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喪失が人を強くする、欲望のグラコロ

今日の昼、セブンイレブンに寄って「グラタンクリームコロッケ」を買おうとレジに並んだら、前の客に最後の一個を買われてしまった。本当に悲しく悔しかったので夕飯はグラタンクリームコロッケにすると決めた。クリーム系のコロッケを作るのは初めてだったが、けっこう上手く出来た。日々の料理は生活の主導権をちゃんと握れている感じがしてとても好きだ。作られるより作りたい。

「欲しくても手に入らなかった」という飢えこそが物を作る原動力になる。並んでいるグラコロを食べて得られる幸福よりも、最後のグラコロを買われた喪失こそが自分の手を動かす力になる。

たくさんの料理を見たり、知識をインプットすればレシピは増える。しかし腹が減っていなければその日の飯を作る意欲は湧いてこない。創作に必要なのもきっとこういう「空腹感」なのだ。たくさんの絵を見たり、勉強をすれば表現の引き出しは増える。しかし、満たされてしまうと作れないものがある。ぽっかり空いた心の穴が埋まり、飢えが無くなると、まるで憑き物が落ちたかのように創造の炎が消える。そんなこともあるだろう。腹が減らねば戦は出来ない。

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