約15年間にわたって複数の家庭を崩壊へと追い込み
監禁監視して家族同士で虐待を行わせ
やがて死亡させて遺棄したことが2012年に発覚した

尼崎殺人死体遺棄事件

以前〈NHKスペシャル 未解決事件シリーズ〉の
第3弾目にこの事件が取り上げられ、
やっと初見したので感想を綴っていく🖊

主犯 角田美代子という女

番組では角田を知っている証言者の話と
その証言を基にしたドラマで角田美代子という女を掘り下げていた

生い立ち、
瞬間湯沸かし器のごとく怒る性格だったこと、
バックにヤクザがいることを匂わせながら
被害者家族に執着してとことん虐げる手法
自殺前の様子…

ドラマパートの角田を演じた烏丸せつこさんの凄みも相まって本当にとんでもない人間だったことが分かった一方で、
被害者家族の子供だけを自分の手元に置いて
洗脳したり養子縁組して可愛がっていたことや
同じ留置所にいた女性が自殺前の角田の様子を語る場面では
家庭への枯渇感と激しい憎悪を感じた

香川・兵庫県警のお粗末さと改善

15年の間に〈　36回　〉通報されていたにも関わらず、
家族間の揉め事では警察は介入できない
被害届を出さないと、事件事故が起ってからでないと動かない姿勢だったという当時の香川・兵庫県警にあ然とした

しかしこの事件の特性上、角田の洗脳により
家族同士で虐待をさせることで
家族間で加害者と被害者という立場を作り出し
周囲に相談しようものなら更に制裁が待っているというシステムだった為、
被害者自身が負い目を感じて被害届を提出することを躊躇したとの話だった

そして角田のもとから逃げたとしても
必ず取り巻きが追いかけ回して引き戻していたこと、
そんなことが何度も何度も繰り返され
虐待も増して衣食住の自由も奪われ
やがて相談することも逃げる気力体力もなくなるという、惨いサイクルが出来上がっていたと

のちに香川・兵庫県警は落ち度があったことを認め、
番組では警察が顔出しをして再発防止策を語っていた

この事件を踏まえてどんな些細な親族や近所間のトラブルも相談を受け付ける窓口を作ったとのこと

26歳

父、母、姉、妹の4人家族のうち
父親は生存、母親は不審死、洗脳され虐待等行っていた妹は逮捕、

そして命からがら角田の支配から逃れ
名前を変えて一時期は生活を立て直していた姉が
唯一の身分証明であった免許証がきっかけで
捜索願を出していた角田の方に警察から姉の居所を連絡されて
姉は再び角田らに捕まり監視虐待を受けた末に
12月に26歳の若さで死亡している

今27歳なので、同じくらいの歳の時に
こんな目に遭わされた方がいた事実を知って
心に重く響いた

妹は角田に可愛がられていて
姉は反抗的だった為 死ぬまで追い込まれたと

番組の中で父親がインタビューに応えている
自身も金銭を巻き上げられ仕事にもいかせてもらえず追い込まれながら
なんとか家族を逃がす努力はしたけれど、
結局角田の洗脳には抗えず
幸せだった家族は崩壊して実質1人になったとのこと

ドラマパート

ドキュメンタリーの間に再現ドラマが挟まれている

この構成は演出過剰になる可能性が孕んでいると思うので好みが別れそうだけれど、
角田役の烏丸せつこさんや
虐待を受けた被害者家族役の役者さんたちの熱演が素晴らしかったので引き込まれた

実際の証言もインパクトがあったが、
芝居からも惨さがひしひしと伝わってきた

あまり気軽にオススメできる内容ではないけれど
見応え十分な内容だったのでシェアします📺