舞台『禁断の裸体』 性愛で救われ、性愛で身を滅ぼす人々
今から8年前に上演、WOWOWで放送された
舞台『禁断の裸体』
内野さんのインタビューが読みたいなと思って検索している時に この舞台の記事がヒットし、
そう言えば以前WOWOW加入してた時にとりあえず気になる舞台は片っ端から録画&ダビングしていたことを ふと思い出した
【 ざっくりあらすじ 】
妻を亡くし、無気力に生きていたカトリック信者の エルクラーノ〈内野聖陽〉
そんな兄を見かねた奔放な性格の実弟 パトリーシオ〈池内博之〉が
気に入っている娼婦 ジェニー〈寺島しのぶ〉を紹介する
死別の傷が癒えないエルクラーノは弟の提案に激しく反発、
加えてカトリックな為 無闇矢鱈な性交渉は持たないと心に誓っていた
そして一人息子 セルジーニョ〈野村周平〉と交わした ある約束 も誓いの一つではあったが___
感想
R-15指定、
日曜日の夜にすごいものを観てしまった
これまで舞台というものは映像でしか観たことがないけれど、
ここまで肉体を晒してセックスシーンが含まれるタイプの舞台作品は初めてだった
人間って性愛を避けようとしても、やめようとしても
一度溺れるような快楽を味わってしまえば やはり求めてしまう生き物なのかなということを
内野さん演じるエルクラーノや 寺島さん演じるジェニーから感じた
それは時に救いでもあり、身を滅ぼすことでもあるのかなと
一方でアクシデント的に自分の意思に反する形で性を知ってしまった野村さん演じるセルジーニョ、
傷を癒やす為に内にこもるor決壊するように開放的になるか
激しく揺れ動く青年も印象的だった
木野花さん、池谷のぶえさん、宍戸美和公さん演じる処女のおば達も良いお味を出されていたなぁ
特に木野さんの絶叫「インポテンスなのよ〜!」は多分一生忘れられない…w
池内さん演じるパトリーシオは色気がとんでもなかった…
禁欲的な兄とは違い 子ども時代から性に奔放な、場をかき乱す男だった
演出
元々はブラジルの劇作家 ネルソン・ロドリゲスという方の戯曲とのこと、
日本版として劇作家・演出家の三浦大輔さんが演出されたと知って過去作を調べてみたら
「愛の渦」「娼年」を作られた方と分かってビックリ&なんだか妙に納得
まず場面転換やBGMの使い方がとにかくオシャレだなって思った
ダサいと感じる瞬間が一秒もない感じ
基本的にシリアスだけれど一部コミカルさもあり、放送禁止用語が気持ちよく放たれる剥き出しのセリフがなんだか清々しささえあった
しかし冷静になれば本当に酷い言葉遣いだったけど…
一方で正当にドキッとしたセリフは
エルクラーノ 「処女のように抱いてやる」
一択
※ただし後の掌返しには↓↓↓
真面目にお茶目にセックスを語る俳優
上映後に内野さんと三浦さんが交互に単独インタビューを受けるシーンもあった
作品を観終わって さらに理解が深められる話だったり、
お互いの印象や共演者の話やセットの話、
セックスシーンについても語られていた
この物語の主軸と言っても過言ではない濡れ場を演じる際の気持ちを真面目に語る姿や
本来ただ夢中になるだけのセックスを改めて客観的に考えたと、赤裸々にインタビュアーに問いながら語る姿がお茶目だった
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