2023.10.10 クレーヴェ行きの普通列車。
「それでね、その時主人ったらね、ほんともうマヌケなのよ」
電車に乗ってからずっと、隣の席のおばあちゃんと会話をしています。
クレーヴェ行きの普通列車。10時41分、彼女はクサンテン駅から乗ってきました。
よっぽど好きなのか、話の内容はずーっと、旦那さんのことばかり。
読書をしたかったので、最初は話半分に聞いていたのですが、次第に話が面白くなってしまって、途中から、おばあちゃんと一緒に笑っているわたしがいます。
「あら、そろそろ降りなきゃ、付き合ってくれてありがとね」
え!もう降りてしまうのです?話の途中ですよ?いまとっても面白い展開ですよ?
結局彼女は、話を座席に置き去りにして降りていきましたが、それからのわたしはもう、ずっとむずむず。気になって気になって、眠れそうにありません。
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