【オリジナルSS】世界の終わりと音のはじまり
電球の寿命が近い。
音楽室の奥底にあるメトロノームのように、不揃いな調子で電気がついたり消えたりしている。
いつの間にか夜になっていたようだ。
結局、今日も、いつものように見慣れた天井を見上げたまま1日が終わっていた。
自分の体温で、かすかな温もりをもった薄ピンクの布団だけが、時間の経過を教えてくれた。
ベッドに寝転がったまま、首だけ動かして、自分の部屋を見回してみる。
音もなく、光も消えかかった部屋だった。
生まれてから四半世紀ほど生活している部屋だけど、
いつになって