見出し画像

セクハラなんていわせない!立場の弱い女性の誘い方

本日は、こちら。
部下や担当営業など、“利害関係のある相手”に好意を持ってしまった場合の、正しい誘い方についてです。

ここに登場する、私の直属の上司だったE課長と、担当顧客だったKさん。
この2人が犯したミスとは、なんだったのでしょうか。

それは、

【仕事にかこつけて誘う】

という姑息な手を使ったこと。

あなたが彼女よりも強い立場にある限り、これは絶対やってはいけません。
彼女を食事に誘いたければ、きちんとこう言いましょう。

「仕事抜きで、食事に行きませんか?」

もし、私がE課長やKさんからこのように誘われていたら、

「それはできません」

と、ハッキリお断りしたでしょう。
彼らも、正直に言えば断られることをわかっているからこそ、仕事を理由にするんです。

でも、絶対ダメ。
自分よりも弱い立場にある女性を、仕事を盾に服従させようとするのは間違っています。断られる覚悟で、真正面から誘ってください。
「セクハラ」といわれないためには、さらに一言付け加えます。

「気が進まないなら、遠慮なく断って。そして、これからもいい仕事仲間でいよう」

もちろん、きちんと宣言どおりに行動してくださいね。
断られたからといって彼女を無視する、つらく当たるなどというのは言語道断ですよ。

私が、E課長やKさんからしつこくランチに誘われ続けた日々のことは、今も忘れません。
これが夜だったら、断る理由はいくらでもあるんです(主婦ですからね)。
だけど、仕事にかこつけたランチを断る理由は、簡単には見つかりません。
むしろ、変に勘繰る方が公私混同と言われるのでは…という複雑な思いもありました。
実際、同僚女性のひとりにE課長のことを相談すると、

「課長は、朝霧さんのこと部下としてかわいがってるだけだよ?」

と、軽く流されてしまいましたから。
それくらい、E課長の行動は「上司としての行動」にしか見えなかったのです。

こんなことで騒ぐのは、私がおかしいのではないか。
毎日毎日、じわじわと真綿で首を絞められるような息苦しさを感じました。

逃げ場がない。

とにかく、この逃げ場のなさが苦しかった…。

だから、彼女を誘いたいと思ったら、まずはきちんと「仕事抜きで」と伝えてください。
それで断られたからといって、必ずしもそれで終わりではありません。
好意を持たれていると思えば、彼女もあなたを意識するようになるかもしれません。
断られたあなたがすべきことは、それでもしつこく誘い続けることや、彼女を恨むことではありません。

とにかく、誠実に対応する。

困っていると思ったら、助けてあげる。フォローしてあげる。
悩んでいると思ったら、気持ちが軽くなるような一言をかけてあげる。
ただし、やりすぎない。

お酒の飲めない私を酔わせてくれる、大好きなAさんという仕事仲間がいます。

Aさんは、私が悩んでいると思えばあとから何気ないメールをくれて、そのついでを装い、

「今日は元気がないように見えましたが、大丈夫ですか?」

と、サラリと聞いてくれるような人です。そして、根掘り葉掘りは質問はせずに、

「美味しいものでも食べて、元気出しましょう。また一緒に頑張りましょうね」

と、言葉をかけてくれます。

ちなみに、私がクライアントから仕事を受注し、Aさんに作品づくりを依頼するというのが、私たちの仕事上の関係です。私の仕事はあくまでも受注とフォローで、プレゼンなどはAさんが行います。

私の力不足もあって、大きな案件が不発に終わった時のこと。私が立ち直れないほど落ち込んでいると聞きつけたAさんは、すぐに電話をくれました。
いつもはメールでのやり取りが多いのですが、こういう時は必ず電話なのです。

「Aさんが、あんなにきちんと準備してくれたのに…」

電話口でつぶやくと、

「あれだけきっちりやるのは、あとから後悔したくないんでね」
「案件が立ち消えるというのは、ぼくらの仕事ではよくあること」
「ぼくは、これからも朝霧さんと一緒に仕事をしたいと思ってるんで」
「もちろん、朝霧さんもぼくと一緒に仕事をしたいと思ってくれるなら…だけど」

思わず鼻をすすってしまったので、私が泣いていることにも気付いたでしょう。
だけど、そんな時はAさんはムダに言葉をかけたりはせずに、黙ったまま私が落ち着くのを待って、

「大丈夫ですか?」

そして、

「気持ちを切り替えて、次も頑張りましょう」

と、いつもより優しい声で励ましてくれるのでした。
1つの案件が終わった時には必ず、

「ありがとうございました。また、朝霧さんと一緒に仕事ができるよう頑張ります」

と、言ってくれるAさん。

私とAさんの場合、仕事を出すのは私ですが、Aさんは「先生」と呼ばれるような人なので(しかも、年齢も私よりずっと上の大ベテラン)、力関係としてはAさんの方が上になります。
作家と編集者の関係に似ているかもしれませんね。

それにも関わらず、Aさんは私に対して気遣いを見せてくれるだけでなく、敬意をもって接してくれるのです。
そう、相手よりも上の立場であるからこそ、気遣いや相手を敬う気持ちが大切なのですね。

Aさんみたいな人なら、

「仕事抜きで食事でも…」

って誘われたら、喜んでついて行っちゃいます。
だけど、真面目で誠実なAさんは、残念ながらいつまでたっても誘ってくれません。
そこがまた、素敵なんです。
もし、お互いもう少し若くて独身だったら、私の方から誘っていたんじゃないかな。

上司のみなさん。
仕事にかこつけて部下の女性を誘うなんて卑怯な手は使わずに、正々堂々と勝負してくださいね。
結果的に、部下の方から誘われるような、素敵な上司になれるかもしれませんよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?