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【映画】Dデヴィッド・シューリス

イギリスの俳優さんです
脇役のイメージが強いですが彼が主演するとベースラインがメインで重めの作品になります。表情はだいたいひとつですが顔色変えず喜怒哀楽をシニカルに表せる英国貴公子なかっこいい俳優さんです。


「ギャングスター・ナンバー1」

ポール・マクギガン監督作。
ポール・ベタニーが主演のギャングスターを演じます。年老いたギャングスターをマルコム・マクダウェル。この人は「時計仕掛けのオレンジ」のアレックスを演じた俳優さんでその存在感は変わらず。狂気全開、目がギラッギラです。かっこいい役者さん対決も見どころの作品。

主役の男に名前はない。ポール・ベタニー演じるギャングスター。街のチンピラだった彼がボスのフレディ・メイズに羨望を抱いてのし上がるまでのストーリー。イタリアの一流品に身を包んだフレディの座を虎視眈々とギャングスターは狙う。ある日フレディは1人の女性と出会い生涯の愛を手に入れる。それを弱みにつけこみギャングスターはフレディを引きずり落としてゆく。

イギリスの一流品に身を包んだフレディをデヴィッド・シューリスが演じる。若くしてギャングのトップに君臨する知性と気品を備えた貫禄も十分に表現しています。

【funky登場人物】ギャングスター


若きギャングスターを演じるポール・ベタニーも老いたギャングスターのマルコム・マクダウェルも狂気の突き抜け具合が破格です。野心に全身を染めて他の感情が感じられない殺戮マシーンのような荒ぶりっぷり。怖いですが気持ちいいぐらいです。「時計仕掛けのオレンジ」のアレックスが再来したかのようです。



「太陽と月に背いて」

レオナルド・ディカプリオが詩人ランボーを演じます。デヴィッド・シューリス演じるポール・ヴェルレーヌは妻子を持つ詩人ですがランボーと出会ってからランボーの持つ才能と若さに夢中になってしまいます。幸福な時間も束の間、妻とランボーの間を行ったり来たりのヴェルレーヌ。2人の幸福な創意溢れる時間も怠惰に行き詰まってゆきます。


当時のレオナルド・ディカプリオは二十歳そこそこ。この作品の後にはロミオ&ジュリエット、タイタニックなど美しさ全開の時代。対比してデヴィッド・シューリスは頭のてっぺんまで禿げ上がってしまった中年男性。ランボーに激しく惹きつけられながらも妻のことも離すことができない。醜さしか感じない役ですが、、おちぶれた詩人を演じ心底きもいなと思わせる辺り彼の役どころの広さを感じます。

【funky登場人物】ヴェルレーヌの妻マチルダ
ロマーヌ・ボランジェという俳優さんが演じています。男に夫を奪われながらも離れられないほどの魅惑ボディーを持つ綺麗な若妻さんですが落ちぶれた中年詩人のヴェルレーヌなんてどこがいいんだろうとハテナしか浮かびません。ひどい仕打ちも受けるのに貞淑な奥さん。ただひたすらかわいそうです。


3
「シャンドライの恋」

ベルナルド・ベルトルッチ監督作。

シャンドライはイギリス人音楽家キンスキーのアパルトマンでハウスメイドとして住み込みます。シャンドライの夫は政治活動のため投獄されてしまった。そんな過去を知らず、シャンドライが結婚していることを知らず寡黙で不器用なキンスキーはシャンドライに想いを寄せ始める。



だいぶ昔に観たのですがベルナルト・ベルトルッチが随分可愛らしい映画を撮るんだなあと驚いた記憶があります。
この作品の中のデヴィッド・シューリスは物静かなピアニスト。住み込みで働く黒人のシャンドライと空気を共有していつのまにか愛を感じ、既婚と知った後も深い愛を示すのです。それは彼が音楽家として音楽を愛するように覚えた愛を美しく最後まで貫こうという彼の心意気なのでしょう。
静かな佇まい、目で語るようなクールなデヴィッド・シューリスを愛でられる一品です。

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