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[高次脳機能障害]交通事故から47日目:精神病院に相談に行った日

2009-04-24 18:20:15


精神病院に相談に行く

この日は一般病棟は諦めて地元でも有名な精神病院を訪ねた。初めての精神病院、なんとなく怖かった。2時間待ったが対応してくれて医師はとても丁寧に対応してくれた。

「大変な事故でしたね。」とても力強くはきはきとお話をしてくださる先生で、高次脳についても、より専門的にお話してくださるので、安心できた。しかし、「ごめんねぇ。受け入れてあげたいのは、やまやまなんだけど、今年からベッド数を減らすようにと制度が変わってしまって、今、本当に空きがないんだよ。」という回答だった。
小泉内閣・竹中平蔵の弊害。タイミングを呪う。

どこもかしこも受け入れ拒否されつづけて、(汚染事故がおきているのが一番ネックだった)精神病院まできたが、今度は空きがない。しかし、どうしたらいいのか嘆いている暇も無い。一刻も早く父の元に戻らねばと入院先へ向かった。


頭髪事件 vol.2

以前にも頭髪事件のことを書いたが、頭髪事件は2回あった。1回目は頭部の中心を少し刈っただけだったため、なんとか前髪を下ろしてごまかせれるレベルだったのだが、丸坊主にしてしまった方がインパクトが強くそちらの記憶で書いてしまっている。

写真で蘇る記憶

17年前の4月24日のブログには、みるも無残な写真も残っていた。
精神病院から帰ってくるとそこには変わり果てた姿の父がいた。
フロント部分はおでこのかなり上まで刈り込み、サイドは耳上5cmほどをシェーバーのバリカン機能で首もとまで刈り込んでいる。あまりの無残な姿に愕然とした。

当時の写真+フィルター


床屋さんふたたび

「お父さん、お父さん、今、自分が、どんな姿になってしまっているかわかる?」当時の私の言葉はまだ若い。
この状態を記録するために写真を撮ると父は激高した。暴言がとまらない、事故で片目が開かない顔で睨まれ凄まれると本当に怖かった。
「もう死ぬで、今のうちに写真でも何でも撮れ!」怒鳴り方も半端なかった。

あまりにも惨めで昼食後、即、床屋さんへ連れて行こうとすると、またそこで罵声を浴びせられる。
「オーバーズボンを持ってこい!!!」部屋中どころか病棟中に響き渡る大声だ。

床屋さんで

「もう、これは修復のしようがないねぇ。全部刈っちゃってもいい?」床屋のおばさんにそう言われ、長さをそろえて刈ってもらう。バリカンで綺麗にしてもらっている間、ときどき、キョロキョロして家族を探す父。目があうと、首をふったりうなずいたりする。きょとんとした顔でこちらをみたり、今までに見たことのない動作、しぐさ・・・

精神病院で受けた説明が蘇る

朝いった病院で言われた言葉が、浮かび上がってきます。軸策損傷は、何がおこってもおかしくない。くも膜下出血で一時的に記憶がないと、ごまかして適当なことを言うようになる。記憶欠損を埋めている。

「様子をみるしかないよ。なおるかなおらないかわからない。精神病は数ヶ月でなおるけど、事故によって失った脳の機能は、もうもどらないからね。

もう治らないの?。。。。そう打ちひしがれて病室についたら、この姿。
もう、本当に、泣きたくなってきました。
(当時のブログより)

この日は、病院の窓口が開く前から待ち続け、2時間待ちでやっと医師と話しが出来て、ただでさえ打ちひしがれて、父の入院先に戻った。そこで目に飛び込んできた無残な姿。この時のショックは言葉にできない。しかし何とかしなくてはという思いだけで走り回っていた。今目の前のことに最善を尽くすことしか当時の私には出来なかったのだ。