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愛知県庁に農業イノベーション推進室~この惑星に共に生きる全ての生命を考えること

 愛知県は2023年4月から農業イノベーション推進室を開設しました。2021年から県が取り組んでいる「あいち農業イノベーションプロジェクト」の体制強化を目指しています。
 年度の仕事はじめとなった3日、県庁西庁舎4階で大村秀章知事が看板をかけ、その後、職員を激励しました。正式名称は農業水産局農政部農業経営課農業イノベーション推進室です。
 テレビのスポットライトが当たる中、大村知事は「きょうは新年度のスタートということで、農業イノベーション推進室の開設させていただきました」と看板を掲げました。

看板をかける大村知事

 この「農業イノベーションプロジェクト」は3年目になります。 知事は開設準備中の国際的なスタートアップ拠点「ステーション Ai(アイ) 」(名古屋市昭和区)の事業にふれ、「スタートアップ企業をどんどん出していこうという一環で、農業分野でもスタートアップ企業の新しい技術、新しいビジネスモデルを取り入れて農業の革新を進めていきたい」と意欲を語りました。
 具体的には県農業総合試験場(愛知県長久手市)と共同研究などを進めている名古屋大学、名城大学、中部大学、豊橋技術科学大学の農業関係の学科を持つ4大学と連携を強化。 すでにスタートアップ企業の提案も受け共同事業をさらに加速させていくためです。
 職員を前に知事は、「日本の農業、ことに愛知の農業の帰趨(きすう)がかかっていると思っております。皆さん、どんなことにもチャレンジをして、愛知の農業を前進させていただきたい」と激励しました。
 同プロジェクトは農業分野の課題解決のために、県農業総合試験場の技術と大学の研究成果、スタートアップの新しいアイデアなどを融合させて愛知の農業革新を急ぐもの。
 すでにジェイテクトと農業アシストスーツを開発し、JAあいち経済連と一緒に実証試験を進めるなど成果を出しています。
 愛知県内には土壌改良のスタートアップ企業やトマトの自動収穫ロボットを開発している企業など有望な起業家が続いています。
 行政だけではなく、産官学と金融も交えて、ナゴヤイノベーターズガレージ(名古屋市中区)や県のステーションAiといったスタートアップ支援拠点と組むことで、農業分野での起業が活発になると期待しています。
 食糧自給率や肥料、飼料不足、人手不足解決のための省力化、環境配慮のグリーン農業などなど。農業分野こそ最先端の課題が山積しているだけに伸びしろの大きな産業だといえます。
 先月亡くなった稀代の音楽家坂本龍一さんは、2002年に日本農業新聞が食と農の架け橋として提唱した「アグリサポート隊」に参加しています。農業新聞によると坂本さんが寄せた食を考える一文には、「この惑星に共に生きる全ての生命を考えること」とありました。
 全ての生命のために、知恵を出し合いたいものです。
(2023年4月6日)※2023年10月1日再掲

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