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旅行へ行かないふたり (短編小説)

「城崎温泉なんかいいんじゃない? ♫カニ食べいこう〜てあったじゃん。あダメだ、お品書きに甲羅のグラタンある。私乳製品ダメなのに。何でカニ料理のコースて決まって甲羅グラタンあんのよ。ようやく料理長になって立派なカニ目の前にして、よしグラタンやってみるかとはならんでしょ普通…うんこっちの宿の方が良さげ、お部屋に温泉もあるし。ねえどうする?」

グダグダ喋って彼女はノートパソコンの画面をこちらに向ける。見ていたバチェラージャパンの続きが気になるがソファを離れ、隣で画面を覗く。



「露天付きのお部屋最高!」
★★★★☆ 4.0

バス停から歩いて行けます。ネコちゃんがお出迎えしてくれました。チェックインもスムーズでお部屋の露天風呂からの景色が最高!夕食は蟹とお肉のコースにしました。すごくおいしかった。 でもゴハンが最後の方にしか出なくて...ゴハンとおかず一緒がよかったです(ノД`) でもまた来ます!
   
宿からの返信  
この度は当宿にご宿泊頂きありがとうございます。ネコちゃんはたまにイタズラしちゃいますから要注意です♪夕食のご飯の件ですが厨房スタッフと打ち合わせし改善して参ります。またのお越しを心待ちにしております。
女将


「老舗宿の気遣いと温泉に浸る」★★★★★ 5

当日は生憎雨だったが車から荷物を運んでくれ助かった。部屋で一息つくと妻が雨降りの松も風情があっていいわね、と中庭を眺めて言う。中庭はよく手入れがされていた。施設の老朽化は否めないがそれを補うホスピタリティがここにはあったと思う。数々の宿泊施設を利用してきたがどこも苦しい経営事情の中で何が提供できるのか苦心している。この宿はその模範たり得るものである。旅行支援割を利用しての宿泊だったが期間中は元々の宿泊価格が高く設定されている為割引後のお得感はない。勘違いしがちだがこの施策はあくまで旅行業界を支援する為のものであるので喜んで協力したい。だが夕食時最後に御飯を出したのは疑問が残る。御飯は食事の中心と考える私達は全てが片付けられたテーブルにぽつんと出された御飯と漬物を前に途方に暮れてしまった。ここは再考してもらいたい。

宿からの返信
この度は当宿にご宿泊頂きありがとうございます。お客様のお考えまさしく我が宿の理念とするところでございます。身の引き締まる想いです。夕食時の御飯の件誠に申し訳ございません。スタッフと見直しして参ります。またのお越しをお待ちしております。
女将


「家族3人での利用」★☆☆☆☆ 1.0

go to何とか8000円じゃねえの?安くなんねーじゃん意味ねー。連休だから夕食会場激混みでご飯なかなか出てこねーし。子供はご飯と漬物なんか食べねーからオムライスにしてほしい。

宿からの返信
この度は当宿にご宿泊頂きありがとうございます。夕食時の件申し訳ありません。皆様のご意見を受け、大変不本意ではありますが今後夕食時のご飯提供について他のお料理と同じタイミングでの提供とさせて頂きます。 またのお越しをお待ちしております。
女将


「立地だけ。残念でした」★☆☆☆☆ 1.0

着いていきなりチェックイン。猫?あれ猫いる?何かニオイが…こっちは老婆(笑)三人組だからロビーに荷物を置いてゆっくりしたいのに…部屋も古くてヤレヤレ。窓の外を見ていたAさんが「あら、サッシにホコリが…」温泉の脱衣所には髪の毛がアチラコチラ。夕食は最初にズラッと出てきてご飯も食べたらしゃぶしゃぶの頃にはお腹イッパイ。私たちそんなに食ベレマセン(笑)。老婆(笑)三人組の戯言デス…

宿からの返信
この度は当宿にご宿泊頂きありがとうございます。





またのお越しをお待ちしております。
女将

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ふたりは来月旅行へ行かない。
正確には、行く気が失せたので行くのをやめる。

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