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個性的な無個性

 女性のおしゃれ、今年は何が流行っているんですか?

 夏はエメラルドグリーン? シフォンの大花柄ワンピースで今年らしさをチャージ? 知らんけど。もうじき冬だし。

 あちらも商売ですから、談合して今年はこれこれの流行で行こう! とかって画策しているんですから宣伝は当たり前としても、それにのっかるといい事があるんだろうか? と、ふと疑問に思ったりするんですね。

 流行なわけだから、みなさんそれを着たり付けたり装ったりするんだけど、その心は?

 やはり多少なりとも色気のある人なら、男性の目は気になりますわな。

 で、気になる人ほどエスカレートしていく傾向が強い気がするんですね。

 周りの戦力の増強具合を横目で睨みつつ、どんどん強力な武器を揃えるがごとく、付け睫毛は二重にマスカラたっぷり、あからさまに頬紅で赤くして、アイラインは目尻を越えて切れ長に、黒目くっきりコンタクトレンズ装着、髪の毛も染めてエクステバリバリ。

 キリが無いっすな。

 純粋に趣味で楽しんでいる人はいいけど、それが弱肉強食の競争原理から行われているとすれば果てしなくエスカレートするわけですね。国家間の軍備の増強となんら変わらない。

 そして行き付く果てに何があるのか?

 均質化による無個性ですよ。

 最近見なくなったけど、女子高生のルーズソックスがいい例でしょう。

 みんながみんな履いているならそれはもはや個性的ではない。むしろ普通のソックス履いていた方が目立つし個性的に見える逆転現象が起きていました。

 みんなと同じだと安心するとか、コンプレックスを塗りつぶすとか言う側面もあるのかもしれないけど、根底に多少なりともモテたいと言う意識があるのに、結果やり過ぎ故に安っぽい量産品になっているような気がします。

 それにせっかく男性と知り合っても、化粧と素顔のギャップが大きいほど、リスクは増大する。「化粧落とせねーじゃんっ!」みたいな。

 結局のところ、男性の目を気にしているのに、結果として男性から見たら行き過ぎちゃってたり、ドン引きされたり無個性に見えたりしてるわけですね。

 ライバル蹴落としているうちに、気がつくと周りに獲物がいない状況になってたりするわけです。

 だからそう考えると、今年のトレンドだとか流行のカラーだとかはくだらないと思いますよ。

 個性って言うのは自分が好きな色やスタイルの主張であって、流行に乗る事じゃない。

 化粧だって、それぞれに合う化粧があるでしょうに。

 自分を知る事で、より個性的な自分になれるんじゃないのかな?

 生物は多様化しないと滅びるんですから。 


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