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海外大の受かり方 課外活動編

1.課外活動の定義

前回の記事でアメリカ大学受験における三本の柱は成績、課外活動、そしてエッセーであることを話しました。今回のフォーカスはextracurricular activities, 課外活動です。課外活動とは要するに「授業でないすべての活動」のことを指し、その範囲はかなり広いです。スポーツ、音楽、研究など趣味から職業体験に至るまですべてが評価の対象となりうるこの世界において日常のすべてに気を配るべきでしょう。今回の記事は「どう課外活動を選ぶべきか」そして「どう活動すべきか」の二点を中心に解説していこうと思います。

2.課外活動の選び方

まず大前提として課外活動の重要度は人によって大きく変わってくることを理解しておかねばなりません。スポーツや特定の学問で世界オリンピック出場レベルまで行くならばそれだけで大学に受かる可能性すらありますが、それ以外は成績とエッセーの方で勝負せざるを得ないでしょう。しかし、経験から言えることとして課外活動なしでは絶対に合格しえないということが挙げられます。少なくとも合格率上位100校に受かりたくば何かしら課外活動を用意しておかねばなりません。しかし、具体的になにを頑張ればいいのかわからないという人も多いでしょう。一番手っ取り早いのはスポーツや音楽などの習い事や部活動を課外活動とすることです。習い事なら幼いころからやっていることが多くアドバンテージになりやすいでしょう。しかし、ただ習い事をやってますー、では強みになりえません。大会に出場することが最低ラインでしょう。賞状などを取れれば尚良しです。スポーツならインターハイを目指し、学問なら数学オリンピックなどの大きな試験に臨むといいでしょう。しかし、トップ校の場合国内の成績だけではいけないことも多いです。実際筆者はアメリカ生物オリンピックで準決勝に進出していますがそれだけで受かったところはそう多くないです。音楽の場合はオーケストラに所属、コンクール等で成績を残すかオーディションのある楽団に入団するといった方法があります。

しかし、すべての課外活動に大会などの形になるものがあるとは限りません。例えば、教師になるのが夢だとして「高校生向け教員コンテスト」などのようなものは存在せず、八方ふさがりのようにも思えます。しかし、大学は個人で成績を残せる者のみを求めているわけではありません。やはり思いやりのあるものや協調性のあるものを求めているので、そこをクリアする活動も大いに意義のあるものとされています。例えば、家が貧しいため家業を手伝いつつ幼い兄弟の世話をしているといったことをアピールし優秀な成績とともに人間性の高さをアピールしてハーバード大学に合格した人もいます。また、LGBTや女性の権利、貧富の格差がここ最近かなり話題になっている今の世の中マイノリティーを支援する団体を設立するなり活動に参加するなりしてマイノリティーへの関心の高さや思いやりのこころをアピールするという手もあります。必ずしも競争を含むものではないということを理解しましょう。なんにせよ大学に提出できるだけの形のある活動を選ぶことになります。ここで重要なのが一つに絞ると興味をなくしたりつまずいたときにバックアップがなく八方ふさがりになってしまう点です。あまりにも手を広げすぎても一つ当たりのクオリティが下がるので数は抑えめにしましょう。また、興味のない課外活動は避けるべきでしょう。アドミッション・オフィサーはその長年の経験から情熱のこもっていない課外活動をすぐに見抜きます。これに関してはアメリカ大受験に関わるもの全てが口をそろえて言ってきたので信用度は高いでしょう。まとめると課外活動は興味があり大学が意義を見出せるものを2~3個選ぶことを考えてみてください。自分の興味と大学の興味をすり合わせる作業はとても大切です。

3.課外活動のやり方

さて、課外活動の選び方がわかったところでただ闇雲にがんばるだけでは足りません。「自分は他と違う」と大学にアピールできるだけの要素をそろえることを意識せねばなりません。競技性のあるものならば目に見える順位がつくのでやることは単純です。大会で結果を残すなりオーディションに受かるなり、戦略としては有名な賞や楽団を目指すことや全国または世界的な順位を目指すことになります。しかし、競技性のない活動の方はどうでしょうか。ぶっちゃけて言いますとマイノリティー関連の活動なんて誰でも思いつくので受験生のだいたいが何かしらの活動に参加しています。自分は他とは違う情念がある、他の受験生よりも本気でやっている、と証明できるものが必要になってきます。物的証拠を使うのはほぼ不可能なので何か心を打つエピソードがあればいいでしょう。自分が過去にうけた差別や心を入れ替えることになったエピソード、人生が変わったきっかけなど慈善活動に本気で取り組む"理由"を説明できるのが理想です。実際にあった話としてアメリカにおいて貧困家庭の特に女子が高等教育をうけられず科学(STEM系とよばれる)に興味を持つ機会がないとしてそういった子供たちを集めたオリエンテーションを行うという活動をしていた同級生の話をしましょう。このオリエンテーションで生物の楽しさを伝えるため筆者も参加しましたがかなり本格的に科目ごとにローテーションを組み毎週違う面子でオリエンテーションが行われ地元紙に取材もされるほどだったと聞いています。これに上乗せして生まれ育った韓国での女子生徒の扱いとアメリカでの違いに着目しつつ自分がコンピューターサイエンスに興味をもつきっかけになった先生との出会いをエッセーに書くことで活動に説得力を持たせ合格をつかみ取っていました。このように他人の役に立っていてかつ自分でやりがいを持っているというアピールが重要となってきます。この場合の「他人」とは家族も含み、家族のためにがんばれる、という人も重宝されます。アピールのしかたはその3 エッセーの書き方にて解説しますが、このように誰かのためになっている、そしてそこまで頑張るだけの理由がある。そういう活動にできるよう心掛けることが重要です。アメリカはアベンジャーズやスーパーマンが根強い人気を持つことからわかる通り「ヒーロー」にとてつもない憧れを抱いています。その憧れをくすぐるような人物像を課外活動から作り出していきましょう。あなたは誰にとってどんなヒーローですか?これ以外にもアプローチの仕方は多々ありますがこの方法が一番やりやすいと筆者は感じています。

4.おわりに

課外活動は各々のやりたいことによって活動内容が大きく変わってくるので一概に言いづらく対策が難しいところです。しかし課外活動に求められるキモである「大学が欲しがる人材であることを示す」という点はすべてにおいて共通しています。そのアプローチの仕方の独特さと説得力がものをいうのでぜひこの記事だけでなくいろいろなソースを参考にして頑張ってください。次回の記事でまた会いましょう。



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