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フリースタイルダンジョン2代目モンスター卒業について

フリースタイルダンジョン。2015年9月から始まったこの番組を私は第2回放送から欠かさず観ている。最初はたまたま深夜に帰宅してテレビを点けたらやっていた、という出会いだが、一発でハマった。もともと大学で国語を勉強していて語彙には多少なりとも自信があるつもりだったが、テレビの中で難解な言葉を巧みに使う彼らは、私が人生では出会ったことのない風貌、知らない世界を体現していた。言葉の巧さ、熱、音楽性で競い合うラップバトルでは、私が頭をひねってやっと考えるような韻を即興で遥かに超えてきて、度肝を抜かれた。以来、テレビでリアルタイム視聴したり、録画したり、AbemaTVを使ったり(思えばAbemaTVをダウンロードしたのも、フリースタイルダンジョンの年末特番を見るためだった)とほぼ4年間、ずっと観続けてきた。

その過程では色々なことがあった。初期は狭い会場で、山車に乗って出てきたチャレンジャーとモンスターだったが、途中から新木場ageHaに会場を変えて歩いて登場したり。モンスターへの理解を深めるため、料理を作らせたり、みんなで東京散歩にでかけたり。モンスターみんなで楽曲を作ったり。司会進行のUZIが大麻所持で逮捕された時は衝撃だった。4th seasonでモンスターが総入れ替えされたり。そして先日第1回からラスボスであった般若が、初代モンスターR-指定にその座を譲ったり。

そんなこの番組が、また大きな転換点を迎える。昨日放送の回で、2代目モンスターの卒業が発表されたのだ。

ここで、フリースタイルダンジョンについて説明しておこう。チャレンジャーとして登場したラッパーが、番組レギュラーの凄腕ラッパーとバトルを行い、4人に勝ち抜けばラスボスが登場。ラスボスを倒せば賞金100万円獲得、という構成である。その凄腕ラッパーたちがモンスターと呼ばれ、そのキャラクター、ラップバトルの強さで番組を盛り上げる。

不思議なもので、チャレンジャーに勝ってほしいとは思いながらも、モンスター達にも負けてほしくないという思いが視聴者にはあり、そのせめぎ合いも面白い。初代モンスターは1回、2代目モンスターは2回、チャレンジャーに100万円獲得を許しているが、その時はいずれもなかなかの喪失感があった。それだけ毎週観ているモンスターへの思い入れが強いのだ。

このモンスター卒業の気持ちを何かに例えるのは難しい。贔屓のスポーツチームで長年応援していた選手が引退するような、『ジョジョの奇妙な冒険』で一つの部が完結したような、そんな気持ちだろうか。番組は続いても、好きだった彼らはもう観られないのだ。そんな感覚だから、年末特番などで以前のモンスターが再登場するとそれは盛り上がる。2代目も今後出る人出ない人いると思うが、またの登場を楽しみにしたい。

最後に、2代目モンスターそれぞれへの好きだったところを書こう。

烈固

最初は滑舌が悪く聞き辛い、噛ませの先鋒などと思っていたが、どんどんと力を付け、最近のブラックモンスター編やモンスター維新軍編での複数人抜きは見事だった。服装いじりされているところが、幼さを感じて2代目の癒しでありホープだった。

崇勲

たかしとひろし。初代モンスターに対するチャレンジャーのなかでは最も応援した一人だった。2代目となった時、毎週観られるのかと嬉しく思ったが、モンスター側では調子が出ないようで期待されていた活躍できなかったのが残念だ。

輪入道

バイブスってこういうことを言うのだな、と輪入道を見て理解した。目の前であの迫力を出されたら私など失禁してしまうだろう。一方でモンスタールームや散歩企画での優しい顔も印象的だった。

ACE

一般の番組への露出も多く、出ていると「おっ、ACEだ!」と嬉しくなってしまう。渋谷に行くと、どこかにいるのかな、と探してしまうくらい、私の中で「渋谷=ACE」だ。

呂布カルマ

絵が上手い。フロアは理解しにくかったが、言葉の重みを感じ、アロハにサングラスという出で立ちが私好みで、私が前職で上司から付けられた二つ名が「鋼の心臓」であることもあり、自分がラップするならこうなりたいと思っていた。

FORK

姓はICEBAHN、名前はFORKだ。これほど印象に残る決めゼリフは番組史上他に無い。普通に語りかけるように見えながら、落とすところはしっかり落としているスタイル。大人の風格だった。

ラスボス般若

2代目モンスターではないが、ほとんど同じタイミングでの交代だったので彼にも。彼は凄みが違う。バイブスを超えた迫力が、画面越しにも伝わってくる。そして声が聞きやすい。


そんな面々のフリースタイルダンジョンも今週で終わり。来週からは新たなスタイルのダンジョンとなるのだ。どうなっていくのか、これからもスマイルの感情で観るのだ。

レペゼン群馬、新井将司。世界一になる日まで走り続けます。支えてくださる皆さんに感謝。