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在宅介護の記録・スルーすることを覚えたコト★

4人の両親のお看取りをさせていただきました。在宅介護の経験から、何かお役に立てることがあるかも?と思って、当時のブログから、一部書き直して掲載しています。

お願いしまーす

2017年3月12日 (日)のブログより。


認知症でほぼ寝たきり、完全介護になったばーちゃんの口ぐせは

「お願いしまーす」

もう、1日中、「おねーさん、おにぃさんー」
「お願いしまーす」の、大安売り。
(ちなみに、家族のことはもはや、誰だかよくわかっていなかったです。特に一人っ子息子の夫の事は、他所のおじさんと思ってたみたい)

何を?と聞いても、耳が遠いからイマイチわからん。
でも大抵は、「奥の部屋に連れて行って。」


でもね、奥のおばーちゃんの部屋に行くと介護ベッドを見て、「寝ようか」と言い。
ベッドに、うんうん言って頑張って移したのに、そのとたんに車椅子見て
「そっちに座ろうか」、と言う訳。

いま、車いすから移ったことをもう忘れていて。

ベッドに寝ていてもらうのがとりあえず一番安全なので寝かせておき。
実家の両親の様子を見に行ったり、用事をこなす訳なのです。

でも、その間、ずーーーっとベッドから

「お願いしまーす」の連呼な訳です。

時々、誰かに話しかけたり、訳のわからない独り言も言ってるけどね。


ご飯になったら、起こしてリビングに連れて来るのですけど、ご飯運んだりしてる間にもう
「眠いから寝ようか、あっちに(奥の部屋に)連れて行って」となる。
そして、言いだしたら聞かない・・・。

なので、食事の時には、速攻食べれるよーにして、何かつまんでもらう間に配膳を、と用意するのだけれど。
まぁ、これがまた速いっ!!
速攻食べちゃう!
入れ歯も入れてないのに!
(なので、もう歯は無いままで食べて頂いてます。食べれるもんです、笑)

でもねー、なかなか、スルーするのは苦しいものなんです。
赤ちゃんの泣き声だって、意味わからなくても放っておけなくなるのに
意味わかる言葉で呼ばれるからねー。

まぁ、声を出すリハビリだ!と思って、なんとかスルーしてはいます。
全部に付き合えないしね。

ただ、ディに行っていて、ばーちゃんが留守の時にも
「お願いしまーす」って
声が聞こえる気がするんですよねー。

赤ちゃん育ててた時にも、泣き声が聞こえる気がするのと同じ感じ。

まあ、だんだんスルースキルが上がってきてはいて。
しかも、それは一歳の孫まで!
学習能力が高いのに驚きます。大人と同じなんでしょうけどね。


この状態で、実家の両親がかなり復活してきてくれてる事がホントに感謝。

認知で全部忘れちゃう母が、父を介護する側なので、イライラせずに済んだからかもしれません。
本当に、それも感謝です。


※なんと、同居のばーちゃんが寝たきりになる前までは、実家の父が寝たきりだったのに、実父は何故か要介護5から、要介護3まで復活したのでした★

これも、考えてみたら、実家の母は、父が「寝たきり」だという事実を忘れてしまって、ご飯に呼んだり。
自力でトイレに行かせたり。
動けない、って事をスルーしたら、何故か、父も何とかして自力で動くようになり、要介護3まで復活したのです。


笑顔♪

(2017年4月 2日 (日)ブログより)

ずう~っと呼び続けている義母を
スルーするのは、なかなかシンドいことで。

かと言って、あっちあっち~!こっちこっち~!と言う、1歳の孫みたいに、抱っこで動かせるならともかく。
重たい大人、1人では起き上がれず、座ってもいられない人を、そして、それを自分で認識していない人を、言われるたびに動かす事も出来ず。

呼び続けるのも、しゃべるリハビリだと思い変えて、生きてる証拠だと思い、流しております。

けれど
ご飯の時に、起こしに行くと
にっこりしてくれて、「あ~良かった~」と言われます。

この、に~っこり!が本当に有難く、ホッとするのです。
笑顔って、本当に癒やす力があるのですね。

(ディサービスの母の日イベントで、お化粧してもらって、撮影もしてもらった時)


追記

けれど、これが何か月か続いているうちに。
スルーする事にも慣れてくるのでした。

孫も、まだコトバがハッキリしない時にも、ず~っとしゃべっていたりして。
あ~、同じだな~って思ったものです。

孫なら「かわいい」と思うのに、何故、ばーちゃんには「かわいい」と思えないのか?
「かわいい」と思えば良いのにね。だから、なるべくかわいい~と思おうと。
面白い~と思おうと、

そして、この後もっと動けなくなって、寝返りもできないくらいになりましたが、その頃の方が、介護するのは逆に楽だったです。
レンタルの介護ベッドや、エアーマットのおかげで、褥瘡もできずに済みましたし。

まぁ、だから、何があっても、全部マル!なのだな~と思います。
要は、「どう思うか」「どう受け止めるか」次第なのですね。

で、何があっても「結局ラッキー」って決めておくと。
本当に、結果オーライで。
あまり、物事にひっかからずに流してこれました~。
「こうでなければならない」にひっかかると、介護だけじゃなくても、自分が大変ですものね。
相手も周りも、変える事はできないし。

ただ今介護中で、大変な方も多いと思うけど。
どうぞ、ご自分も癒やしながら、自分の楽しみも捨てないで、お過ごしくださいね!

わたしは、グンちゃんのお陰で、「もう~!」ってなった時も、隙間時間にドラマ見たり、移動時間の車で、彼のCD聞いて、歌声で癒されたりして、クールダウンすることができました。
来日コンサートとかある時には、義母さまをショートスティに、1泊お泊りお願いして、出かけました~。

介護してる方が倒れたら、何にもならないですもの~。


けれど、介護のお陰で、「スルーする」ことも覚えて、他の人間関係でも、いい具合に過ごせているような気がします。
「勝手に翻訳して」聞いてもいるし。

どうぞ、こころ穏やかに、笑顔で過ごせますように。
読んでくださって、ありがとうございました。

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