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北鎌倉の家(仮)-1 大きい窓の家が欲しい!

アーキロイドの福井です。
クライアントBさんとの家づくりが始まりました。
どんな敷地かというと、北・西側が道路に接し、高台なので南の隣地は数メートル下。谷の向こうの山が眺められます。

ちょっと似ている場所に身を置いてみたくて、高山寺に行ってきました。
景色を重視したBさんの土地探しを一年ほど見守ってきて、ちょっと贔屓目に土地を見てる?いやいや、そんなことありません!

(高山寺 / 『建築と庭』西澤文隆「実測図」集より)

高山寺は、鳥獣人物戯画のあるお寺、と言うほうがご存じの方が多いかも。
京都の中心地からバスに揺られ北西へ、くねくね峠を越えた山深い場所。
(濃い霧の日だったら、鳥獣人物に出会えたかも。残念…!)

Bさんの要望は、「大きな窓!」と鼻息荒くおっしゃいます。

でも、山が望める大きな窓があるだけでは心地よくない。

私が訪れたのは、良くも悪くも晴れすぎた秋の夏日。
デッキの先からすぐに下っている地形なので、鳥の巣箱から眺めているような枝葉を少し上から見る高さです。

(Bさんの家も近くに木を植えたら、こんな感じか〜)

縁側(下の写真)は、太陽燦々、葉が太陽の光を受けてキラキラ眩しく、間近で枝葉が揺れて風が視覚化された先に、向かいの山がドッシリそびえています。
眺めるというより自然と一体化するような、賑やかな動的な場所という印象。

縁側(窓際のイメージ)

溜まりの空間(下の写真)は、とても静かです。山からの風がすーっと抜けるのを感じながら、まったりゴロゴロしたくなる〜〜。
建築ごしの景色はグッと引き立ち、眺めたいのはこっち。

縁側から4.5mほど下がった溜まりの空間

「遠景・中景・近景」を整えると、しっかり景色の奥行きを感じられるようになり、それぞれの良さをグッと惹き立たせることができます。
お汁粉と一緒に出てくる塩昆布のイメージ?(塩気が甘さ引き立たせる的な)

「大きな窓」の欲しいBさんの家の隠れ重要ポイントの一つは「奥行き」だよなと、うんうん図面と睨めっこ中です。

福井


『福井典子の家』ーあたりまえを磨く滋味深い家ー
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https://fukuinoriko.archiroid.com/

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