大腸がん日記 72日目

私にはまったく師走感は無いんだけど、この日は大晦日。朝は珍しく雨が降っていた。看護師さんに聞いたら大晦日の雨は数年ぶりだとニュースでも取り上げられていたらしい。

入院9日目 術後6日目

明らかに昨日からはお腹の痛みが少なくなって、気分も楽になっている。昨日まで赤かったお腹の管は排液が透明っぽくなっている。その他は昨日と変わらず、右腹部の痛みは持続している。

朝食の五分粥は突如の倍量。お椀のフタを開けただけでお腹いっぱい。でも食べなきゃ退院できない。食べねば。そして相変わらずの牛乳。飲まねば。
お腹が空かない状態での食事がツラい。匂いだけでごちそうさまって感じ。本当は食いしん坊なのになぁ。

朝の回診でお腹の管が外れた。ドレーンのパックを下げていたポシェットは捨ててもいいですよ、と言われたけど、記念に持ち帰ることにした。子供の描いた絵がかわいいポシェット。ずっと一緒に過ごしてきたんだもの。捨てられない。

朝から誰もいない外来をガシガシ歩いて、念願のシャワーも浴びて、気分もスッキリ。痛み止めの点滴が効いていれば、右腹部以外はほとんど痛みを感じない。

お昼はとうとう全粥になった。苦しい。食べ終わるまでに看護師さんが「終わりましたか?」って2度もいらした。そうだよね、食器が片付かないもんね、ごめんなさい。
でもね、食欲がない+腸閉塞予防に咀嚼多めとなると、時間がかかっちゃうんだよね。

夜は新しい大河ドラマのガイドブックを読みながら紅白を観て、続けてジルベスターコンサート。今年はチャイ5だった。そういえば今年の初めはリバーサルオーケストラにハマったなぁ。初音ちゃんかわいかったし朝陽さんカッコよかったし清塚さんのアレンジ素敵だったし審査員役の組長シブかったなぁ。遠い昔のように感じる。
らんどさん、どうされてるんだろう?

左腕のルートが落ちなくなって、2日前に右腕に変えたんだけど、こっちももう落ちなくなっている。輸液交換の時間になっても1/3くらいは残っている。利き手ってつい力が入るからか、気付くと血液が逆流してることもしばしばあって。
早く点滴が外れないかな、と思いつつ、痛み止めが点滴から錠剤に変わったら痛みはどうなるんだろう?不安。


朝、窓から見える山並みにほんの少し靄がかかって、雲海のように幻想的だった。殺風景な病室での年越しの一日。私にとってはここ数日で一番普通の幸せを感じられた日だった。
なんだかんだいっても、今、普通に生きていられることに感謝。病気は見つかったけど、生きて、回復していることに感謝。
2023年、ありがとう。

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