるような気もしますが、推敲して短く再構成するエネルギーがありませんので、とりあえず原始記録としてそのまま公開させていただきます。戦っている世界中の人々にも、良き仲裁が入ることを願っています。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)




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