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もし今年オリンピックがなくなったら

 もし今年オリンピックがなくなったら、私はこの国を出て海外に移住しようと思う。なぜならば、昨年・今年に開催されるはずだったオリンピックが完全に消滅するというようなことになれば、この国には絶望しか残らないためだ。この国はずっと経済が右肩下がりで、全体的には貧しくなっている。この国の政治自体はそれを挽回するような産業育成ができなかった。だから、無理矢理2013年にオリンピックを招致して、インバウンド頼みの考えに持っていったのだろう。そして、東日本大震災などの自然災害からの復興のために使われるはずだった金が、大量にオリンピック絡みに使われてしまった。もしオリンピック自体がなくなれば、その大量の金は水の泡になってしまい、金は戻って来ず、今以上にゴーストタウン化が増すだろう。

 私自身に関しては、東京六大学の明治大学を卒業したのにも関わらず、就職できず10年以上フリーターをしているので人生を詰んでいる。何の希望も持てないし、失望ばかりだ。(まあ私を今まで不要な道具と見なしてきた社会も悪いんだが。)もしオリンピック自体がなくなったら、私はオリンピック招致決定からの8年、この国に裏切られ続けてきたということになる。命が大事だからという意見もあるが、私自身は現実として人生で逆転できる可能性はことごとく低い。就職しようと思っても、数え切れないほど何回も面接を受けたにも関わらず落とされ続けてきて、社会人経験が弱いと見なされている私を今更正社員として雇うことなんてどこにもないだろう。人生をやめたいと思うことは何度かあるし、今の低水準の環境における仕事以上のことをできる見込みは現在の時点では無い。今のままならば政治はその問題を解決できず、特定の所にのみ優遇する流れは変わらないだろう。私よりふざけていて調子の乗っているのに私より高い評価を受けている者に対しては、苛立つし憎悪の感情を抱く。その者から仕事を奪いたいとも考えるときもある。

 それに、私はこの国における前倣え精神のある社会には馴染めないと思う。私は実の母親や危害を加えられた者に人格否定をされたことがあるが、このままこの国にいても失望ばかり抱き続けるのではと思ってしまう。もしこの国が希望を抱ける数少ない要素であるオリンピックすらなくなれば、この国への不満は一層に増すだろう。だから、今年オリンピックがなくなればこの国から離れたい。ただし、私がもし奇跡的に正規雇用で雇われるか起業できる見込みができて経営者になれるのであればこの国にとどまるかもしれない。ただ、その可能性は現在の時点では非常に小さいと考えている。

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