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積極的降伏のススメ

世界で最も幸福な部族と言われている「ピダハン族」をご存知ですか?


ピダハン族はアマゾンの熱帯雨林で暮らす狩猟採集民です。

いつ猛獣や毒を持った虫襲われるか、伝染病に感染するかわからないプレッシャーの日々の中でも彼らには、うつ病や不安障害などのメンタルの問題はほぼ存在せず、怒りや落ち込みなどのネガティブな感情を見せることもほとんどないそう。


一方、先進国に生きる私たちの方が安全で便利な暮らしをしているにも関わらず、精神疾患の患者数は年々増え、自殺者も後を立ちませんね。

シンプルに不思議。

便利な生活なのに精神はどんどん病んでいく私たち。

ピダハン族との違いは一体なんなのでしょう。


ピダハン族の価値観

結論から言うと、私たちのピダハン族の一番の違いは”物事の受け止め方”にあります。


ピダハン族は根拠の薄いことを話さない文化があり物事をありのままに受け止める生き方をしています。
実際に見聞きしたこと(事実)のみを受け入れ、(魚をとった、お腹がすいた、子供が死んだなど)会話の中で過去と未来が存在しないそうです。

そのため、過ぎたことやこれからの不安にとらわれることなく、目の前のことをただ淡々と受け入れ日々を過ごしています。

一方、私たちは、今目の前に起こっている物事に対し、すぐ過去や未来を結びつける思考が定着しています。


例えば
・収入が少ない(事実)
=この先の生活が不安だ(未来の想像)
・上司に怒られた(事実)
=あの時あのミスをしなければ(過去の後悔)

こんな感じ、なんとなく想像つきますよね。



ピダハン族はたとえ、獲物が見つからず食料が見つからなくても、餓死する可能性など先の未来を過度に考えず不安になったりしません。

ただ、淡々と食料がないと言う事実を受け入れ、
あとはできる限りの対応をするのみ。
実にシンプルです。

この、”ただ受け入れる”ことは起きた物事だけでなく、私たちの感情にも当てはめて利用することができます。


”苦しみ”を生むメカニズム

先ほどあったように私たちは何か物事が起きた時、すぐ過去や未来を結びつける思考が無意識下で定着しています。

過去の経験や世間での価値観と物事を結びつけ、それが自分にとっていいことなのかそうでないのか判断しているワケです。

そしてその判断が自分にとって好ましくないものと認識した場合、ネガティブな感情となって苦しみを生み出します。

苦しみや悲しみなどのつらさを好む人はMな人です。笑

大抵の人はそのつらさから逃れるために、なんとか解決の道を見出そうとします。

しかし、苦しさや悲しみはそれを排除しようともがけばもがくほどするほど、より強くなると言う蟻地獄のような性質を持っています。


抵抗がさらなる苦しみを生む

ヨガを指導しているシュリ・チンモイは「降伏とは混乱から平和への旅だ」と語り、中国の老子は「人生は自然に起こる変化と自ら起こす変化の繰り返しである。それに抵抗すれば不幸を生むだけだ」と残しています。


例えば、ランニングをすれば誰でも心拍数や体温の上昇、足や身体への疲労を感じますね。でもランニングを好み自ら進んで走っている人は「ランニングとはこのようなものだ」と理解した上で行なっているため、それに対して抵抗しません。


一方ランニングを強要されてイヤイヤ走っている人は、「なんでこんな辛い目に、、、」「疲れた、もうやめたい」など抵抗の感情が湧き上がります。

そうするとさらに身体の疲れを感じ取りやすくなり、イライラした気分も増幅、ランニング自体が一気に苦しいものとなります。


ラッパーの田我流はインタビューでこう語っています。

・抗っている自分もだるい
・抗うってものすごく力を使うこと
・例えば、パンチとパンチで拳が当たっているのに、抗うっていうのは押してくる力に対して同じ力をかけないと均等が取れない。これずっとやってたら疲れるじゃないすか。それは不自然ですよね。自然になるにはどうしようって思ったら、これ受け流した方がいいっすよね。



かっっっっっこいい。

私たちが苦しみやネガティブな感情を肥大化させず、それに飲み込まれないためにできることはたった一つ。

受け入れて降伏する。それだけです。

降伏って弱いことのような、負けのようなイメージがあるけれど、本来とてもかっこいいことだと私は思います。

ことわざでも”金持ち喧嘩せず”とか言いますね。


不良を改心させようと頭ごなしに怒る先生より、まるっとその子を受け入れた上で教えを説く金八先生のような。

自分の感情も、起きた物事も全てに抗わず、さっさと白旗あげて降伏していくマインド。どうでしょうか。


でも降伏していくって、アタマでは理解できても、実際に行動し定着させるのはなかなか難しいものがありますよね、

積極的降伏のためのワーク、
今度やってみましょうか!

では!ピダハン!











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